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生徒から「餌」と酷評される大阪市の中学校給食が上手く行っていない原因は?

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給食室

2月27日に開かれた大阪市会の定例会で市内の公立中学校で導入された学校給食が生徒に不評で「給食ちゃうで、餌やで」と言う声が上がっていると言う質問が議員から出たのに対し、中学校への給食導入を推進して来た橋下徹市長が「飽食時代を象徴」「農家の人に失礼だ」と強く反発したと一部で報じられましたが、そもそもの問題として「大阪市の中学校給食は何故うまく行っていないのか」についての議論は深まっているとは言えないようです。

学校給食の提供方法には、大きく分けて以下の4方式があります。

1.自校調理式
校舎内に調理場を設けて児童・生徒全員の給食を作る方式。日本ではこの方式が最も多いが、新規に導入する場合は調理場を設ける初期投資が必要なこと、食材の調達が学校単位になるのでセンター式に比べて割高になることなどのデメリットがある。

2.センター式
午前中に給食センターで複数校の給食を調理して昼に配送する方式。面積が狭い自治体に適している、調理に当たる人数が自校式より少なくて済む、食材の調達が自校調理に比べて割安などのメリットがある反面、保温が必要な献立の場合は配送中に冷めてしまうなどのデメリットがある。

3.親子式
自校調理とセンターの中間に当たり、いくつかの拠点校に大規模な調理場を設けて周辺校の分も調理・配送する方式。大規模なセンターの新設や全校一斉の調理場新設に比べるとコストが抑えられ、保温面のデメリットもセンターに比べると軽減されるので面積が広い自治体に適している。

4.民間委託(大阪市の中学校が採用しているのはこの方式)
民間業者が製造した出来合いの献立を購入する方式。メリット・デメリットともセンター式に近い。初期投資が配膳室の設置のみで済む反面、地方では需要を満たせるだけの供給力を持った業者が存在しない場合がある。

大阪市の場合、小学校の給食は自校調理方式が採られているため各校に調理場が設けられていますが、給食の実施を想定して校舎が設計されていない中学校には調理場がありません。そのため「センターや親子方式を採ると準備に時間がかかる」として民間委託式が採用されましたが、導入の当初から生徒には「冷めてまずい。量も少ない」と不評で虫や輪ゴム、髪の毛などの異物混入が相次ぐなど衛生面でも重大な問題が発覚しています。その結果、昨年11月に市教育委員会が行った調査では約7割の生徒が給食を食べ残していることがわかり、現時点では「失敗」と評価せざるを得ない状況になっています。

また、コスト面でも「1食500円」と言う価格設定の妥当性に疑問が呈されており、『Twitter』では「給食のメニューからコストを算出すると合計で4円にしかならない」として残りの496円分のコストが不透明であるとの指摘や、諸外国の給食や刑務所の食事例の写真と並べて「これでは『餌』と呼ばれても仕方がないのでは」とするなど厳しい意見が相次いでいます。将来的には自校調理もしくは親子方式の導入を検討しているとのことですが、かつて“天下の台所”と呼ばれた大阪で中学校の給食が「餌」という汚名を返上するにはまだ時間がかかりそうです。

画像‥給食室(イメージ、写真素材 足成の画像を使用)

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