『アントマン』監督ペイトン・リードと主演ポール・ラッドインタビュー 「そのスーツ最高にイカしてるね! ちょっと写真撮らせて」
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ある日、会社に『アントマン』風な謎のスーツが送られてきた。そんな謎のスーツをまとったガジェ通wosa記者は突如、謎のヒーロー“オサダマン”に変身。謎だらけのまま、異常な座高の高さと162cmの身長を駆使して、大阪の小さなヒーロー“めだかマン”池乃めだか師匠と相まみえた。
(※前回までのあらすじ)
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『アントマン』大ヒット中! 謎のヒーロー“オサダマン”誕生と活躍の軌跡
https://getnews.jp/archives/1154633
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今回はなんと!監督と主役だ。本物だぞ、いいのか?
映画『アントマン』は2015年9月19日に公開。シルバーウィークでは5日間で39万人を動員し洋画No.1のオープニング成績を記録する大ヒットとなっている。もちろん、記事執筆現在も絶賛上映中だ。
そんなMARVEL最新作を手掛けた監督ペイトン・リード、そして主役アントマンを演じたポール・ラッドが来日したという情報を聞きつけた。
それはまさしく本物の“アントマン”たち。この機会を逃す手は無い。“オサダマン”は直接、そして色々と質問すべく現地へと向かった。次回作の出演交渉をも辞さない覚悟だ。
いた! 本物のポール・ラッドだ。え、歳、2つ違い?
険しい顔の大人たちをすり抜け、なんとか高級ホテルの一室にもぐりこんだ。居る! 目の前にポール・ラッド本人が居るぞ。なんだかみんなの視線がグイグイとスーツに食い込んでくるが気にしないことにした。インタビュー決行だ。ここまで来たからには強気で行くぞ。
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―― やあ! どうもこんにちは。 『アントマン』観ましたよ。僕はオサダマンです。
ポール・ラッド(以下ポール):(ニコニコしながらスーツを見て)わあ!超イケてる! (アントマンと)全く一緒じゃん!(笑)これ自分で作ったの?(ニコニコしながらこちらを見つめる)
―― い、いえ、気づいたら会社に置いてありまして。
ポール:あははは。それも僕と一緒だ。(笑)
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―― (やっべ。すごくカッコいいぞ……。)え、ええと、映画、ものすごく面白かったです! あの、ですね、主人公スコット・ラング(アントマン)は正義感も強く愛情も深いのになかなか周囲に認めてもらえず、葛藤を抱えていたように感じました。演じるにあたって、気を配ったポイントを教えてください。
ポール:観ている人たちには「スコットが娘をどのくらい愛しているのか」を感じてほしかったんだ。それをみんなが信じてくれれば彼の“間違ったこと”を許してくれるんじゃないかな、って考えたんだ。あと僕にとって重要だったのは、軽さ――つまりユーモアがある事、かな。観客を笑わすことができれば、みんなを味方につけることができるような気がしたんだ。
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―― ええ、演技の端々から深い愛情は感じました。けれども決してシリアスではなかったですね。楽しかったのに心に残ると思いました。
ポール:わあ!本当!? ありがとう。すごくうれしいよ。どんなにすごいSFXやVFXを使ってすごいアクションを披露しても映画が成立するかどうかは、キャラクターに共感できるかどうかにかかっていると思うんだ。
―― あのですね、……主人公のスコットみたいにカッコよくなるにはどうしたらいいんでしょうか。
ポール:(笑)僕だってわからないよー! ……うーん、そうだね、彼は頭が良いんだよね。物事を極めるし、“悪い技術”にも長けているし。思うに、ロバート・ダウニー・Jr(アイアンマン)とかビル・マーレイもそうなんだけど、スコット・ラングはどんなに危険な状況でも落ち着いてるんだよね。ひょいっとユーモアで乗り越えるような。……僕自身はそうもいかない。パニックになっちゃう(笑)
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―― そんな風に見えませんけどねえ。ポールさん自身とスコットの共通点ってありますか?
