日本上陸間もない新型SUV 『LX (レクサス)』試乗レビュー
2015年10月24日に開催された『浅間山モーターフェスティバル』において、『LEXUS AMAZING EXPERIENCE (LAE)』が同時開催されました。『LAE』は、LEXUSが不定期に開催している、車の醍醐味を存分に楽しめる“体感型のプログラム”です。今回は、9月に日本上陸を果たしたばかりのフラッグシップSUV、『LX』で浅間山の自然を駆け抜けるという内容です。
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レクサスならではの“高級SUV”
『LX』は、トヨタ自動車から販売されているSUV『ランドクルーザー (ランクル)』の血統を引くモデルです。さらに、ハイブランドである『レクサス』の意匠を存分に盛り込んでおり、“高級SUV”という位置付けになります。
全体的なフォルムは、『ランクル』らしい直線的な造形ですが、ところどころに流線形が用いられ、落ち着いた雰囲気となっています。一方、フロントマスクを見ると、ワイルドなスピンドルグリルと各種ライトの一体感がとても挑発的で、“これぞレクサス”といった印象です。
『ランクル』のバリエーションに、『プラド』というモデルがあります。『プラド』は、SUVである『ランクル』に“優れた居住性”を持たせることで、より乗用車に寄せており、ただのSUVに留まらない『LX』に似た趣旨を持っていると言えます。ただ、『LX』と『プラド』を比較すると、外観から伝わってくる“アウトドア感”が比べものにならないほど異なります。『LX』は、ガッシリとしたSUVの無骨さを持ちつつ、『レクサス』ならではの高級感も併せ持つ、文字通り“高級SUV”です。
想像以上にスポーティ
プロドライバーが運転する『LX』に乗り、浅間山を実際にドライブ。ドライバーがアクセルをグイッと踏み込むと、5.7リッターV8エンジンが、『LX』の巨体を軽々と前に進めます。
驚くことに、キツめのカーブに入ってもアクセルペダルをコントロールしながら、地面に吸い付くように曲がります。よくモータースポーツで「よく曲がる」という表現がされるのですが、『LX』の旋回能力はまさに「よく曲がる」といえます。
この優れた旋回性能はオフロードにおいても遺憾なく発揮されます。カーブを旋回中、アクセルを踏み込みドリフト状態に移行し、車体がコースに対して横向きになっていても、『LX』は決して失速せず、まるでラリー車のようにグイグイと前に進みます。
舗装路や悪路を問わず、走行するカーブのキツさに比例して、車体に掛かる横Gも大きくなっていき、ときには恐怖を感じてしまうことがあります。しかし『LX』はスタビライザーが強く効いており、旋回中の車体の傾きを抑制し、四輪すべてのタイヤが地面をつかみ続けます。これによりもたらされる接地感が、恐怖を感じさせることのないアウトドア走行を可能にしているのです。
『LX』は、最近のSUVの標準となりつつなる、デコボコした急斜面の走破性能も、当然カバーしています。急斜面に差し掛かると、フロントノーズなどが視界を遮り死角が増えてしまいますが、この死角を補完するカメラも『LX』は搭載。ダッシュボードに付いたモニターに映し出される死角を確認しながら、車体をコントロールすることができます。『LX』に装備されているモニターは、フロントガラスのすぐ下にあるので、モニターを見ながらでもフロントガラスが視界から消えることはありません。
大自然がよく似合う
写真撮影をするためにコース上で車を降りると、『LX』が大自然とよくマッチしていることに気付きました。筆者が『レクサス』に対して持っていたイメージは、どうしても“夜の都会を疾走と駆け抜ける高級車”というもの。しかし意外にも『LX』は、紅葉のなかでワイルドな存在感を筆者にアピールしてきました。「多少の汚れすら格好良く見せてしまう高級車」というカテゴリは、なかなかレアなのではないでしょうか。
『LFA』や『RC-F』も登場
『浅間山モーターフェスティバル』では、『LAE』のほかにも“ジムカーナ大会”が開催されており、『LFA』や『RC-F』などの『レクサス』を代表する高級車がスポーツ走行を披露していました。滅多に見られない『LFA』が白煙を巻き上げながらドリフトする姿に、来場客はかなり興奮しているようでした。
なんと『LX』もジムカーナにサプライズ参加。『LX』は窮屈に並べられたパイロンの間を縫うように走り周り、備え持つ高いスポーツ性能が披露されました。当然『LFA』などのスポーツカーには及ばないものの、SUVとしてここまで走れる『LX』 の走行性能は、SUVの域には留まりません。車を知り尽くした大人の男性に、ピッタリな一台です。
LX | LEXUS
http://lexus.jp/models/lx/
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