成田空港と周辺をぶらつこう!日本一短い普通鉄道を約4分で完乗『芝山鉄道』

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成田国際空港は国際線はもとより、最近LCC専用の第3ターミナルが出来て変化を続ける一方で、昔の名残も多く残す。
そんな成田空港の新と旧、メジャーとマイナーな場所を見物し、日本一短い普通鉄道「芝山鉄道」の完乗を、およそ半日でぶらつき取材したので、お出かけの参考にしていただきたい。

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まずは成田空港に行かないと始まらない。
JR成田エクスプレス、京成スカイライナー、リムジンバスがメジャーどころか。
JR総武本線の快速エアポート成田、京成アクセス特急、京成本線経由の特急あたりが料金不要で、運賃のみで利用できるリーズナブルな存在だろうか。
記者は航空便利用者でもなく、特に急ぎでもないので、都営浅草線から直通の京成アクセス特急を選択した。

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スカイライナーと同じルートで成田空港に至るアクセス特急の最高時速は120キロメートル。スカイライナーが一部区間で時速160キロメートル運転をするのに比べれば所要時間はかかるが、それでも昔に比べれば速いものだ。
スマホのGPS簡易計測で時速124キロメートルをマークしているが、これは誤差。実際には時速120キロメートルしか出していないだろう。

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終点の成田空港駅で下車。第1ターミナルの真下に存在する駅だ。ここから成田空港周辺散策を開始する。
なお、一般に知られた送迎デッキやレストランには、まったく行っていないので、そのようなメジャーどころはガイドブックを参照されたい。

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駅から地上に上がった第1ターミナルの1階だ。かつては新東京国際空港の表玄関だったこのターミナル。世代によってはドラマ「スチュワーデス物語」でCAがバスから降りて、さっそうと歩く姿を懐かしいと感じるのではないだろうか。当時はこのターミナルしかなかったのだが、現在でも北ウイングと南ウイングを擁するターミナルは健在だ。

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では、まずは新しいものを見に行こう。LCC専用の第3ターミナル。各ターミナルと京成東成田駅間は無料のシャトルバスで結ばれている。第1・第2ターミナル間だけの区間便もあるが、全ターミナルを回るバスは概ね15分毎に運行されている。

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第3ターミナルへは第2ターミナルから専用通路を徒歩で移動するか、シャトルバスや路線バスでないと入ることができない。乗用車の乗り入れは禁止されている。なお、空港敷地内に立ち入る際に実施されていた身分証明書の呈示と手荷物検査は原則廃止されたので、検問所はスルーする。

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写真のような許可車しか通れないゲートを通過して第3ターミナルに至る。

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第3ターミナル内のパノラマ合成写真だが、必要なものだけが合理的に配置されていて、一切の無駄がない。

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ここは陸上競技場ではない。旅客の動線を示したトラックが通路に描かれているので、旅客が迷うことなく移動できるようになっている。間違ってもスタートを切ってはいけない。

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JR、京成、リムジンバスのチケット売り場が1つの場所に集約されている。鉄道は自動券売機のみと合理化が徹底されている。

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フードコートは値段の高いイメージのある空港レストランと比較して、価格は控えめだ。見物中の昼食はここが一番安いかもしれないが、コンビニもあるのでそこで調達して食べるのも手だ。

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ターミナル内の無料Wi-Fiにスマホから接続して、写真をアップロードしてみた。驚くべきは47.0Mb/sという高速通信ができたことだろうか。もちろん使っている人が少なかったかもしれないし、たまたまかもしれないが、無料のサービスにしては満足のいく速度ではないだろうか。

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第3ターミナルを後にして、今度はマイナーな方を見に行こう。シャトルバスを東成田駅で下車する。ここは乗降する人が少ないので、降車ボタンを押さなけれれば通過してしまう。要注意だ。

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バス停の前に駅らしきものはない。矢印の案内板に従って少し歩く。

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なんだかヤバそうな軍事施設のような小屋が見えてきた。ここが東成田駅の入り口だ。

