話題のスラング英語参考書『DARK HORIZON』の著者が手にした理想的な暮らし
学校では教えてくれないスラング英語満載の参考書『DARK HORIZON』シリーズ。中学の英語教科書の定番『NEW HORIZON』に登場するキャラクターたちの悲惨な10年後を描く斬新なストーリーが評判を呼び、今年4月にはシリーズ2冊目も発売、一部で「クールすぎる英語本」として話題になっています。
同シリーズの著者、ブライアン・レイスさんは大学卒業後に来日、以来14年間も日本で暮らすアメリカ人。今回は、そんなレイスさんに執筆の動機や、職場環境のこだわりについて話を伺いました。
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――『DARK HORIZON』のアイデアは、どのようにして生まれたんですか?
僕は名古屋市内の公立中学で11年間、英語の教師をしていたのですが、その当時、授業で使っていた教科書が『NEW HORIZON』だったんです。内容はいいのですが、そのまま授業で使うと、生徒が退屈してしまう。そこで生徒が楽しく学べるよう、登場するキャラクターに変な声をあてたり、独自の解釈を加えて授業をしてみたんです。すると生徒が大喜び(笑)。退屈な教科書でも少し別の要素を入れるだけで、みんなの反応が全然違う。『DARK HORIZON』は、そのときの経験をもとに、大人になった今だから笑えるジョークを交えて作り上げた一冊なんです。
――本を書く上で苦労したことは?
汚い言葉を考えることが大変でしたね。人を侮辱したり、罵倒する言葉って、意外と出てこないものだなと(笑)。
――ちなみに、この本の中に出てくるフレーズは実際にアメリカで使うことはできるんでしょうか?
う~ん、実際に使うとビンタされるでしょうね……というか、責任は持てないので使わないでください(笑)。英語を勉強中のビジネスマンや学生が、息抜きで笑いながら読んでもらえればと思っています。昔、『NEW HORIZON』を使っていた人は、懐かしく読んでもらえるのではないでしょうか。
――来日して14年以上。名古屋以外にもいろんな町で暮らしているそうですね。
ええ。愛知県の岡崎、長野県の安曇野、あと東京の恵比寿にも住んでいました。田舎から都会までいろいろと暮らしましたが、この14年間でわかったことは田舎暮らしの難しさ(苦笑)。自分がN.Y出身ということもあるんでしょうけど、やっぱり遊ぶところや刺激の少ない田舎はあんまり好みではない。逆に東京みたいな都会はやっぱり好きです。
――かくいうレイスさんですが、今年の7月に東京から福岡に移住されたそうですね。
そうなんです。実は、つい最近まで福岡がどんな町なのかも知らなかったし、興味もなかった。それが、今年6月にアメリカから母が日本へ遊びに来た際、一緒に九州旅行に行き、福岡にも立ち寄ったんですが、思っていた以上に都会で気に入ってしまって。それまでは、九州でも熊本や長崎の方が福岡より都会という認識だったので(笑)。もちろん東京ほどではないけど、あんなに大きな町だとは思ってもみなかった。
――それで福岡くらいの街の規模があれば住んでも問題ないと判断したと?
いや、それだけじゃありません。その旅行の際、知人の紹介で、福岡市内の海辺のシェアオフィスを見学させてもらうことになったんですが、そこが素晴らしすぎた。直感的に「ここで仕事がしたい!!」と思って、福岡移住を決意したんですよね。福岡は町の規模も程よく、一方で少し電車に乗れば海や山など自然と触れ合うこともできる。すべてがコンパクトに収まっているので、仕事をするにも生活するにも、東京より理想的な暮らしが出来ると思ったんです。
――実際に福岡では理想的な暮らしをされているのでしょうか?
まだ移住して数ヶ月程度ですが、かなり楽しく暮らせています。住まいは福岡の中心地に近いところに、職場は福岡市郊外の海辺のオフィス。「海へ仕事に行く」というスタイルがとても心地いい。仕事の合間にマリンスポーツを楽しんだり、ビーチで気分転換をしたり、オンとオフの境界線がなくなって、本当に気持ちよく働くことができるようになりました。
――福岡移住後は、本の執筆以外にも様々なクリエイティブな仕事を手がけているそうですが、そうした行動力はどこから生まれてくるのですか?
アーノルド・シュワルツェネッガーが、以前、何かのスピーチで「自分の目標を追ってない間に、どこかで他の人が頑張ってあなたの目標を追いかけようとしてる」と発言していました。休んでる間に誰かに追い抜かれちゃうから早くしないと、という意味です。僕は、僕の知らない誰かといつもレースしている感覚で生きています。だから、いつも「もっと動かなきゃ」って思うんですよ。
――最後に、次作の構想を教えてください
いや~、いくつかテーマは決まっているんですが、まだ最終決定はできていません。料理? オリンピック? さ~ね(笑)。楽しみにお待ち下さい!
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