【この話、いつ終わる…】取引先の「ダラダラ雑談」をうまく切り上げる5つのワザ
打ち合わせや商談中に、いつのまにか相手の話が本題から外れていってしまったこと、ありませんか? 「このあとも仕事が残っているのに…」「時間がないから早く帰りたいのに…」など、笑顔であいづちを打ちつつ、内心焦ってイライラ…。
目の前の相手に重要とは思えない話や雑談を延々と続けられても、相手が目上の人であったり、大切な顧客やビジネスパートナーである場合、自分から話を終わらせるのは難しいですよね。
今回は、長いムダ話を、カドを立てずに自然に切り上げるワザをご紹介。1万2000人以上に「話し方」を指導してきた「話し方教室 青山コミュニケーションセミナー」代表・栗原典裕氏からアドバイスをいただきました。
押さえるべきポイントは「相手を尊重する」
多くの人がすでに使っている手法としては「第3者のせいにする」がポピュラーです。
「この後、**担当者とも打ち合わせしないといけないので…」
「次のお客様とのアポイントが入っておりまして…」
「上司から早く戻るようにと言われておりまして…」
しかし、そうした言い訳が使いづらい場面もあるでしょう。それに、気分よく話している相手からすると「自分の話を断ち切られた」「自分より他者を優先した」と、いい気がしないかもしれません。重要なポイントは、「目の前にいる相手を尊重する」ということです。
1:「相手を気遣う」体裁で話を終える
ふと時計に目をやり、
「あれ、もうこんな時間なんですね!お時間、大丈夫でしたか」
「気づかずに長居して、貴重なお時間をいただいてしまって申し訳ありませんでした。お忙しいところありがとうございました」
こうした区切り方であれば、「相手に配慮している」「相手の時間を尊重している」という体裁をとれます。突然切り上げたとしても、悪い印象は残さないでしょう。
2:「次回」を持ち出し、終了の空気をつくる
「今のお話、おもしろいですね。次回お会いしたとき、そのエピソードをもっとじっくりお聞きしたいです」
「次回のミーティングは、いつ頃でしたらお時間いただけそうでしょうか」
このように「次回」という言葉を出すことで、「そろそろ終わり」という空気に変えることができます。「次回、じっくり聞きたい」と伝えれば、相手の話題に興味を持っており、引き続き聴く姿勢があることが伝わるので、「話を断ち切られた感」を与えることもありません。
3:「手帳を閉じる」「ペンをしまう」を終了のサインに
「ではまた次回」の言葉とともに手帳を開き、スケジュールの相談をして、手帳を閉じます。あるいは相手の話に出てきた情報に対し、「それいいですね!メモしておきます」と手帳を開けば、書き込んだついでに「そういえば、今後のスケジュールですが~」と話題を変えることもできます。
書き込んだら、手帳を閉じ、ペンをしまう。この仕草を見せることによって、相手も「切り上げ時」を察してくれることが期待できます。タイミングを見計らって行うとよいでしょう。
4:「一言リアクション」で、うまく話の腰を折る
相手が夢中で話し続けているとき、皆さんはどんなリアクションをとりながら聞いていますか? 無表情では相手の機嫌を損ねてしまいますから、「聞き上手」な人ほど、にこやかにあいづちを打ったり、合いの手を入れたりしながら聞いていることでしょう。そうすると相手はますます調子が良くなってしまいます。
そこで使いたい一言が「……アレ?」「あっ!」です。
これは、自分の話に夢中になっている人でも無視できないリアクション。「ん、どうした?」となるでしょう。そこで、相手が話した内容を取り上げて、
「いや、今のお話、さすがだなと思ったんですが、それで一つ思い出したことがありまして。実は~~」
「今、お話をお聞きして、そういえば**さんに聞いていただきたいことがあったのを思い出しました」
…などと続け、話題の主導権を自分に移すのです。そうすれば、話を終えるタイミングも自分でコントロールできます。相手からすると、自分がした話がきっかけとなって次の話題につながっていくため、ストーリーがつながっており、「強制終了させられた」という印象を抱かせずにすみます。
このほか、
「今、**さんが仰ったので思い出しました。急ぎで対応しなければならない仕事を忘れるところでした。ありがとうございます!」
…と、手帳を取り出して予定を書き込んで見せる手も。この場合、「あなたの言葉がきっかけで大切なことを思い出せた」という感謝を示せば、相手も悪い気はしないでしょう。「急ぎの仕事がある=早く帰らなくてはならない」という状況をそれとなく伝え、席を立ちやすくすることもできます。
5:相手のMAXのタイミングで深呼吸
長話をするクセがある人のタイプとして、「サービス精神旺盛で人を笑わせたがる」「ストレス発散とばかりに延々とグチを話す」などのパターンがあります。いずれにしても、相手が「MAX」状態を迎えるタイミングをつかみましょう。
笑い話にしてもグチにしても、一つの話題がピークに達して、相手が息切れする瞬間があるものです。一服して次の話題がスタートする前に、すかさず「終わり」のサインを出しましょう。
楽しい話題で盛り上がっているなら思いきり笑った後、「ふぅ~っ」と大きく深呼吸。グチを聞かされている場合は、つらい気持ちに強く共感するように「はぁ~っ」と大きなため息。
「いやー、おもしろかった」
「いやー、考えさせられました」
…と、「締めくくり」の言葉を告げます。本題が終わっていないのに横道にそれてしまっている場合は、
「あ、そういえば○○の件をまだお伝えしていませんでした」
「あ、そうそう、最初にご相談した件ですが~」
…などと本題に戻し、主導権を自分に移します。
以上、いくつかの方法をご紹介しました。相手のキャラやそのときの状況に応じ、使えそうなものを取り入れてみてはいかがでしょうか。
栗原典裕氏/青山コミュニケーションセミナー代表
国際証券(株)(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)を経て、教育業界大手の(株)栄光に転職。人材研修責任者として、10年にわたり「人気講師」を育成。グループ会社にて一般企業、私立高校の教師の研修も手がける。教育講演会は300回以上、個別面接・面談は10年で5000組を数える。同社退職後は商社役員などを歴任。 2004年に青山コミュニケーションセミナーを創設し、講師育成・企業研修・セミナーなど、幅広く活躍中。著書に『「気まずい沈黙なし」でどんな人とも120分話が続く会話術 』(明日香出版社)『「また話したい!』と思われる人の会話のルール」(中経出版)ほか。
EDIT&WRITING:青木典子
ビジネスパーソンのための、キャリアとビジネスのニュース・コラムサイト。 キャリア構築やスキルアップに役立つコンテンツを配信中!ビジネスパーソンの成長を応援します。
ウェブサイト: http://next.rikunabi.com/journal/
TwitterID: rikunabinext
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。