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中に入ると、手荷物検査のための警備員が常駐しているものの、怪しい素振りがなければ素通りさせてくれる。なお、この写真の右には警察官が常時立番をしている。この間、一般客らしき人はゼロ。すでにマイナーな世界だ。

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運転を停止しているエスカレーターと広大な階段。実は、この駅は初代の京成成田空港駅だ。第1ターミナルしかなかった頃は、ここが成田空港駅としてにぎわっていた。現在のJRと京成の空港線は成田新幹線のために確保されていた空間を転用したものだ。

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管制塔や空港関連施設が近いことから、空港職員が通勤に使う程度で普段の乗降は少ない。メインの空港第2ビル駅へは地下通路で結ばれているので、徒歩連絡は可能だ。
なお、京成津田沼発の始発電車は東成田に午前6時前に到着するため、LCC利用者の早朝空港アクセスとして若干の利用がある。

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改札はすでにローカル駅並みの規模しかない。
ここから、日本一短い普通鉄道である芝山鉄道に乗車する。東成田駅は京成東成田線の終点でもあるが、芝山鉄道との共用駅である。次の芝山千代田までが芝山鉄道、逆の京成成田までが京成東成田線。芝山鉄道はIC乗車券が使用できないので、当駅で紙のきっぷを購入する。IC乗車券をタッチしても京成方面にしか使えないので注意が必要だ

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当駅の駅名票。次駅に京成成田と芝山千代田が表示されている。

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現在供用されているのは1面2線の島式ホームだが、隣に照明がない朽ち果てたホームが存在する。かつての成田空港駅時代に活躍した特急ホームだ。

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既に使用されていないホームの駅名票は「なりたくうこう」のまま放置されている。明るく写ってはいるが、肉眼では真っ暗で探さないとわからないくらいだ。開放F値2.8のレンズを使用してISO感度12800という通常撮影ではあまり設定しない高感度撮影でようやく文字が読める。

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「つぎはなりた」と書かれているのは、当時は芝山鉄道が開業していないので、当駅が終点だったことことを物語っている。

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昼間は京成成田と芝山千代田間の往復運転のみ。芝山千代田駅があまりにもマイナーなため、行先方向幕には「(東成田)芝山」としか書かれていない。

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空港地下の急なカーブをいくつか曲がると地上に出る。最後の急カーブを登り終えると、終点の芝山千代田。

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線路はここで行き止まりとなり、これで芝山鉄道は完乗したことになる。

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駅前の信号機が感応式というのも、なかなか珍しいのではないだろうか。まわりはすべて空港施設だ。

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芝山鉄道線内に途中駅はなく、東成田の次が終点なので約4分で完乗することができる。

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改札口で乗車証明書をもらうことができる。乗車証明書は2種類あって、ここに至るきっぷを見せて1枚。帰りのきっぷを買って1枚。1回の往復乗車で全種類の乗車証明書をゲットすることができる。駅員が乗車日を入れてくれるので、よい記念だ。

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芝山鉄道唯一の単独駅。高架駅なので大きく見えるが、駅舎そのものは小さな地下鉄駅ほどしかない。

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バスも発着している。航空博物館や近隣への路線バスや、東京駅、八日市場間の高速バスの一部が当駅に停車する。

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線路が切れた先は何だか延伸しそうな空気が漂う。

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実は地元からは延伸が望まれていて、その代替として延伸計画路線には既にバスが運行されている。

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こうして成田空港周辺の散策は終わり、記者は折り返しとなる京成成田行き電車に乗車し、京成本線経由で帰路についた。

成田空港の周辺には航空博物館や、航空機の離発着が目の前に見える「さくらの山」等の散策、観光地がいくつか存在する。
メジャーな空港見学や、今となってはマイナーだが、かつては成田空港そのものを象徴する駅だった東成田駅、日本一短い鉄道線。
日本を代表する玄関口の周辺は、空港利用だけでは気が付かない面白そうなスポットがまだまだ存在するかもしれない。
都心から小一時間のお勧め散策スポットだ。

※写真はすべて記者もしくは同行カメラマン小野寺稔昭撮影

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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