「寺社マルシェ」に行ってみた=青空個展・日暮里てづくり市

6月最初の土曜日となる4日、諏方(すわ)神社(東京都荒川区西日暮里3)境内で『てづくり市/青空個展』が、青空個展実行委員会の主催で開催された。
てづくり商品のみを販売する「青空個展」は2009年から、世田谷山観音寺(東京都世田谷区)や代々木八幡宮(東京都渋谷区)らで『てづくり市』を開催している。てづくり作家たちがアクセサリーなどのハンドメイド作品を持ち寄り境内に販売ブースを開く。パンやケーキなどの食品も開催地によっては出展可能とあり、「寺社マルシェ」として密かなブームになっているという。なお、マルシェとはフランス語で市場の意味。
「青空個展」の『てづくり市』は「人々が大量消費社会への疑問を持ち始めているなかで、人と人との距離が近く、コミュニケーションの場所となることを目指しています」とは同実行委の高村有美さん(たかむらともみ・32)。「IT一辺倒の時代もありましたが、近年は、ツイッターなどのツールが登場し、震災も経験しました。ひとつひとつのものを大切にする人、エコに関心を持つ人、既製品のデザインに飽き足らない人は増えてくると思います」とも。
当日は、ジャケットを脱いでも汗ばむ快晴となったが、諏方神社の鳥居をくぐると、巨樹に囲まれた境内は過ごしやすい空気に包まれていた。
会場では食品ブースも設定されていた。佐々木愛さん(ささきあい・25)と長谷川梓さん(はせがわあずさ・29)が、仏菓子とシフォンケーキを並べたブースを共同出展していた。2人は千葉県柏市で開催された『手づくりての市』で知り合ったが、佐々木さんは「『ここにくるために小銭を用意してきたのよ』と言ってくれるお客さんもいます。私たちは出展する側ですが、お客さんも楽しみにしてくれていることがわかるとうれしい」と『てづくり市』の感想を語った。

カラフルに彩られたアイシングクッキーを出展する村山枝里さん(むらやまえり・26)は、現在は、てづくりクッキーを提携店舗に卸している。将来は自分の店を持ちたいという。「近くの雑貨屋さんから、うちにこのクッキーを置きませんかと声をかけてもらいました。今のところだけだと広がらないので、『てづくり市』は助かります」と笑顔をつくった。

ほかにも、骨董(こっとう)市らで入手した着られることがなくなった着物を素材としたうさぎやお地蔵さんの人形や、目が光る陶器の「キラ目猫ペンダント」や、コルク粘土でつくられた「きのこマグネット」や、胴体がアボガドになっているアルマジロ「アルボマジロ」の羊毛人形や、同じく羊毛人形のパンダリングなどが出展され、にぎわいを見せた。

インターネットで検索すると、『てづくり市』は、各地で開催されている。また、遠方の方や、雨の週末には、てづくり作品専門の展示スペース&ショッピングモールサイト「cotte(コッテ)」(http://cotte-shop.jp/)などもあるようなので、のぞいてみてはいかが?

※この記事はガジェ通一芸記者の「竹内みちまろ」さんが執筆しました。
竹内みちまろ:東京在住。ミニコミ誌、豆本、同人誌など「本」に関する話題、アート、グルメ、散策記事を配信。お問い合わせは、ホームページからお気軽に。

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