「うち使って!」被災者へ全国から住居提供が続々!『roomdonner.jp』などマッチングサイトまとめ
震災で家を失った人に、少しでも良い環境で復興のための元気をつけてもらいたいと、個人の方々からも、空いている家や別荘の提供、ルームシェアなどさまざまな声があがっています。そんな被災した人を受け入れたいという方と、被災した方とをつなぐさまざまなマッチングサイトが立ち上がっています。
<マッチングサイト>
・roomdonor.jp
http://roomdonor.jp/
住宅の無償提供、滞在期間は主に3ヶ月~1年以上、やりとりは提供者と利用者間で行う
・被災者ホームステイ『earthday money』
http://earthdaymoney.org/
住宅の無償提供など、滞在期間は主に1か月~3か月、やりとりは事務局が介在、登録数3000強
・震災ホームステイ
http://www.shinsai-homestay.jp/
住宅の無償提供、滞在期間は主に1ヶ月~1年以上、やりとりは事務局が介在
・仮住まい情報掲示板『Lococom』
http://www.lococom.jp/common/guideline/karizumai/
住宅の無償提供など、やりとりは提供者と利用者間で行う
・『うちくる?(ver.β)』
http://uchiku.ru/
住宅の無償提供など、やりとりは提供者と利用者間で行う
・『sos-host』
http://sos-host.com/
住宅の無償提供、やりとりは提供者と利用者間で行う、被災した方からも情報を発信しメッセージでやりとりができる
・『仮り住まいの輪』
http://www.karizumai.jp/
住宅の無償提供など、滞在期間は主に1ヶ月~3ヵ月、やりとりは事務局が介在、不動産・建設業界の方々が発足
<参考になるサイト>
・仮ずまいをさがしている被災者の方へ 『シェアハウスで被災者を受け入れるノウハウまとめ』
https://sites.google.com/site/share311/forrefugees
・新潟県中越地震被災者生活再建の手引き(pdfファイル)『新潟県中越地震災害対策本部』
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/69/258/saiken_tebiki,0.pdf
・ルームシェア入門『ルームシェアルームメイト』
http://blog.roommate.jp/guide/
※これらの情報は追加情報などがあった場合、追記、訂正の可能性があります。
2011年4月8日 『sos-host』、『仮り住まいの輪』情報追加
* * * * *
このようなマッチングサイトはどういったものなのか『roomdonner.jp』を開発・運営しているバザーリー株式会社代表の福崎康平さんにお話をききました。
写真:バザーリー株式会社代表の福崎康平さん(Twitter:@fk_koppe)
写真:システム開発担当の佐橘一旗さん(Twitter:@astrider_)
――このサービスをはじめようと思ったきっかけについて教えていただけますでしょうか
大学(慶應SFC)の研究会で2年間一緒だった佐橘一旗と佐橘の高校時代の同級生で東京大学の学生3人で今年の1月に会社を設立しました。3月11日に地震が起き、会社のメンバーと何か力になれることはないかな、というのをずっと考え続けていました。
被災者の衣食住環境の中で、衣服も食料ももちろん重要な救援だとは思っていたのですが、どうしても阪神大震災などを礼にあげると、コンテナやテント村など、政府が被災者の住宅を支援するシステムというものが後手に回ってしまうというのがありまして、別荘や、子供が成人して部屋が余っている人たちの有効資産をどうにか被災者のために活用できないかなというのがあってサービスをつくりました。
――会社として完全にボランティアでの支援をしようということに迷いはなかったのでしょうか。
まずは支援したいというのもありましたので。個人の共有財文化といったものが根付いていくと、今後いろいろなサービスを作っていく上でうちの会社にも少しはメリットがあると言いきかせて、支援しようと踏み切りました。
福岡出身ですので、2005年に福岡県の西方沖地震があり、友達が家が半壊して大変な思いをしたと聞いた経験があったので、何か役に立てないか、という強い思いがありました。会社を立ち上げたばかりですし、失うものは何もない、まず社会的に価値のあるものを提供できたらと思っています。
