「飯舘村村長が政府の避難勧告は”あまりにひどい”と言っている」 政策研究家・加藤氏

katou

 「福島県飯舘村の村長が、『政府の避難勧告はあまりにもひどい』と言っている」。そう語るのは、元財務官僚で政策研究家の加藤秀樹氏。2011年4月26日、加藤氏のシンクタンク「構想日本」主催の原発問題を考えるフォーラムで、福島第1原発事故により「計画的避難区域」に指定された飯舘村村長の言葉を伝えた。加藤氏は、菅野典雄飯舘村村長から電話で「村の現状」を聞いたという。

 加藤氏によると、菅野村長は「健康なり命を守るというのは、村の行政と村民を守る者として異存はない。しかし、そのために村ごと避難させることが本当にベストなのか、政府はそれを考えてほしい」と語っている。その理由として菅野村長は、村独自に放射線量の測定や除染を実施したことや、新生児への影響を考慮しすでに妊婦を避難させたことなどを挙げ、「(村民を)一斉に避難させるべきかどうかは、一概に言えないはず」と語ったという。

 菅野村長はまた、避難後の「二次被害」が拡大することも大いに懸念しているという。「全員が飯舘村を去れば、村全体がバラバラになる。そのことに対する経済的、精神・肉体的負担は計り知れない。そのことを政府は考慮できていない」と、「退去命令」とも言うべき政府の警戒区域指定に、懐疑的であるようだ。さらに、「数字上だけであらゆる影響を避けようとして、本当に起こり得る悪影響を抑えるということはなくなっている」と、政府の姿勢を「場当たり的だ」と非難していたという。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]加藤氏が飯舘村について語る部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv47318942?ref=news#01:36:10

村井克成

【関連記事】
「栄村大震災」 物置きで暮らす村民 「今必要なのは住む場所を作るためのお金」
「避難所に化粧品を」 福島の女性に”うるおい”届く
ネットメディアと既存メディア、それぞれの「ジャーナリズム」とは

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 「飯舘村村長が政府の避難勧告は”あまりにひどい”と言っている」 政策研究家・加藤氏
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。