【ライヴ・レポート】少女閣下のインターナショナル、初ワンマン大成功! 社長・里咲りさは涙「辞めなくてよかった」
6人組アイドル・グループ、少女閣下のインターナショナルが11月1日、東京・渋谷eggmanで初のワンマン・ライヴ〈スペクタキュラー・オプチカル社のあたらしいプログラム〉を開催した。
直前までチケットが73枚しか売れていないとアナウンスされていたが、駆け込みで購入した人などを含めこの日は200人以上を動員。満員と表現していいほど多くの人が集まり、ライヴは大成功を収めた。
ほぼ定刻に開演すると、ライヴは「ecole」からはじまった。メンバーがミュージカルのように演技を交えながらひとりひとりゆったりと歌う。1曲終えると、すかさず「少ナショ、よっしゃいくかー!!」と威勢の掛け声が響き、8分超えのプログレ・ナンバー「少女閣下のPKウルトラ計画」へ。客席も一気に活気づき、おおいに盛り上がった。間奏では里咲りさが「ワンマンありがとうございます!」とあいさつし、二文字杏、福円もち、黒石衿花、羊戸ひなの、白河花凛、里咲の順に自己紹介した。
妖艶な音楽が流れるなか、メンバーが口々に「あー!!」と悲鳴をあげると、「乙女みたいな季節」がはじまる。ゴシックな雰囲気を切り裂くように突如ノイズが入るなど、客席に強烈な印象を与えた。ここで一度メンバーがステージから捌けると、ミニ・アルバム『パルプ・プログラム』の冒頭に収録されているインスト曲「1分にも満たない」が流れる。そして幽霊やキョンシー、オオカミなどのコスプレ衣装に着替えたメンバーが戻ると、ライヴでは定番の「万国お化け博覧会」を披露。ステージからお菓子を投げたり、客席に降りて踊ったりと好き放題だった。
ここでモニターにライヴ映像が流れる。2014年9月29日のデビュー・ライヴ前日からこの日に至るまでを、着実に増えてきた動員数とともに振り返った。続いてソロ・パートへ。メンバー兼社長の里咲がメンバーひとりひとりと面接時を再現した即興の芝居を挟みつつ、各々がソロ曲を披露した。まず黒石は自身が作詞したというダンサブルな曲を披露。続く羊戸は、客席とステージの間に腰をかけながら「魔法が解けたらあの娘の匂いはもうしない」を歌った。白河は「暗黒の世界にようこそ」と紹介すると、場内をダークな世界に染め上げる。そして福円が煌びやかなアイドル・ソングを歌うと、二文字は「破壊、そして漫画」を披露した。
こうして現メンバーが全員揃うと、最後に里咲がアイドルの顔に戻ってパフォーマンス。「やったー! 6人集まった!!」と歓喜の声をあげ、骨太なギター・サウンドに乗せてソロ曲「だってね。」を解き放たれたようにステージを駆け回りながら歌った。途中、残りの5人もステージに合流、曲の1フレーズを黒石が歌う場面もあった。
レトロな特撮風の映像とメンバーの映像を交えた「少女閣下のPKウルトラ計画」のMVがモニターに流れると、続いて画面には「残念なお知らせ」の文字が映しだされ、次が新曲であることが明かされる。そして白い衣装に着替えた6人が音頭のようなリズムの「Nowhere on-do」を歌った。そのまま一気にラストまで駆け抜けていく。壮大な「僕らの心電図」でクライマックスを演出すると、最後はノイズが入り乱れるサイケデリックな「みなごろしフライデー」を披露。曲終わりにメンバーは、客席を駆けまわりながら楽屋へと去っていった。ひとり残された里咲が困惑した表情で「ほんとに終わりでいいの? 少ナショらしく終わります。ありがとうございました」と告げて本編は終了した。
「金返せ!」コールに導かれ、アンコールがはじまる。某有名バンドの名曲に激似のあの曲が放たれると、「最後だよ!」「まだまだ足りねーぞ!!」とメンバーは口々に煽り、羊戸は客席にダイブするなど激しいパフォーマンスを観せた。
ここでメンバーが改めてあいさつする。白河が「少ナショをやる前に何年かソロ活動をしていたんですけど、ワンマンははじめてで、それがこんなに楽しいものだとは思わなかったです。ありがとうございました」と話し、「白河」から「白川」に改名することを発表した。不安げな表情の福円は時折言葉に詰まりながら「こんなに(お客さんが)くると思わなかったです。だからうれしいです。みんなの笑顔が元気の源だから、こうやってみんながいてくれて… 楽しかったです! ありがとうございました!」と感謝した。
続く羊戸は「精一杯、感動的なこと言うので、泣いたふりしてくださいね」と冗談ぽく笑いつつ、「最初は路上とかでやっていて、つらいこともいっぱいあったんですけど… 1年前はこんなワンマンなんてできると思ってなくて… わーん(涙)」と泣き出してしまう。そして「すげーなって思います。こんな景色見せてくれて最高に幸せでした。ありがとうございました」と終始感極まった様子だった。
