めっちゃ愛らしいっ!浮世絵の風景画に写り込む「あの人ら」が可愛くてたまらない

浮世絵には美人画、役者絵、春画などさまざまな種類がありますが、名所絵・風景画はそのなかでも人気の高かったジャンルだったかと思います。
そして名所絵・風景画には私が「あの人ら」と敬意を込めて呼ぶ人物たちが写り込んでいることが多々あります。有名な作品を題材に私が「あの人ら」と呼んでいるのはどういったものなのか、ちょっとクイズ形式で紹介します。
葛飾北斎の名作にいる「あの人ら」

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そして歌川広重の人気名所絵の「あの人ら」

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どうでしたか?なんの作品の一部だったかわかりましたか? 要するに「あの人ら」とは浮世絵の作品中の端っこや遠くにめちゃくちゃ小さく描かれた人物たちのことです。
メインで描かれた被写体よりも言い方はわるいですが、ちょっと手を抜いて描かれ、彫られ、擦られている。その作品の構成要素の一部としてとりあえず存在している彼ら。それがたまらなく愛おしいのです。さらには、いい感じに力が抜けた描かれ方をしているのでとってもユルくて可愛らしいものが多いんですよね、「あの人ら」には。
そして今回一番紹介したいのが、葛飾北斎の門人であった江戸時代後期の浮世絵師 昇亭 北寿(しょうてい ほくじゅ)の「上総九十九里地引網大漁猟正写之図」という作品。この作品は九十九里の地引網漁を描いた作品なのですが、実に愛くるしい「あの人ら」のオンパレードなのです。
まず作品はこちら。

昇亭北寿「上総九十九里地引網大漁猟正写之図」
そして「あの人ら」にズームインしてみると…。

やばい!かわいい!みんな一所懸命なのがこれまた愛らしい!
地引網漁の作品なのでいってみれば彼らが主役なため純粋な「あの人ら」とは言えませんが、この愛くるしい姿は紹介せずにはいられません。
浮世絵も細かいところに注目してみるとまた違った楽しみ方ができるので、こういった見方をしてみるとおなじみの名作もまだまだいろんな発見があるかもしれませんね。
画像: Museum of Fine Arts, Boston
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