山口俊一・内閣府特命担当大臣閣議後会見 「(五輪)エンブレムは参ったなという感じ」(2015年9月8日)
2015年9月8日9時45分ごろより中央合同庁舎第8号館で開かれた山口俊一内閣府特命担当大臣の記者会見で、IT・知財・クールジャパン関連に加えて、2020年東京オリンピックのエンブレム問題に関する質問をすることができました。ここではその部分を抜粋して紹介します。
※詳細な大臣発言・質問・議事録は、内閣府ホームページにてご確認下さい。
IT・知財・クールジャパン関連および五輪エンブレム問題に関する質問(抜粋)
ーー大臣就任から一年が経過して、特にIoT、知財、クールジャパンの3点について、課題について現状どういうふうに捉えていらっしゃるのか頂ければと思います。
山口大臣:あっという間に一年経ってしまいまして、担当がいろいろ多かったせいもあるんでしょうけれど、それぞれの分野でせっかくですから、これまでとは違った色合いというんですかね。いわゆるなんとかカラーとかよくいうやつをどうやってしっかりやっていくのか。
それと、政府の大きな課題はデフレからの脱却と同時に地方創生なんですね。それにいろいろな施策をいかにつなげていくかということに腐心をしてきたというふうな思いがございます。
IoTのお話もありましたが、私が非常に残念に思うのは、本来IoT的なものは日本が早かったわけですよ。POSにしても何にしても。いち早く取り組んでいたにもかかわらず。情報通信の社会でよくあることですが、従来やっておったことをいかにも新しい概念のようにポンと名前をつけるわけなんですね。いかにもそれがすごいみたいな話がよくあるのですが。
決して、IoTにしてもAIにしても日本は私は劣っていないと私は思っています。ただ問題があるとすれば、いろいろな部分では優れているんですけれども、全体を取りまとめてどうなんだというコーディネートの部分が弱いんですね。
例えば、ダンパのロボットのコンテストがありましたよね。まわすだけならばおそらく日本は一番ですよ。運転させるだけならば日本が一番ですよ。だがああやってトータルでやりなさいとなると、ダメなんですね。そこらへんが科学技術においても情報通信においてもこれから課題として私はあると思っているので、そこらへんをしっかりやっていきたいと思います。
ーーもう一点、東京オリンピックのエンブレムの問題をお聞かせ頂きたいと思います。特にクールジャパンは2020年に向けてという性格が強い施策も多いと認識していますが、知財政策を含めて影響に関して、所感を頂ければと思います。
山口大臣:クールジャパンのロゴは大丈夫ですから。著作権は。確かに2020年が大きな大きな節目、大事な機会だとして捉えてやってきていますが、むしろ2020年以降に激減するというのは、インバウンドにしても非常に私も危機意識を持っていまして、その後も睨んだ展開はしっかりしていきたい。ですから、本当にいいものをもっともっと売り込んでいきたいとやっていきたいと思っていますが。
エンブレムも、イメージ的に若干、ちょっと参ったな、という感じはあります。しかし、クールジャパンはクールジャパンは相当定着はしてきて、知名度は上がっていると思いますので、しっかりこれまで以上に取り組んでいきたいというところです。もっと素晴らしいエンブレムが早く誕生するように祈っています。
エンブレム問題では本音も?
連日話題となっている2020年東京オリンピックのエンブレム問題。五輪担当は遠藤利明大臣ですが、クールジャパン政策も2020年を見据えた内容のものが多いため、あえて質問してみました。「担当外でノーコメント」という答えもあり得る中、「イメージ的に若干、ちょっと参ったな、という感じ」と本音を見せつつ、クールジャパンはこれまで通りに取り組んでいくという内容の返答になっています。また、2020年以降のインバウンド激減を見据える必要性にも言及し、さまざまな施策を進めていることを強調しています。
「もっと素晴らしいエンブレムが早く誕生するように祈っています」と付け加えた山口大臣。政府内でもその展開を注視している状況だといえるでしょう。
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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