新人フラガールのレッスン始まる 被災地・福島県いわき市

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 福島県いわき市で2011年5月2日、市内の温泉施設「スパリゾートハワイアンズ」においてフラダンスを踊ることを目指す、新人「フラガール」たちがレッスンを始めた。

 いわき市は東日本大震災による津波の被害で沿岸部が壊滅的な被害をうけた。その上、市の一部が福島第1原発から30km圏内にあることで、風評被害に苦しむ地域でもある。市内にあるスパリゾートハワイアンズは、女優・蒼井優さんが出演してヒットした映画「フラガール」の舞台ともなった施設で、来場者へ「フラダンス」のもてなしをすることで有名だ。しかし、震災の影響で現在は閉鎖中となっている。

 今回フラダンスのレッスンを始めたのは、18歳から20歳の女性6人。5人がいわき市、1人が秋田県由利本荘市の出身だ。本来は4月1日にフラダンスを学ぶ「常磐音楽舞踊学院」への入校式を終え、同月中旬にはレッスンを始めている予定だったが、震災により4月26日に入校式、そして今日5月2日に約半月遅れのレッスン開始となった。しかし、毎年7月1日頃に行われるデビューステージは、施設が閉鎖しているため見通しが立っていない。

■フラダンス未経験の水野のぞ美さん「いつかはソロで踊れるように」

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 初レッスンは柔軟運動にはじまり、実際のフラダンスで使う”カホロ”や”ヘラ”といったステップの実技指導が、クウレイ尚子先生によって行われた。尚子先生は「よくできました。あとは笑顔が出るといいですね」と話して約40分にわたる初レッスンを終えた。

 新人6人のうち4人がフラダンスの経験者。残り2人のうち1人もバレエ経験がある。全くダンスの経験が無い1人が水野のぞ美さん(19)だ。レッスンを終えたばかりの水野さんに話を聞いてみると、「初めてでとても難しかったです。でも、ずっとスポーツをやっていて体力には自信があります。今はまだ未熟だけど、いつかはソロで踊れるように頑張りたいです」と笑顔で答えてくれた。

■フラダンスを採り入れて以来、45年ぶりの「全国キャラバン」

 スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産株式会社は5月3日から、「全国キャラバン」を開始する。かつて同施設のステージにフラダンスを採り入れた45年前、呼びこみのためにおこなった以来の全国キャラバンだ。営業企画室長の若松貴司さんによると「いわき市の風評被害を払拭するために、フラガールたちが青森から九州まで全国をまわる」という。

 全国キャラバンの内容は、主にフラガール5名によるフラダンスの披露だ。5月3日のいわき市内の小学校を皮切りに全国で行われ、また、市外でのキャラバンではいわき市の産物の安全性をアピールすることも同時におこなっていくという。この全国キャラバンには新人フラガールたちは参加しないが、いずれ復興したいわき市で彼女たちが笑顔でフラダンスのステージを見せてくれる日が来るだろう。

◇関連サイト
・スパリゾートハワイアンズ – 公式サイト
http://www.hawaiians.co.jp/

(文・丹羽一臣/写真・松井尚哉)

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