黒石は1年前を回想しつつ「アイドルの曲も何も知らなくて、よくわからなかったんですけど。(自分は)アイドルっぽくないし、辞めたいと思うこともいっぱいあったんですけど、ライヴでみんなが盛り上げてくれて、ナショ民が優しくて… 続けてきて本当によかったなと思います。こらからもアイドルっぽくないけど応援してください」と語った。二文字は「今日はいっぱいいろんな気持ちを詰め込んで、ライヴでちゃんと伝えたつもりです。もっともっとついてきてほしいという気持ちを込めてパフォーマンスしたつもりなので、みなさんこれからついてきてほしいです。ありがとうございました」とはっきりとした口調で気持ちを伝えた。
最後に里咲がマイクを握り話しはじめる。「最初に少ナショをはじめるときは、バイトの先輩たちとやろうって言ってて。そういうノリではじめて、最初は本当にひとりだったんです。事務所を辞めて、ひとりぼっちだったのに、ひとりぼっちじゃなくなってよかった…」と堪えきれずに涙。ひと呼吸置いて「泣かない!」と宣言して笑いを誘いつつ、「えり(黒石)となの(羊戸)は本当にいつ辞めてもよかったと思うんですよ。最初は交通費しか払えなかったけど、2~3ヶ月はそれで我慢してもらって、お給料を払えるようになってからも嫌なことはいっぱいあって。表に出ていないようなことも。そこに花凛が入って爆発力をあげてくれて、杏ちゃんともちが入って少ナショがやっとみんなに観てもらえるようになって。私も何回もこの世界を辞めようと思ったけど、辞めなくてよかったと思いました」と話し、メンバーに感謝した。
さらに、これまで支えてくれた元バイト先の先輩でもあるスタッフやファンに向けて「バイトしているときからかわいがってもらっていて、その人たちと一緒にこういうものを作れてよかったと思うし、それを観て、こうやって大事な時間を使ってくれるみんながいてくれて、本当にありがとうございます」と思いを伝えると、「これからもがんばります。少ナショをよろしくお願いします!」と最後は社長らしい言葉で締めくくった。
暖かい拍手が沸き起こるなか、客席から「ちょっと待った!」という声が響き、「少ナショ初ワンマン&1周年おめでとうございます!!」と祝福。そしてファンが彼女たちの1年をまとめたという手作りDVDが、サプライズでプレゼントされた。最後に「少女閣下のインターナショナルラップ」を披露。ラップをしながらメンバーは口々に「今日のライヴ最高だったよね!」「少ナショ大好き!」と叫んだ。「以上、私たち里咲りさと、黒石衿花と、羊戸ひなのと、白川花凛と、二文字杏と、福円もちで、少女閣下のインターナショナルでした! ありがとうございました!」とあいさつして、初のワンマン・ライヴは幕を降ろした。
少女閣下のインターナショナルには、これまでその難解な楽曲からか、全貌が見えにくく、どこか取っ付きにくいイメージがあった。今回の約2時間の初のワンマン・ライヴを観て、やっとその一部が理解できた気がした。そして、もっと彼女たちのことが知りたい、この日の続きが観たいと思った。ひときわ強烈な個性を持ちながら、結成からわずか1年で200人を超える動員を記録するほど大きくなった彼女たち。これからも、その活動を追い続けたいと思う。
少女閣下のインターナショナルは、11月6日に初のミニ・アルバム『パルプ・プログラム』を発売する。OTOTOYでは、それに先駆けて同作の24bit/96kHzハイレゾ版を先行配信中。(前田将博)
撮影 : 角田純子
〈スペクタキュラー・オプチカル社のあたらしいプログラム〉
2015年11月1日(日)渋谷eggman
1. ecole
2. 少女閣下のPKウルトラ計画
3. 怨み節/マカロンウエスタン
4. 乙女みたいな季節
5. 1分にも満たない
6. 万国お化け博覧会
7. タイトル未定 (黒石衿花ソロ)
8. 魔法が解けたらあの娘の匂いはもうしない (羊戸ひなのソロ)
9. mid days night (白河花凛ソロ)
10. タイトル未定 (福円もちソロ)
11. 破壊、そして漫画 (二文字杏ソロ)
12. だってね。(里咲りさソロ)
13. Nowhere on-do
14. mug
15. 僕らの心電図
16. みなごろしフライデー
アンコール
17. 例のあの曲
18. 少女閣下のインターナショナルラップ
・少女閣下のインターナショナル オフィシャルサイト
http://shonasho2014.wix.com/shonasho
・少女閣下のインターナショナル『パルプ・プログラム』OTOTOY配信ページ
http://ototoy.jp/_/default/p/56857
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。