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笠井麻衣子の個展「おはなしのつづきのはなし」

tsuruno

 

awoken from a dream、2015、194 x 162 cm, キャンバスに白亜地、油彩

 

ユカ・ツルノギャラリーは1983年生まれの油彩作家・笠井麻衣子の個展「おはなしのつづきのはなし」を2015年5月16日(土)~ 6月13日(土)まで開催。

作家・作品について
笠井はこれまで、日常の中で目にした風景に自身が作り上げた物語を織り込んだイメージを描いてきました。キャンバスに滑らされた勢いのある筆致と余白を生かしたユニークな構図が特徴の画面には、少女、動物、着ぐるみなどのモチーフが登場します。それらは時に背景と同化するような曖昧な構図や色彩と即興的な筆触により意識的に抽象化され、さらなる想像の世界を繰り広げる。

本展について
本展では、ある風景に「作家自身が作り上げた物語を織り込む」という、これまでの制作方法を踏まえつつ、作り手と観る側が共有できる風景として「既存の物語」をテーマに構築される新しいシリーズを発表いたします。今回は「竹取物語」を題材として取り上げ、広く知られた物語の中から幾つかのシーンや言葉を選び取り、物語中では語られていない場面を、既存のイメージに捉われずに想像して描くことで、絵画と物語の関係性について探る。

ある時ラジオで「月に帰ったかぐや姫はその後どうなったの?」と子供が質問しているのを聞いた笠井は、物語には私たちが自由に想像して良い領域が与えられていて、また意識的に想像することで物語の新しい側面が見えてくるのではないかと考えました。すでに綴られている物語を題材にすることで作り手と見る側の間で共通の認識や見え方のズレが生まれたり、言葉で創作することと絵画で作り上げることの違いについても何か発見があるのではないか。

作家コメント
「かぐや姫はどうやって、どんな様子で地上に降りてきたの」
「さっき登場したあの人(もの)はどうなったのだろう」
「かぐや姫は美しい着物を与えられてどんな気持ちだったのかな」
など、場面ごとに気になった些細な部分を、主題から枝分かれした余談話のようなものとして想像しました。

これらの想像の断片を紙に描きおこし、キャンバスに写してかたち作っていく中で、そのイメージはときに圧倒的な存在感と自信に満ちた様子で目の前に現れることもあれば、とたんに姿形が曖昧な印象になったりもします。大げさかもしれませんが、絵具を置くたびに何か魂のようなものを吹き込んでいる感覚になります。言葉や場面の端々から作り上げた新しい光景を、水を得た魚のごとく楽しそうに嬉しそうに、しかし決してその様子を気づかれないよう、そっと過ごす姿を描けたらと思います。

作家プロフィール
笠井麻衣子は1983年愛知県生まれ、金沢美術工芸大学大学院修了。2008年『シェル美術賞 2008』準グランプリ受賞。主な展示に『アーツ・チャレンジ2010』(愛知芸術文化センター、愛知、2010年)、『第30回損保ジャパン美術財団選抜奨励展』(損保ジャパン東郷青児美術館、2011年)、『シェル美術賞 アーティスト セレクション(SAS)』(新国立美術館、2012年)、 『アートがあれば II – 9人のコレクターによる個人コレクションの場合』(東京オペラシティ アートギャラリー、東京、2013年)。コレクションにピゴッチ・コレクション、髙橋コレクション、昭和シェル石油株式会社など。

展覧会概要
笠井麻衣子「おはなしのつづきのはなし」
会期: 2015年5月16日(土) – 6月13日(土)
開廊時間: 火 – 土 11:00 – 19:00

YUKA TSURUNO GALLERY
2F 2-9-13 Shinonome Koto-ku Tokyo 135-0062 Japan
Tel: +81-(0)3-3520-1700
www.yukatsuruno.com

Yuka Tsuruno gallery presents Narrative Detours an exhibition of oil paintings by the artist Maiko Kasai (b. 1983), from Saturday, May 16th to Saturday, June 13th 2015.

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