今後の世界経済の行く末は「米国株価」が握っている?

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今後の世界経済の行く末は「米国株価」が握っている?

 世界経済が混迷しているように見える。
 経済危機に陥っているギリシャは現在3億ユーロをIMFに返済しなければいけないが、6月の返済に応じられないと表明。このままIMFへのデフォルトに陥れば、さらに経済危機は進む可能性がある。
 一方、アメリカでは6月利上げ説が後退し、好調とされていた経済に陰りが見えている。

 フィナンシャル・コンサルタントである若林栄四氏は、3月末に発売された著書『異次元経済 金利0の世界』(集英社/刊)の中で、アメリカの景気は後退、ユーロ圏はデフレに陥り、日本だけが一人勝ちをするシナリオを予測しているが、それから2ヶ月経った今、若林氏の予測通りに推移しているように思える。
 では、実際はどうなっているのか? 新刊JP編集部は若林氏に質問を投げかけた。

 若林氏によれば、本書を執筆した1月頃と「状況はあまり変わっていない」といい、アメリカの利上げ見送りという報道については「その時々の指標にマーケットの短期筋が右往左往しているだけだ」と述べる。では、そんなアメリカの景気はどうなるのか? 若林氏はあと数カ月で株式相場の下落がはじまると予測し、さらに中国も同じ道を辿るとしている。

 では、日本についてはどうだろう。本書ではリフレへの移行が円安、株価上昇、そして実体経済のベースアップという3つの段階がタスキをつなぐ形で進み、現在は円安から株価上昇にタスキがわたったところだと述べられている。
 ところが、4月まで順調に上がっていた株価がここにきて停滞しているようにも思える。これは一体どういうことか? 若林氏は「相場だから上がったり下がったりするもの。問題は上げトレンドがいつ一服するかだ。日本の株価もそろそろ上げ一服のタイミングで、おそらく米国株価や円高といった外部要因が相場の下げを主導する。日本経済そのものはそれほど悪くない」とコメントし、現在の株価は単なる小休止であり、今後また動いていくだろうという見方を示している。

 今後の世界経済を予測するために、どのような部分に注目していくべきなのか? 若林氏に聞いてみたところ、「米国株価だけに注目」という答えだった。アメリカの株価は昨年12月末に18100ドルまで上がると、その後は横ばいが続いていて危険な状態なのだという。FRBがなかなか利上げに踏み込めないのもそういった部分が大きいのだろう。

 ここまでの経済の動きについては、おおむね若林氏が本書に書いた通りに推移している。そのため、出版から少し経過した現在においても参考になる部分は大いにある。
 若林氏は読者に向けて「相場は需給ではないことを理解する必要があると思います。GPIFや日銀がいくら買っても下がる時は下がります」とアドバイスする。
 今後の経済の動きを見つめるためにも本書は一読すべき価値があるはずだ。
(新刊JP編集部)


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