ポール:親であること、娘が居ること、人生を生きる上で正しいことをしようとする気持ちがあること、かな。自分が何をするにも、子どもの事をまず考えているし、スコットが娘に対して持っている愛情をすごく僕は理解できるんだ。
スコットは人間なので、間違った選択もしてしまう。僕も欠点はいっぱいあるし、色々と葛藤しているよ……あ、でも、僕は刑務所には行ってないからね(笑)。そこは違うかな。
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―― なるほど「子供の目線から見た親」でもあったんですね! だからスコットがカッコいいんだ、って今、気づきました。ところでポールさんって今46歳なんですよね……。こんなカッコいい46歳でいられるためにはどうしたらいいんでしょうか。※ちなみにオサダマンは44歳
ポール:えー!!!(笑)僕のこと知ってる人はこの質問の事聞いたら爆笑するって。でも、スーツ着てスーパーヒーローを演じるってのは確かにクールだよね。君も(ヒーローの)スーツ着てるからわかるはずだよ。スーツを着れるって事が、すなわちカッコよさなんだよ。(笑)
―― ありがとうございます! 『アントマン』を楽しみにしていた人たちや、まだ『アントマン』を観ていない日本の人たちにメッセージお願いします。
ポール:楽しんでもらえたら嬉しいなぁ。あと、大きなスクリーンで3Dで観るのに『アントマン』ほど適した映画は無いと思うよ。僕はもともとそんなに3D好きってわけではないんだけど、『アントマン』は3Dで観て今までの3D体験と全く違う!って思ったよ。だから是非とも3Dで観てほしいなあ。出来たらIMAXで!(笑)
あ!でも2Dでももちろん楽しめるからね! 大丈夫(笑)
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―― IMAXでもう一回観ます!
ポール:うん、かなりイケてるよ。奥行き感が違うから。
―― ありがとうございました!
……うーん、強気で行くつもりが、すっかり呑まれてしまった。めっちゃ良いヒトだったし……。イケメンで良いヒトって無敵じゃん。次は強気で行くぞ!
監督「ちょっと写真撮らせてよ(笑)」
気を取り直して別の部屋に入ったら、いきなりペイトン・リード監督と目が合ってしまった。僕よりはるかに長身でスキンヘッドの監督が、ニコニコしながらこっちを見ている。どうやらこのスーツにかなり興味があるっぽい。
テレビシリーズやコメディ映画を中心に撮り続けていたというペイトン監督にもいろいろ聞いてみるとしよう。あと、映画に出してもらうぞ!
ペイトン・リード監督(以下 監督):いいねー!それ(コスチューム)! 最高にイカしてるねぇー。
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―― ど、どうも、ありがとうございます。今日のために着てきましたっ!
監督:あとで写真撮らせてよ(笑)。
―― ヒエエ! も、もちろんです。今日は映画の事、聞かせてください。『アントマン』とにかく爽快な映像とストーリーでした。
聞くところによれば、マーベルのシリーズはこれから『シビル・ウォー』などストーリー的にもシリアスで佳境に入っていく、とのことです。そんな中で『アントマン』はホッとする存在でもあると思うのですが、監督もそう思われてますか?