――他のお二人の反応はどんな感じでしたか
結構一瞬でしたね。やろうと。そしてその晩から作り始めたという感じです。
サービスの着想が3月15日の夜で、18日の夜にリリースしました。スピードが大事と思い、関心が薄くなっていく前にリリースして、どんどん質をあげていこうという感じでやっています。
――サービスを始めてみて、利用される方の反応はどうでしょうか
Twitterとメールは基本的に全て目を通しているのですが、励ましの言葉や、「こういうのを待っていた!」という言葉をかけてくれる方は多いですね。また、こういう風に改善した方が言いという言葉も多く、勉強させていただいているという感じです。ですので、僕ら3人というよりも、みなで作り上げているというのが正しいのでしょうか。
被災地はどうしても通信設備が復旧中ですので、これから増え始めるかな、という感触です。
***
ルームドナー(http://roomdonor.jp/top.html)で受け入れを承諾して頂いた埼玉県の方に、「別の受け入れ先がきまりました」と連絡したら、「お知り合いで小さなお子さんに居る家族、お年寄りの方がいれば連絡ください」と返事を頂いた。なんだか胸が熱くなります。
***
こんなふうにつぶやいてくださっている被災者の方もいます。本当に励みになりますね。
地震の影響でとてもとても大変な思いをされている方がたくさんいますが、こういった大変な出来事を通じて、人々がどんどんつながっていくというのを見えていることが何よりもすごいなあと感動しています。
――サービスを利用される方から、不安の声などはありますでしょうか。
「実際にどうやって行動していけばいいのか」ですとか「トラブルが起きないか」など不安の声はもちろんあります。ガイドラインの策定や事前に内容の合意書の義務づけなど、こちらとしてもリスクを最小限に食い止めることができるように尽力している最中です。『Twitter』などから質問があれば全て答えるようにはしています。FAQもユーザーからの質問を反映して随時更新しています。
――被災地にはなかなかネット環境が整備されているところはないかとは思いますが、この点についてはどう考えていらっしゃいますか。
このサービスは携帯電話に最適化されてます。『au』 『DoCoMo』 『Softbank』の3キャリアは確認済みです。また、PCや携帯がない方も、被災者の親戚の方などが代理でが登録することも可能です。
――被災者の範囲は決まっているのでしょうか
その点はルームドナーさんとの相談となります。福島から逃げたい、という方も結構いらっしゃいます。これらの方は、行政の力を受けられないですからね。
――提供されている住居の受け入れ期間はどのくらいのものが多いでしょうか
おおよそですが、1/3が3ヶ月、1/3が半年、1/3が1年以上という感じですね。
――実際に成約にいたっているのはどのくらいですか
受け入れが終わったのは5組ほど、連絡を取り合っているのは40組120名程度です。
――リリース時からの大きな改善点を教えていただけますか
あくまでも最初のリリース時は掲示板程度の”場”を用意した程度でしたので、利用ガイドラインの策定や検索機能の充実化などですね。
移動の手段や、介護の手伝い、子供の育児施設の紹介など、家を持っていない方でもルームページに個別に支援登録できる機能を付加する予定です。
――ボランティアなど協力が必要なことはありますか。
通信設備が被災地に届いていないので、住宅を必要としている被災者の方に情報が十分に伝わっていません。被災地とコンタクトをとっていただける方や、連絡手段を持っている方は是非とも力を添えていただきたいです。サービスを紹介するチラシがサイトからダウンロードできますので、ぜひこれを印刷して広めていただきたいです。
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提供されている住宅情報の備考欄には、なんとか被災した人の力になりたいという気持ちがあふれる言葉が記されています。
遠い地に被災することに不安はあるかもしれません。でも、故郷を復興するために少しの間、別の場所で力をつけるということも、選択肢の一つに加えてみてください。日本全国でたくさんの人たちが待っています。
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