島耕作もビックリ!? 老舗紳士服メーカーの雑用係からルイ・ヴィトンCEOになった男の話
言わずと知れた名作『島耕作』シリーズは、ときに仕事上の失敗や左遷という苦汁を飲まされるも、着々と出世を果たしていくサクセストーリー。サラリーマンであれば、そのセリフに励まされ、生き様に憧れを抱いた経験が一度はあるのではないでしょうか。
本書『元ルイ・ヴィトンCEOが教える出世の極意』は、著者マーク・ウェバー氏の実話をもとに、本人がビジネスや出世に必要なノウハウをストーリー仕立てで学ぶことができます。いわばアメリカ版『島耕作』といったところ。
著者は、大学卒業後、老舗紳士服メーカーのフィリップス・バン・ヒューゼン社で、アシスタントデザイナー(雑用係)としてキャリアをスタートさせ、同社CEOまで上り詰めます。しかし、経営方針の違いで役員と溝ができ、すぐに解雇されてしまい失業。失意の中で転職活動に邁進し、社会復帰。その後、紆余曲折を経て、ついにはルイ・ヴィトン米国法人CEOという成功を手にします。
そうした波乱万丈のサラリーマン人生は、出世を目指す日本のビジネスパーソンにも通じるところが、大いにありそうです。例えば、上司に恵まれない問題。著者も上司に苦しんだ経験を持っていますが、彼はどうやって切り抜けたのでしょうか?
「組織人のキャリアは上司次第で大きく変わる。上司はきみのキャリアを押し上げてくれる人物か否か、早々に見極めること。もし上司が『ハズレ』なら、その職場はキャリアの階段のワンステップにすぎないと割り切って、学べるだけ学ぶこと」(本書より)
また、目指すポストに”派閥”や”〇〇部出身”が重用される傾向は往々にあること。これは日本に限られた話ではなく、著者自身も、過去に勤めた企業で、「役員は”営業出身者” が登用される慣例」があったものの、それを突破した経験があるといいます。そんな彼は、出世レースに”参戦”する心得をこう説きます。
「漫然と出世レースに参加するのは、言語道断だ。不得意な分野で競争に挑み、昇進が途絶えた人間を私は大勢知っている。自分がトップになれる得意分野を見極めて、そこで勝負をかけること」(本書より)
その上で、出世を目指す人にこうアドバイスしています。
「『自分の才能を磨き続けた人間だけが限界を突破し、頂点に立つことができる』『ビジネスに”単なる偶然はない”』これが私の持論だ。自分を知り、自ら求め、行動しなければ、誰もがうらやむ圧倒的な成功は決して得られない」(本書より)
老舗紳士服メーカーの雑用係からルイ・ヴィトンCEOへ。本書では、サラリーマンとしての頂点とどん底を味わった著者だからこそ言える、仕事や人生への教訓が散りばめられています。
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