[PR]カップ麺の域をはるかに超えてる『マルちゃん正麺 カップ』の発表内容を実物を食べながらレポートしてみる
2015年9月30日に東洋水産が『マルちゃん正麺 カップ』の新商品発表会を行った。『マルちゃん正麺』と言えば、生の麺のような食感で袋麺市場に革新を起こした製品だ。
参考:リニューアルする『マルちゃん正麺』開発者が語る“本当に美味しい茹で方”
https://getnews.jp/archives/1072484 [リンク]
そんな『マルちゃん正麺』が袋麺だけでなく、カップ麺としても登場した。
10月5日(月)に発売されるのは『マルちゃん正麺 カップ 芳醇こく醤油』『(同) 香味まろ味噌』『(同)濃厚とろ豚骨』の3種類。ちなみに『濃厚とろ豚骨』のみ関西以西のみの発売となる。希望小売価格は205円だ。
これらはどのように開発され、どのような味わいになったのか。発表会当日に先行配布された『マルちゃん正麺 カップ』を食べながら、発表内容をレポートしてみたい。
“マルちゃんショック”から開発、4年かかった
『マルちゃん正麺』が袋麺市場を活性化させ、“マルちゃんショック”なる言葉まで生まれるに至った、と語るのは東洋水産 常務取締役の沖 斉氏。「カップ麺でも今までにない価値を提供したい」と考えて『マルちゃん正麺 カップ』を開発したのは2012年だったそうだ。しかしその道のりは困難を極めていたという。一体なぜ4年もかかってしまったのだろうか?
さて、ここでまず『マルちゃん正麺 カップ』にお湯を入れてみよう。必ず沸騰したお湯を使おう。待ち時間はいずれの味も5分間となっている。注意点は、いずれの味もスープはまだ、この段階で入れてはいけない。「乾燥かやく」のみを入れてお湯を注ごう。
袋麺をカップに入れればいいというわけではない
開発過程について、同社加工食品事業本部 執行役員 本部長の中山清志氏は、「『マルちゃん正麺』の袋麺をそのままカップに入れればいいというわけではなかった」と開発過程を説明した。
好評を博した『マルちゃん正麺』だが、同製品はあくまで加熱調理する前提の袋麺である。しかしカップ麺は「ゆでる」のではなく、「お湯でもどす」ものだ。そのためカップ麺に特化した製品開発が必要となったのだ。
これらの麺がどのように開発されたのか
まず『マルちゃん正麺 カップ』では乾燥前に“ゆでる”工程を加えた。通常のカップ麺は、麺を“蒸す“工程を行っている。しかし、ゆでたての美味しい状態をお客様に提供するため、ラーメン屋さんの麺は“ゆでて”完成していることから、“ゆでる”製法が一番麺質が良く、生麺に近い美味しい麺になると考え、採用したとのこと。
しかし、あらかじめゆでた麺は、水分を多く含んでいる。そのため乾燥には時間がかかり、更には麺が縮んでしまい元に戻らないという問題も噴出。
乾燥方法と新たな配合でこの問題を乗り越えるも、今度は元の“ゆでたての美味しい麺”に戻らない、という問題が現れた。
今度は、マイクロサイズの微粒子を配合し、麺全体に非常に小さな穴を施すこと(多孔質化)に成功した。
こうして多くの技術(生麺ゆでてうまいまま製法)が施され、4年の歳月をかけて開発された『マルちゃん正麺 カップ』、先ほどのお湯を注いでから5分経過しどのようになっているだろうか。
ふたを開けた印象では、これまでのカップ麺と大きな違いは見られない。それぞれ、後からスープを注ぎ良くかき混ぜる。
『芳醇こく醤油』を試食
生麺のようななめらかな口当たりと粘りのある食感が特徴の、透明感のある麺。多孔質ながらも、麺の密度は非常に高く感じる。硬いのではなくしなやかな弾力を備えた麺は、かむとプツリと心地よく切れる。箸で持ち上げると重みを感じる。
