素足の季節、水虫の効果的な予防策
足は汗腺が多く、一日にコップ1杯分の汗をかく
少し動くだけで汗ばむ陽気。いよいよ素足の季節ですが、「サンダルはつま先が解放されているから、通気性は良い」なんて思っていませんか?足は、ほかの皮膚に比べ汗腺が多く、一日にコップ1杯分も発汗すると言われています。特に指の間、指の裏が汗をかきやすいポイント。指先が解放されたサンダルでも、指がぴったりとくっついた状態では湿度は80%にも上り、ほかの靴を履いているときとほぼ変わりありません。
いわゆる「水虫」とは、「白癬菌(はくせんきん)」というカビが原因で起こる皮膚の感染症。カビが好む温度と湿度で足が蒸れると、白癬菌が角質層に入り込み、活発に活動して炎症を引き起こし、かゆみが生じるのです。
「足を清潔に保つ」「蒸れを防ぐ」など4つのポイントを心がける
水虫予防のポイントは以下の4つです。心がけて、足の健康を保ちましょう。
(1)足を清潔にする
石けんをよく泡立て、足全体を包みましょう。きめ細やかな泡が汚れを浮き上がらせます。強くゴシゴシこするのは厳禁。角質層を傷つける恐れがあります。指と指の間・指の裏側・爪と指の間は忘れがちです。手の指を差し込み、一本ずつ丁寧に。爪と指の間が洗いにくいときは、ネイルブラシで優しくブラッシング。その後、石けん成分が残らないようにしっかりと洗い流します。菌は、付着して24時間で角質層に定着すると言われています。一日一回、すみずみまでキレイに洗いましょう。
(2)水分をよく拭き取る
一本ずつ、指の間・裏側の水分をタオルで優しく吸い取りましょう。ここでもゴシゴシこする必要はありません。お風呂上りに、バスマットに水分を吸収させるのでは不十分。指の間などに水分が残っていると、冷えの元にもなります。
(3)蒸れを防ぐ
二日続けて同じ靴を履かないようにしましょう。一日中履いた靴には、多量の汗が吸収されています。翌日、汗が乾ききらないまま、さらに汗が浸透し、菌の繁殖を促すことに。一日の役目を終えた靴は陰干しが必要。乾燥材など入れて、通気性の良い場所で保管します。また、靴を履く前にボディパウダーを指周辺につけておくと、汗のべたつきを抑えてくれます。菌は角質(ケラチン)をエサに繁殖するので、タコや魚の目などの余分な角質の除去も有効です。自己処理で悪化する場合もあるので、専門サロンでの適切なお手入れをオススメします。ケア後は、必ず保湿クリームで肌を整えます。
(4)感染源を避ける
スポーツジムや浴場など、不特定多数の人がはだしで出入りする高温多湿の場所は感染リスクが高まります。帰宅後、足に付着した菌を洗い流し、水分を拭き取った後に保湿クリームを塗りましょう。水虫の同居人がいる場合は、家庭内感染する可能性が大。皮膚科を受診し、しっかりと治療に取り組んでもらいましょう。バスマットや床は清潔に保ち、スリッパは自分専用のものを使います。
自己判断で市販薬などを使わず、皮膚科で適切なケアを
「水泡ができる」「指の間がふやけてジュクジュク」「かゆい」などが、水虫の症状として広く知られていますが、これらは「趾間型」「小水疱型」の場合。似たような症状の「湿疹」「掌蹠膿疱症」などは、ほかの皮膚疾患と見分けが困難です。おかしいと思ったら自己判断で市販薬は使わず、まずは皮膚科で患部の角質を顕微鏡検査し、菌の有無を確認しましょう。
かゆみを伴わない水虫もあります。かかとなどガサつき硬くなる「角質増殖型」、爪が濁り肥厚する「爪白癬」です。このタイプは自覚症状が乏しく見落としがち。いつのまにか悪化し、治療が長期にわたることもあります。症状が治まっても、角質の奥深くに入り込んだ白癬菌が生きていることもあります。白癬菌に感染した場合は、自己判断で薬を中断せず医師の指示を守り、根気よく治療に取り組んでください。素足になる機会が多いこの季節、自分だけでなく周囲の人のためにも適切な足のケアをしましょう。
(原 民子/フットケアスペシャリスト)
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