未来が見える! 手のひらに載るキューブ型立体ディスプレイ&空中映像ディスプレイ

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写真の男性が手に持っている箱のなかに、おもちゃのアヒルが入っているのが見えるでしょうか? 3Dディスプレイといえば、映像が非常に” 立体的” に見える”立体視”ディスプレイが主流ですが、こちらのキューブ型ディスプレイ『gCubik』はディスプレイそのものが”立体”になっている”立体型”のもの。

4月15日、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、この『gCubik』と”見えているのに存在しない空中映像を指先で動かす”フローティングタッチディスプレイの開発に成功したことを発表しました。まさに映像の未来を感じさせる今回の開発成功で、10年後の世界はどうなっていくのでしょうか?

360度どこからでも見える『gCubik』
NICTでは、今までにもキューブの一部に見立てた3面に立体映像を表示するシステムを開発してきましたが、今回の『gCubik』は「箱の中に立体映像が存在する」というコンセプトの実現に初めて成功したものです。また、3Dディスプレイ部に制御基盤などを極力配置しないなどの工夫により、大きさ10cm四方、重さ950gと手に持つことができるまでに小型化しています。

ディスプレイの表面のタッチパネルと、内部に取り付けた姿勢と加速度が計測できるセンサーやスピーカーを使って、立体映像との簡単なインタラクションもできるそうです。今後は、”手に持てる立体映像”というコンセプトに基いて、インタラクション手法や、複数の『gCubik』を協調させるアプリケーション開発、さらにワイヤレス化や小型化などを進め、実用化に取り組んでいくとのこと。これが実用化されれば、新製品開発のときなどに、試作品を作らなくても立体映像で企画会議などができそうです。

空中映像が操作可能なフローティングタッチディスプレイ
NICTでは、空中映像を操作可能なフローティングタッチディスプレイの開発も行われています。これは、NICTが開発した光学素子に”鏡映像”を空中映像として結像させ、空中に表示させた非常に実在感の高い映像を指先で操作できるものだそうです。装置下部に配置した液晶ディスプレイの画面が光学素子によって浮かび上がり、その映像には、ガラスなしの赤外線タッチパネルで触れることができます。空中映像なので触っても触覚はありませんが、こちらの写真を見ると視覚的にはかなりリアルに感じられるようです。


今はまだ、光学素子のサイズが小さいため、表示可能な空中映像の大きさに限界がありますが、今後はさらに製造技術の開発を進めて3年後には人間の等身大映像の表示の実現を目指すそうです。

10年後、映像の未来はどうなる?
今回の開発発表は、まるでSFの世界のような話でしたが、NICTは、標準周波数を元に日本標準時を発信したり(電波時計で利用される)、人工衛星を使って世界中どこでも携帯電話が使えるようにする研究など、身近な日常生活に関わる開発・研究を行っています。思えば携帯電話だって、20年前には誰も持っていなかったのに、今では生活必需品になっています。

これから10年後、立体映像や空中映像は私たちの生活にどれくらい普及しているのでしょうか。電車のなかで「乗車中は空中映像通信をするのはやめてください。他のお客さまが驚いてしまいます」なんてアナウンスが流れたりするかもしれません(写真がすべて見れる元記事はこちら)。

独立行政法人情報通信研究機構(NICT)
http://www.nict.go.jp/

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Kyoko Sugimoto

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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