【レビュー】シャマラン監督の祖父母スリラー『ヴィジット』 笑いと恐怖が相互作用するトンデモない物語[ホラー通信]
10月23日公開の映画『ヴィジット』をご紹介します。M・ナイト・シャマランの7年ぶりのスリラーとなる今作は、祖父母の家を訪ねた幼い姉弟が味わうトンデモない恐怖を描いた物語。今作は『パラノーマル・アクティビティ』シリーズなど、00年代のホラー作をプロデュースしまくっているジェイソン・ブラムとの初タッグを組んだ作品です。「シャマラン大復活!」とも謳われるこの映画、一体どんな作品になっているのか……と思ったら、シャマラン・ファンもそうでもない人も“クギづけ”になる傑作になっておりました!
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両親が離婚し、父親と離れ離れになってしまった姉・ベッカと弟・タイラーの二人は、祖父母からの誘いを受けて、祖父母の暮らす田舎の家で一週間を過ごすことになります。奔放な母親に対するモヤッとした気持ちが晴れないベッカは、趣味である映画製作の技術を活かし、祖父母の家で母親のルーツを記録映画にまとめあげようと試みます。
携帯の電波も届かない田舎町でカメラを回し続けるベッカと、ノーテンキなタイラー。しかしある夜に、おばあちゃんの“妙な様子”を目撃してから、二人はなんだか不安を感じるようになります。孫たちの不安を察知した祖父母はより一層の優しい顔を見せながら、「夜9時半以降は部屋から出てはいけないよ」という謎の約束を二人に言いつけるのでした……。
確実になにか秘密を持っている祖父母と、徐々に高まっていく姉弟の不安。次々に現れる不安材料は一体どんな真実を秘めているのか?
今作、ひたすらにゾクゾクと怖いスリラーかと思いきや、吹き出さずにはいられない絶妙なユーモアがふんだんに盛り込まれています。とはいえホラーコメディのような、肩の力を抜いて観られるような作品ではまったくありません。思わず笑ってしまうものの、全編にわたる緊張感・不安感はまったく失わず、ヒヤヒヤしながら観ていることでふとした“緩み”に余計に笑わされ、笑うことで油断するからこそ、またも起こる恐ろしいできごとが余計に恐ろしい。笑いと恐怖がお互いに相互作用し合い、「とんでもなく怖い」ながらも「とんでもなく面白い」作品になっております。
繊細だけれど「姉としてしっかりしていなきゃ」という意識を感じさせるお姉ちゃん・ベッカと、ラップが趣味でノーテンキだけど頭の良い弟・タイラーのキャラクターも非常に魅力的。彼らがどんな怖い体験をするのか……ああ、ここでは言えません。是非劇場で観て震えてください。観たあときっと、誰かと『ヴィジット』の話をしたくなりますよ!
映画『ヴィジット』は10月23日より公開です。どうぞ、お楽しみに。
公式サイト:http://thevisit.jp/[リンク]
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