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『豪華付録』は雑誌存続の救世主となるか?

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子供の頃、小学館が出している『小学校○○年生』の学習付録や、『りぼん』、『なかよし』といったコミック雑誌についている付録が楽しみで毎号雑誌を買っていた。「付録は子供の特権!」なんて思っていたけど、そんな話はもう昔話になってしまったようだ。

最近の女性誌には、ほぼ毎号のように付録がついてくる。有名ブランドとのコラボレーションポーチやエコバッグ、ヘアアクセサリー、ノート、ミラーに時計まで、単体で買っても結構な値段がするんじゃないか?と思われる商品が、通常の雑誌価格+100~200円程度で買えてしまう。

5~6年ほど前、お隣韓国の雑誌の付録事情をテレビで観た。口紅やアイシャドウといった化粧品類に始まり、アイロン、ドライヤー、包丁立て、といった日用品までが付録としてついてくるが、値段は700~900円程度。もう雑誌と付録、どちらがオマケなのか分からない状況だ。「韓国はおまけ文化の国。日本の場合なら割り引いて欲しいと思うところに対し、韓国の人はおまけを付ける」という説明をしていたが、「良く元が取れるなぁ」と、不思議に思ったのと同時に、「日本では同じやり方だとあまり流行らないのかも」という風にも思っていた。そして、その予想はハズレであった。

以下は、過去一ヶ月前後に発売された雑誌とその付録である。

■女性誌付録一覧(順不同)
『Sweet(スウィート)』5月号…Cherポーチ&トートバッグ
『BAILA(バイラ)』5月号…マッキントッシュ×フィロソフィー ギンガムチェック柄ポーチ
『GISELE(ジゼル)』5月号…HOT COCO大人かわいいキャラクターポーチ
『SPUR(シュプール)』5月号…SPUR×kitson オリジナルメガポーチ
『GLAMOROUS(グラマラス)』4月号…イヴ・サンローラン特製コラボノート
『In Red(インレッド)』5月号…パティ&ジミー 大人のバニティケース
『NYLON JAPAN(ナイロン ジャパン)』5月号…Cherスペシャルコラボノート
『CUTiE(キューティー)』5月号…ケアベア 文具3点セット
『mini(ミニ)』5月号…ミルクフェド マカロンカラーのハート型ポーチ
『S Cawaii!(エスカワイイ)』5月号…moussy ストロベリーチョコミラー
『MORE(モア)5月号』…MORE×バナーバレット 水玉ロゴポーチ

ざっと調べただけでもかなりの雑誌が付録をつけている。上記にあげたものはファッション誌が中心となっているが、美容系雑誌もほぼ毎月のように化粧品のサンプルなどを付けている。ちなみに、記者はここ数年、化粧ポーチやコンパクトミラーを購入していない。理由は雑誌に付録として付いてきたものが家に複数あるし、単体でその商品を買うより安上がりだからだ。

女性誌で豪華付録がブームになったのは、材質などの規制が緩和された平成13年以降のこと。また、平成19年に景品の上限額が引き上げられたこともあり、最近では発行部数の少ない男性雑誌にも付録付きの物が見られるようになってきた。男性ファッション誌『スマート(宝島社)』5月号では、有名ブランドとのコラボ靴下2足セット、『クール・トランス(ワニブックス)』5月号では、有名ミュージシャンとコラボのトートバッグを付けている。男性読者がこれらの付録を喜び、実際に使うかどうかは記者にはわからないが、もし単体で購入するとしたら、間違いなく1000円~2000円は越えるであろうものが、600円前後の値段で買えてしまうので、値段的に考えたら『お買い得』と言えなくもない。人気ブランドが手がけたデザインをもとに海外で安価に生産することで、雑誌の価格も抑えている。『スマート』編集長の太田智之氏によると、「部数増への先行投資」という事だ。(MSN産経ニュースより)

思えば昨年は、有名雑誌が次々と休刊を続ける年であった。雑誌売り上げのピークは1997年、それ以降、今日に至るまで減少傾向をたどっている。2007年の雑誌の売り上げはピーク時の約75%、10年で市場が4分の3に縮んだことになる。各雑誌社も生き残りをかけて必死なのであろう。少しでも工夫をこらし、他の雑誌との差別化を計ろうとしている。豪華付録も生き残り対策の一環であろう。付録を付ける流れを作ったのは、宝島社の成功が大きい。女性ファッション誌『Sweet(スウィート)』は、ブレイク前のブランドの付録を提供したり、読者アンケートなどの人気をすぐ次号へ仕掛ける姿勢を徹底し、2009年3月時点でヤングアダルト~ミセス対象のレディース雑誌売上1位を記録している。同じく、男性誌『スマート』でも、編集方針の変更と並行して付録の縫製や素材を改良したところ、平均実売数が5万部近く伸びて20万部を突破した。

今や雑誌に付録が付いてくることは当たり前の事となってきた。ある雑誌社などは、半年以上前からコラボレートするブランドと企画、リサーチを重ね付録を作成しているらしい。雑誌社の付録にかける意気込みの深さが伺えるエピソードだ。また最近では各ブランドが季節ごとにブランドのカタログと付録をつけ、1500~2000円程度でMOOK本を販売するケースも増えている。付録はもはや、単なる『雑誌のオマケ』で済まされない存在になってきた。

しかし、付録に頼ることはある意味危険な側面もあるのではないだろうか。

たしかに魅力的なオマケは購買意欲をそそる。『ジャケ買い』ならぬ『付録買い』を何度か記者もしたことがある。しかし、付録に目が行くあまり、付録の付いていない月はその雑誌を買わない、というような、雑誌と付録の立場が逆転してしまう事態も起きてしまうのではないだろうか。また、付録に力を注ぐあまりに雑誌本体の内容が面白くなくなったり、付録自体を不要と考える人達には「(付録がついているから)重い」、「(付録を付けるくらいなら)その分値段安くして欲しい」という意見も出てくるのではないだろうか。

記者個人の意見としては、「付録は内容によりけりで、基本的には雑誌の内容が優先」だ。もちろん買った雑誌についている付録で気に入ったものであれば、付録であっても長期間大事に使う。しかし、いくら豪華になったと言え、所詮はオマケ。質感などは、安かろう悪かろうという感が否めない。それに、雑誌自体の内容が面白くなかったら、わざわざ重い思いをして家までロクに読みもしないゴミを運ぶ羽目になるので、それは避けたい。

雑誌に付録をつける文化が流行ったのは、お隣韓国が先だが、現在の韓国の雑誌付録事情はどうかというと、美容液、乳液、コンシーラーなどの化粧品に始まり、お菓子や交通カード(Suicaのようなもの)、ラグマットまで…と、更なる進化を遂げていた。一番すごい時は雑誌価格の10倍もの値段のおまけがついてきた時があり、初日で完売したそうだ。これはもう、完全に雑誌と付録の立場が逆転してしまっている。

依然として続く不況の最中、今年も雑誌の休刊は起こるかもしれない。生き残り対策に必死な雑誌業界で、付録の存在は勝敗を分ける救世主となるのであろうか。または、雑誌のほうがオマケである、という流れにならざるを得ないのだろうか。願わくば、内容の充実した、読んでいて楽しい、購買意欲の沸く雑誌作りを期待したい。私達はもう、オモチャのおまけが欲しいためにお菓子を買っていた子供ではないのだから。この記事の配信元はこちら
 
 

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