具材は肉の旨みたっぷりの豚バラチャーシュー、ねぎ、メンマ、のり。チャーシューの肉感は抜群。肉の味もしっかり備えた甘めの味付けはスープと抜群の相性。歯ごたえを意識したメンマ、大き目に切られたネギは麺を引き立たせるアクセント。海苔が海苔としての良さを備えているだけに、スープを絡めた麺と一緒に運んでほしい。
スープは鶏ガラ、豚ガラ、香味野菜などを自社工場で炊きだした“自家製だし”がベースとなっているという。『芳醇こく醤油』はチキン、ポークをベースにほのかな煮干しの風味を加え、濃厚な溜まり醤油と濃い口しょうゆを合わせたスープ。
まろやかな醤油の奥に、だしの甘さが潜んでいる。この甘味はチキンやポーク由来のそれなのだろうか、ついつい、何度も口に運んでしまう誘惑に駆られる。過剰さはないが複雑なので味覚の疲れがない。つまり、ずっと飲みたくなる美味しさだ。
『香味まろ味噌』を試食
『芳醇こく醤油』と同様に生麺のようななめらかな口当たりと粘りのある食感が特徴の、透明感のある麺。力強いスープに負けず、しっかりしており、そのコシもさることながら、かみごたえのあるモチモチとした食感はもはや快感。
具材は大切りキャベツ、きくらげ、ニンジン、ネギのフリーズドライ製法の野菜。麺のモチモチさを引き立たせるのが、ザクザク、コリコリの野菜たちだ。ズルズルとすすってモチモチを楽しみながらザックザクの歯ごたえを堪能する愉悦。カップ麺がここまで違うか、という食後感はおそらく言い過ぎではない。
味噌とポークをベースに、にんにく風味の香味油を合わせた濃厚なスープ。自家製豚骨だしに生姜、山椒の風味を利かせる。
角が取れているが骨太な、熟成された旨味のスープ。何かが焙煎された時に似た香ばしさがグッと前面に来て、その後に味噌のうま味がしっかりと残る。強いけど丸い、まさに“まろ味噌”だ。
『濃厚とろ豚骨』を試食
生麺のようななめらかな口当たりと粘りのある食感が特徴の、白く少し細めの麺。やや平べったい? 麺はスープが良く絡み、他の麺同様にコシがバッチリと効いている。
具材は食べ応えのあるチャーシューにたっぷりのネギ、きくらげ。チャーシューはスープに負けないかなりハッキリとした甘塩の味付け。肉の味も強いので豚骨スープと調和しながら良い味のアクセントに。スープのとろみが優しく舌をなでながら、きくらげが時折コリコリと楽しませてくれる。
自家製の豚骨だしをベースに、にんにくでバランスを整えたコクのある豚骨スープ。
クサいくらいに炊きだしたタイプの手前、――香ばしいがにおいはキツくなく、それでいて旨味が濃い豚骨スープ。にんにくとゴマ、豚骨の香ばしさが幾重にも折り重なっている。濃ゆいけど濃さのゴリ押しではないこのスープの仕上がり、九州の人たちの感想を聞いてみたいほどだ。
カップラーメンにおける3要素を備えたカップラーメン
カップラーメンにおいて「麺、スープ、具材」という味要素の“三銃士”を連れてきた『マルちゃん正麺 カップ』、成長が鈍化気味と言われていたカップ麺市場では、まさに革新的と言える仕上がりではないだろうか。
いずれの要素も体験する価値が大アリの205円だ(※希望小売価格)。10月5日(月)の発売以降に見かけたら試してほしい。ツルッツルの麺はおそらく驚けるのではないかと思う。
※『濃厚とろ豚骨』は関西以西限定販売
「マルちゃん正麺 カップ」 ブランドサイト
http://www.maruchanseimen.jp/cup/
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