【FX】専業トレーダーになるにはどのくらい勝てればいいの?

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「はぁ、専業トレーダーになりたい……」

仕事がうまくいかないとき、満員の通勤電車で揺られているとき、上司にこっぴどく叱られたとき。ふとそんなことを考えたことはありませんか?
「在宅で仕事(取引)ができるし、そこそこ裕福そうだし、対人関係のストレスもない。お気楽な仕事だなぁオイ!」そう思われがちな専業トレーダー生活。

ではFX(外国為替証拠金取引)の専業トレーダー(投資家)として安定的に生活していくための具体的な数値目標、そして最初に必要な種銭(当初資産)はいかほどか?『ニコニコ生放送』で配信している専業トレーダーの方々の話を総合してザックリとシミュレートしてみました。

・月間の獲得目標pips*1 は約700~1000pips
FXをかじったことある方ならお分かりかと思いますが、いきなり高いハードルです。記者はこの時点で「無理だ!」と思いました。
もちろん種銭が多ければこの限りではありませんが、まずはこのくらい安定して勝てる見込みがなければ一時的にはうまくいってもどこかで立ち行かなくなるリスクが出てくるそうです。700~1000pipsの間を取って800pipsを月間獲得目標とすると、1日平均約40pipsの勝ちが求められます(1か月20営業日換算)。

*1:pip(ピップ)
FXで表現する最小値幅単位の事で、為替が変動するときの最小値の事を1ピップといいます。この値は通貨ペアによって異なりますが、ドル円では0.01円、ユーロドルでは0.0001ドル、といった風に決まっています。
『FX@外為ランキング』より引用
http://www.i2i.jp/fx/word/fx-ha/pip.php

仮に1ショット*2 5枚(5万通貨)でトレードするとして、1日40pipsの獲得で日給約1万6000~2万円、平均して1万8000円くらいになります。月の稼ぎは約36万円、年間にすると約432万円の利益となります。
ここから所得税20%(『くりっく365』*3 で取引した場合)が引かれて、手取り約345万円也。この他にも住民税・国民健康保険・国民年金などで年間約100万円の手出しが必要になります。

*2:1ショット(ワンショット)
一回の注文の数量。1回の注文の最大取引数量が決められていることがある。
『0から始めるFXブログ』「FX関連用語集」より
http://0start-fx.seesaa.net/article/114942136.html

*3:『くりっく365』公式ホームページ
http://www.click365.jp/

これだと生活費でカツカツで、種銭は増えそうにないですね。実家暮らしなどで家賃がかからない生活ならなんとかやっていけそうな感じでしょうか?
仮に1ショット10枚(10万通貨)でトレードするなら、年間864万の利益で手取り約690万円。自営業やフリーランスの仕事の人は一般的にサラリーマンの倍は稼ぐべし(将来的な保障が無いため)と言われますので、将来的な貯蓄や種銭の増資を考えれば最低限このくらいの利益は欲しいところでしょうか。
また、どうしても1日40pipsの獲得が難しい場合は1ショットを倍の20枚にして目標値を1日20pipsにするという戦略も、もちろんアリです。

・証拠金維持率は最低1000%は確保すべし
これは多くの専業生主が異口同音に言っている、目安となるラインです。
FXは株取引と比べて非常に高いレバレッジ*4 で取引できるところが魅力でもあり、非常に怖い部分でもあるのですが、少ない資金で高いリターンが得られる反面、損をするときも物凄いスピードで資金が減っていきます。株の世界で危険と言われている“信用全力”(信用取引の余力限度額いっぱいまで突っ込むこと)でもレバレッジは3倍。FXの場合はレバレッジ規制のある国内業者でも50倍とその差は雲泥です。

*4:レバレッジ
テコの原理のことです。FX(外国為替保証金取引)では、このレバレッジを使うことによって小額の資金を運用できることが特徴のひとつです。
『外為どっとコム』「FX用語集」より引用
http://www.gaitame.com/beginner/glossary/leverage.html

連敗が続いたり、リーマンショックやドバイショックと言った突発的な金融危機がきても廃業に追いやられないように、低レバレッジでの資金運用が基本となってきます。
証拠金維持率1000%をキープするために必要な種銭は1ショット5枚なら約100万円、10枚なら約200万円、20枚なら約400万円、となります。

以上の話をまとめて、平均的なサラリーマンが明日から専業生活始めるぞ! といった場合の一例は以下のようになります。

実家暮らしコース
種銭100万円 1ショット5枚 日平均獲得40pips 年収約345万円

一人暮らしコース(1)
種銭200万円 1ショット10枚 日平均獲得40pips 年収約690万円 

一人暮らしコース(2)
種銭400万円 1ショット20枚 日平均獲得20pips 年収約690万円 

※いずれも『くりっく365』を利用した場合

種銭とは別に当面の生活資金の確保も必要です。また、いざ専業生活を始めたらそれ一本で食べていくことに対する精神的なプレッシャーも計り知れないものでしょう。
トレード技術の向上と、徹底したリスク管理、そしてメンタル面の強化。これらをクリアーできて初めて専業トレーダーという生活スタイルが成立するのではないでしょうか?

一見お気楽そうに見えたトレーダー稼業も生半可なレベルではなれないということを改めて痛感した次第です。

※この記事はガジェ通一芸記者の「ゲーリー落合」さんが執筆しました。
●ゲーリー落合さんプロフィール:ニコ生でFX放送をしています。福岡在住。昨年会社員を辞め人生365連休中。為替・音楽・映画・サブカルチャーから福岡ローカルネタまでオモロなネタを投稿していきたいと思います。

画像:『flickr from YAHOO!』より

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