武蔵野大学が社会人が働きながらウェルビーイング学を学べる「ウェルビーイング研究科」を2026年4月より開設
武蔵野大学は2026年4月に新たな研究科「ウェルビーイング研究科」を武蔵野キャンパスに開設。
この新研究科の開設に先立ち「ウェルビーイング研究科」に関する記者発表会、ならびに社会人向けのトークセッションが開催されました。
武蔵野大学が「ウェルビーイング研究科」を開設
近年、環境問題や紛争・パンデミック、貧困と格差といった様々な課題に直面する中で、心・体・社会といったあらゆる面において良好な状態、幸福であることを表す「ウェルビーイング」の考えの重要性が高まっています。
これを受け、武蔵野大学は2024年4月に世界初となる「ウェルビーイング学部」を開設。
心理学や環境学・イノベーション学等を学び、自然・地域・企業・世界での実習を通して、一人ひとりの多様な幸せと世界全体の幸せをデザインしカタチにしていく人材を育成することを目指しています。
この度武蔵野大学は2026年4月より、ウェルビーイング時代の社会ニーズに対応し、社会人が働きながら「ウェルビーイング学」の最先端を学ぶことができる「ウェルビーイング研究科」を開設することを発表しました。
ウェルビーイング研究科の記者発表会には、武蔵野大学の小⻄聖子学⻑が登壇。

「ウェルビーイングの実現という目標を踏まえて、武蔵野大学は来年4月、国内ではじめてウェルビーイングという名前を冠した独立の大学院研究科を開設します。この新しい研究科は学生さんだけでなく、働く方や社会人など全ての方に開かれています。どんな業種・分野であっても“自分の仕事は人のウェルビーイングにどうつながるのか?”ということを問い直すことができると思います。皆さんと共にウェルビーイングのあふれた社会を築いていきたいと思っております。」
と挨拶を行いました。
武蔵野大学大学院ウェルビーイング研究科 研究科⻑に就任を予定している、武蔵野大学ウェルビーイング学部⻑/慶應義塾大学名誉教授の前野隆司さんが登壇し、研究科について紹介。

「去年の4月にウェルビーイング学部ができ、これは世界初の学部だったのですが、このウェルビーイング研究科も博士(ウェルビーイング)、修士(ウェルビーイング)が取得できる世界初の大学院を開設することになります。」
と、世界初の大学院研究科であると説明しました。
前野さんは、現代は格差と貧困、戦争や紛争・テロ、さらには利己主義・パンデミック・環境問題など、様々な要因によって世界が幸せではない状態であると説明。

資本主義の限界・AIの脅威など、世界が幸せでない理由を挙げつつも、AIの力によって世界はどんどんと変化していくため、その力をうまく使いこなしながら、楽しく課題を解決することが必要だと訴えかけ、

「私たちはウェルビーイングを学んだ人が世界に出ていくことによって、世界は本当に変わると思っています。諸課題を解決するきっかけになる、そういう場所にしたいと思い、世界中・日本中のウェルビーイング専門家を集め、志と知恵のある人に来てもらい、大学院の修士課程・博士課程で学んでいただく、そういう大学院を作りたいと思っています。」
と、世界中の課題をウェルビーイングで解決する人材の育成を行っていくと語りました。


平日の夜間、及び土曜日を中心に開講するほか、対面・オンラインのハイフレックス形式で授業を行うため、社会人でも受講しやすい形態を自由に選択することが可能。
一部対面のみで実施する科目も存在するものの、当該科目を履修しなくても修了要件を満たすことが可能な構成であることも説明。
さらに、科目等履修生制度によるリスキリングプログラムにより、正規の学生と同様に授業科目を履修できる制度も設定されていると紹介しました。
「他者の役に立つことがその人を支えてくれる」
株式会社日立製作所 フェロー/株式会社ハピネスプラネット 代表取締役CEOの矢野和男さん、小西学長、前野さんの3人によるトークセッションも実施。

AIや社会におけるデータ活用の研究に従事されている矢野さんは、
「20世紀の学問がどんどん縦割りになっていっており、これは効率化という部分では良い面もありますが、一方で分断化が進んでしまっています。今回の取り組みによって、全体を俯瞰して物事をもっと整理して見れる世界を作っていってほしい。そういう人たちが、社会を変える起爆剤になることを期待しております。」
とコメント。
また、AIによる人間の仕事の置き換わりに話題が移ると小西学長は、

「今やサポーティブなカウンセリングはAIである程度できてしまうところもありますが、そのことを考えると、一体どこまで仕事が置き換えられるのかなと。それを置き換えてみた時に、教育もAIの方が上手になった際は、“人はどういうことをやっていくのか”ということをかなり作っていかないといけないなと思います。」
と今後のAIの進化に教育現場も変化が必要となっていくと言及。
また、
「変化が大きい社会の中で、若い人に色々なことを教えていると、人の役に立つことが本当にその人を支えてくれます。小さいことですが、例えば自分ができたことが役に立った・何かできるということが人のモチベーションを上げますので、そういう素朴な感情を大事にしてほしいと思います。今回(ウェルビーイング)研究科ができることで、私はぜひ社会人の方にたくさん入っていただきたいと思っています。学びたい時に入って、ウェルビーイングのことを考え直して、それを仕事に活かすこともできるし、研究をさらに進めることもできるしと、柔軟に使っていただけるといいなと思います。」
と本研究科でウェルビーイングについて学んでほしいと語りました。
本研究科は2026年4月に開設予定となっているので、ウェルビーイングの学習やリスキリングに興味がある方は、武蔵野大学の公式HPをご参照ください。
ウェルビーイング研究科「修士課程」:https://www.musashino-u.ac.jp/academics/graduate_school/course/well-being/major/index.html
ウェルビーイング研究科「博士後期課程」https://www.musashino-u.ac.jp/academics/graduate_school/course/well-being/major/well-being.html
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