女性にもてる踊り方とは

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サイエンスあれこれ

今回は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

女性にもてる踊り方とは
シオマネキやハチドリなど多くの動物のオスは、求愛のために創意工夫された、魅惑的なダンスを踊ることで知られています。こうすることで自らの身体能力の高さや健康度をアピールしているのだと考えられています。では、ヒトの場合はどうなんでしょう。ヒトのダンス、特に男性のダンスには、何か女性を魅了する普遍的な特徴のようなものがあるのでしょうか?

一見、別にダンスだけで求愛するわけではないヒトに、進化的に有利な踊り方が選択されてきたようには思えないのですが、ダンスに限らず、男性の日常的な動き方の中に、その個体としての能力の高さを見極めるポイントがあり、ダンスをすることでそれが際立って見えるということは あるのかもしれません。運動神経のいい人はダンスもうまいとよく言いますし。

というわけで、女性にもてる踊り方をまじめに研究した結果が、9月8日付け『Biology Letters』のオンライン速報版(要約のみ購読無料)に掲載*1 されました。それによると、ただ何人かの男性に踊ってもらうだけでは、女性は、踊り以外の要素、例えばスタイルや容貌(ようぼう)などに惹(ひ)かれて、ついつい高評価を与えてしまう可能性もあることから、映画のCGなどで使われるモーションキャプチャー技術を用いて、踊っている男性の動きのみをコンピュータに取り込んで、画面上のアバターに踊らせるという方法を用いました。

*1: 「Male dance moves that catch a woman’s eye」 『Biology Letters』
http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/early/2010/09/06/rsbl.2010.0619.abstract

踊っている男性の関節など身体の38か所に取り付けられた反射マーカーを12台のカメラで撮影し、30名の男性の踊りを一人当たり15秒の、アバターが踊るビデオクリップに編集しました。これを39名のヘテロセクシャルな女性に評価してもらいました。その結果、女性の高評価と相関するダンスの特徴的な動きが絞り込まれました。

変化のある多彩な動き、首と胴体の大きな動き、右足(おそらく利き足)のスピーディーな動きの3点です。逆に、低評価だったのが、単調に円を描くような歩き方、奇妙に動かす腕だったそうです。これらの特徴を加味した、典型的なイケテル踊り(Nice moves)とイケテナイ踊り(Wrong moves)はこちら*2 からご覧になれます。

*2: 「These Dance Moves Are Irresistible」 『Science/AAAS』
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2010/09/these-dance-moves-are-irresistib.html

研究者らは、これらの高評価だったダンスの動きが、果たして実際に生物的身体能力の高さと相関があるのどうかを今後は調べていきたいと思っているとのことですが、どうせそれをやるなら、もう少し踊りが実際の婿選びの重要な要素となっているような伝統文化をもつ少数民族で調べたほうがいいように思うのですが……。

執筆: この記事は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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