フォルクスワーゲンが“ミドルセダン”に殴り込み! 新型『Passat』レビュー

フォルクスワーゲンといえば、『Golf』や『The Beetle』などのハッチバックタイプの車種が人気ですが、それら以外にも“通好み”な車種が存在します。その中に『Passat(パサート)』という車種があるのですが、今回8世代目となる新モデルが発表されました。
『Passat』は、『Golf』や『The Beetle』と並び昔から生産されているセダンタイプの車です。しかしながら、人気車種の影に隠れるように、あまり話題にあがることはありませんでした。しかしフォルクスワーゲンの本拠地ヨーロッパでは『カーオブザイヤー2015』に選ばれるなど、絶大な評価がされており、日本においても“知る人ぞ知る”名車なのです。
今回のフルモデルチェンジにより8世代目となる『Passat』が、先進的な機能やデザインを携えて日本車の“ミドルセダン”層にあえて真っ向勝負を挑もうとしています。
“MQB”がもたらしたユーザーに妥協させない選択肢

複数車種で柔軟にシャシ共有を実現する“MQB”という技術によって、『Passat』は様々なバリエーションをもつ車に進化しました。ガソリンエンジン+過給器モデルの『TSI』、ディーゼルエンジン+過給器モデルの『TDI』、フルタイム四駆モデルの『オールトラック』、プラグインハイブリッドモデルの『GTE』など、外観だけでなく駆動方式さえも実に様々です。
『Passat』レビュー

パッと見で印象的なスタイリングのフロントは、左右のヘッドライトとグリルが“水平”につながるようにデザインされています。

ボディの継ぎ目のデザインは非常に複雑になっており、デザイン精度の高さを伺わせます。“車好き”のツボを突く、実に巧妙なデザインなのではないでしょうか。

ボディ側面には彫刻のように繊細に彫り込まれたエッジが入っています。

ドアハンドルとの一体感が素晴らしい。たぶん、町の板金屋で修理するとなると相当大変なのではないでしょうか。。

側面のエッジの下部には、クローム調のアクセサリーが施されており、ダイナミックなボディを引き締めて見せてくれます。

“ミドルセダン”らしさを一番感じさせるのがリアです。やや攻撃的なフロントとは一転して、落ち着いた大人の雰囲気を漂わせています。

『Passat』は全体的に“水平”をモチーフとした機械的なデザインが特徴ですが、それはヘッドライトも同様。側部から下部に伸びる光の線が美しいですね。

ヘッドライト同様に、テールランプも“線”のデザインになっています。

ブレーキを踏むと発光デザインが少し変わります。面白さだけでなく、後続車への警告の意図も強調される安全機能として優秀と言えます。

“ミドルセダン”に欠かせないのが“上質な大人の雰囲気”。室内はしっかりと大人空間としての美しさを備えています。実はパドルシフトも装備しています。このちょっとした“遊び心”が、いかにもワーゲン車らしいですね。

ダッシュボードを横断するように開かれたエアコンの配置など、 “水平”の意匠はインテリアにも導入されています。

セミバケット風の少しレーシーなレザーシートが、大人の“ミドルセダン”に若々しさを味付けしています。


圧倒的に広々とした居住空間が快適なドライブを約束してくれるかのようです。運転席も後部座席も、身長183cmの筆者が座って伸び伸びとすることができます。

広いのは居住空間だけでなく、トランクルーム内も容量たっぷり。奥行きは後部座席の背もたれまでたっぷりとあります。また、後部座席の背もたれを解放することで更に拡張可能。

ワンプッシュで開くトランクは、なんと閉じるときもワンプッシュ。トランクゲートの右側に、さりげなく「閉める」ボタンが存在します。誤って物が挟まってしまわないように、自動的に締まっているトランクゲートに力を加えると、その場で止まる仕組みになっています。

なんとマッサージ機能も搭載しています。撮影の合間に体感しましたが、腰から背中にかけて、ゆっくりと揉み上げてくれました。非常に地味なのですが、とても嬉しい機能です。





New Passat|Volkswagen
http://www.volkswagen.co.jp/ja/models/passat.html

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