月額500円の映像配信サービス『dTV』の使い勝手は? 様々な条件で試してみた!
世の中に多くある動画配信サービス。『YouTube』でもいいじゃないかと意見もあるが、映画やアニメ、ドラマ等のコンテンツを見ようとすると、どうしてもこのようなサービスを利用せざるを得ない。
この手のサービスはまさに戦国時代ではあるが、そのうちの一つである『dTV』というのを試してみた。
よく、会員数とかコンテンツ量とかそういう視点だけでサービスの良し悪しを判断しようとする向きもあるが、記者は一切そこには目を付けない。
理由は簡単で、個人の好みの問題によるところが大きいからである。
すなわち、アニメが好きな人はアニメに強いサービスを選択すればいいだけの話である。しかしながら、そこに自分の好みに合うコンテンツがなかった場合、どんなに会員数が多かろうが、コンテンツ量が多かろうが、自分自身にとっては何のメリットもないサービスになるだろう。
そういった意味で、使い勝手や利用料金といった点だけにスポットを当ててレビューしてみた。
『dTV』はドコモが絡んではいるが、ドコモ限定で利用できるサービスではない。マルチキャリアのサービスだ。
また、動画を視聴できる環境もマルチプラットフォームで、これは他のサービスも同様のといえる。
写真はテレビに接続するためのターミナルで、これにネット回線を接続すればHDMIでテレビ視聴できる。よく考えられているのは、HDMIが入出力1系統装備されているので、既存のCATVターミナルのHDMI出力の後にdTVターミナルを入れ、そのあとにテレビを接続すれば、dTVリモコンで切り替えができる。1系統しかHDMI入力を備えていないテレビでも問題なく使用することができる。
また、Wi-Fiにも対応しているので、モバイルルーターやスマホのテザリングでも使用可能だ。
スマホでは専用アプリで視聴する。
通信環境さえあればノートPCの大画面でも視聴することができる。
PCの場合はブラウザで視聴することになるが、ここは注意が必要で、基本的にInternet Explorerしか対応していない。chromeはもちろんWindows10の標準ブラウザであるエッジでさえも視聴できない。設定によってはエッジでもできるのかもしれないが、少なくとも記者の環境では視聴できなかった。
これは、PCに詳しくない人は視聴をあきらめざるを得ないので、重大な失点となるだろう。
このサービスの最大のウリはダウンロード機能である。
すなわち、あらかじめWi-Fi等でアプリにコンテンツをダウンロードしておけば、オンデマンドではなくても視聴できるというもの。
新幹線のトンネルでも全く問題なく視聴でkる。
機内モードにして通信を断っても視聴は続けることができる。
音楽コンテンツはダウンロードには対応していないが、映画やアニメ等の映像コンテンツはあらかじめダウンロードしておくとよい。
ただし、一つだけ問題があり、ダウンロードしたコンテンツを再生する際にライセンス認証のため一瞬だけ通信をする。
この通信ができないと、写真のようにエラーとなる。
最初だけ一瞬通信ができればよいので、陸上のトンネル等で入る前に通信ができてさえいれば問題なく視聴することはできるが、航空機や外洋に出る船舶ではアウトということになる。
これは、せっかくダウンロード機能が付いていながら致命的な問題といえるだろう。この点を聞いてみたところ、すぐに改善できる問題ではないが努力はしていくという回答だった。
とはいえ、月額たったの500円というのは、記者の考える限りの最も魅力な部分で、多少の不便はあっても見ることができないわけはないので、レンタルビデオ1本分と考えれば安すぎるとさえいえるだろう。
極端な話、1つの映画やアニメを見たいがために500円払っても惜しくない金額設定となっている。その気になれば中学生でもお小遣いから払ってさほど問題のない金額ではないだろうか。
ちなみに、ボックスを利用してスマホテザリングで使用した場合の平均通信速度は下り4-6Mbps程度、PCでブラウザ利用、低画質モードで通信速度がCATVの1Mbpsに制限された環境で視聴した場合は概ね700kbps程度の速度で視聴可能だった。
おまけというわけではないが、海外での視聴について試してみた。
台北でオンデマンド視聴を試みたところ、写真のとおり海外のIPアドレスでは視聴できない旨のエラーが出た。
しかし、ダウンロードコンテンツはライセンス認証さえできれば問題なく視聴できたので、日本国内でダウンロードしておけば海外で好きなコンテンツを見ることは可能だ。海外でダウンロードはそもそも接続できないので、国内でのダウロードをお忘れなく。
良いことばかりではないが、31日間は無料試用できるので、もし自分に合ったコンテンツが見つかれば、月額500円というのは安いサービスといえるのではないだろうか。
※写真はすべて記者撮影
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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