監督:そう言ってくれてすごくうれしい。確かにその通り、前向きな明るい気持ちにさせてくれる映画だと思うよ。キャラそのものもそうだしね。
僕がこの映画の監督に決まった時、まず宣言したのは「映画の尺を2時間以内すること」(笑)。2時間以内にして誰が見ても最後まで愉快に観れる映画にすることを目指したんだ。テンポが良くて笑えて……途中でホロっとさせられるところも面白い、そんな映画にしたかったんだ。
『アントマン』のスコット・ラングってキャラクターは今までのヒーローと違って、言ってみればどこにでもいる“普通の人”。特殊能力とか無いしね。そんな彼の唯一の動機っていうのが、娘にとって良い父親になりたい、ということ。より良き人間になりたい、ってことなんだ。そして彼はヒーローへと生まれ変わっていくわけなんだけど、そこがみんなを前向きな良い気分にさせてくれる部分なんだと思うね。
―― 大人になると、同じ風景でも子供のころに見た風景とは大きく変わると思うんですが、今回はさらに僕らも見たことのないような小さな小さな世界を描いていますよね。
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監督:うん、良い指摘だねー。小さい世界ってコンセプトそのものが子供が共感できる部分だと思うんだよね。子供の時って目線がうんと低いのもあるけど、床に寝っ転がってアクションフィギュアで遊んだりしたよね? あの頃の童心に帰らせてくれる部分というのもこのヒーローにはあると思うんだ。
―― 監督自身も「もし自分が小さくなったら」みたいなことを空想するような子どもでした?
監督:そうそうそう! まさに典型的、空想好きな子供の一人だったよ。あの頃はマンガ読んでるか、プラモ作ってるか、フィギュアで遊んでるかだったよ。あ、これ変って思われるかもしれないけど、僕、パペット好きでね。手に人形を付けながら一人で会話してたんだよ(笑)。
おかげで、それが今、役に立っている部分もあるよ。『スーパーエイト』(8mmカメラ)を手に入れてからは自分でフィギュアをコマ撮りをするようになったんだ。
あと、マンガのコマ割りって映画のフレーミングに通じるところがあるんだよ。そこから学んだことを今、活かせてる部分も若干あるのかな、という気はしているね!
―― わあ!子供のころの始まりの部分は僕も全く一緒でした。今はともかく!
監督:(爆笑)いやいや、全然違わないよ! ぼくら、同じ世界に生きているんで安心してよ。
―― ありがとうございます(笑)。ところで僕は見ての通りめっちゃ小さいんですが、アントマンみたいな強さは無いんですよ。アントマンみたく強くなるにはどうしたらいいんでしょうか。
監督:へへっ。そうだねえ……主人公のスコット・ラングから学ぶことは大きいと思うんだ。彼自身は何の変哲もないどころか、罪を犯している。その上で、自分の中にある善良なココロを改めて見出して、自分自身がヒーローになっていこうとするよね。でも、ヒーローになるのに必要なのは、スーツとか武器とかじゃないんだ。自分自身の中にある“意思”や“動機”が大事だと思うんだ。そういったハートの部分を大事にしたら、ヒーローのように強くなれるはずだよ。
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―― わかりました、忘れないようにします! 僕、次のアントマンに出演したいのですが、……いかがでしょうか!
監督:おおー!そうかい! 『アントマン』は続編自体がまだ決定はしていないんだけど、続編が確実となった暁には連絡するよ!
―― うわ!やったー、本当ですか!? ありがとうございます。連絡待ってます!
監督:(笑)ARIGATOU! あ。そうだ写真撮らせて!(撮りながら)いいねー、いいねー。ファンタスティックだわ。すげえファンタスティック。
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面白い映画作る人たちはめちゃめちゃハッピーだった
ダメだ。完全に彼らのハッピーなペースになってしまった。けれども、次の『アントマン』(?)には出してもらえそうだぞ! 連絡先、全く聞かれなかったのがちょっとだけ気になるけど、まあ、大丈夫だろう。
それにしても、二人とも終始にこやかで“何かを楽しんでいる”感が満載のインタビューだった。改めて『アントマン』という作品を振り返ると、あの世界を楽しんでいるからこそ、そしてカッコいいということを知っているからこそ、生まれた映画なのだなあと思った。
まだ観ていない人、IMAX3Dで是非、観ましょう。僕は次回作に向けてアップし始めます。
アントマン|映画|マーベル|Marvel
http://marvel-japan.jp/antman [リンク]
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