【ソルのゲー評】『クロヒョウ』はPSPにうまく収まった 龍が如くシリーズを遊んでいない人にもお勧めできる作品

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名越さん!

今回は9月22日に発売されたばかりのセガのPSP用ソフト『クロヒョウ 龍が如く新章』のレビューを書きたいと思う。『クロヒョウ』はサブタイトルに「龍が如く新章」とあるように、外伝的扱いのタイトル。既存のキャラクターはほとんど登場せず今までのシリーズを遊んだことのない人でも安心して遊ぶことができる。既に『龍が如く』シリーズは4作発売されているが、それを終えてから遊ぶ必要はないのだ。

こちら自腹で購入し早速プレイ開始。龍が如くは過去に遊んで来たので慣れたつもりだが、新たなシステムとしてバトルスタイルの変更が可能になっている。これは格闘スタイルの熟練度を上げ、自分にあった格闘スタイルで戦うことができるというものだ。喧嘩、空手、八極拳、ムエタイなど19種類ものバトルスタイルを選ぶことができる。しかし各バトルスタイルは熟練度を上げないと弱いまま。敵との戦闘で熟練度を上げ、更に強くしなければ使い物にならない。さらにバトルスタイルをある一定以上極めると、新たなバトルスタイルを習得できるようになる。
そんなシステムが今回の『クロヒョウ』には取り入れられている。

バトル

――簡単なストーリー説明
今回の主人公は右京龍也。龍也が中国人の経営する闇金融を襲撃するところから物語が始まる。そこに居た東城会直系の九鬼組幹部、戸田の顎(あご)を回し蹴りで倒すのだが、その際に壁に頭をぶつけ息が無くなる。それに焦った龍也はその場から逃げることになる。実はその際の出来事は一部始終ビデオに取られており九鬼組のボス、九鬼に脅されコロシアム『ドラゴンヒート』に出場させられることになる。神室町の地下で繰り広げられているこの『ドラゴンヒート』で10連勝すると自由の身になれると言う条件を約束に、バトルを繰り広げることになる。龍也に立ち向かう10人の強敵とは……。

と、以上が簡単なストーリーのまとめ。

――龍が如くとの差異
舞台は同じ神室町なのだが、規模が多少縮小している。これはPSPの容量の制限があるのだろうか。地下には行くことができず、また北東部分のマップもほとんど移動不可能。街全体はレンダリングされた中をキャラクターが移動するスタイル。ポリゴンの街中を移動するわけではないので、画面切り替え形式となる。画面切り替え時の読み込みが多少ストレスと感じる人もいるだろうが、メモリースティックにデータのインストールが可能なのでこれで多少はアクセスが速くなるはず。規模が小さくなった分入店できるお店の数も少なくなっている。しかしおなじみのコラボレーションはそのままだ。松屋、ドン・キホーテ、カラオケ館など実在するお店が神室町にも登場する。

松屋

――バトルについて
バトルは至ってシンプル。街中で絡まれた敵を倒すことにより経験値とバトル熟練度が増える。バトル熟練度は現在のバトルスタイルに付加されバトルレベルを上げるのに必要だ。しかしパンチ力やキック力はレベルアップしても増加しない。これは道場で別途お金を払い修行をしないといけない。パンチ、キック、つかみ、ヒートなどのレベルを個別に上げる必要があり、全てをバランス良く上げて行くにはかなりお金がかかる。こういうパラメーター振り分け式って偏らせた方が強かったりするよね。というわけでキックとパンチを優先的にレベルあげしまくる作戦。さらに道場に支払うお金は街中にいる「ねこ」を見つけることによって値引きされるのだ。ねこの地図はある程度集めると更新されるが、地図が無くても運良くその場に行くと捕まえることが可能。頑張って100匹捕まえると……。

パンチ力などの強化

――サブストーリーも充実 キャバクラもあるよ
『龍が如く』を名乗るだけあってサブストーリーも充実している。サブストーリーを全てコンプリートしようものならクリアー時間30時間や40時間では済まなそうなこのゲーム。もちろん恒例のキャバクラもあり、そこでは7名居るキャバ嬢を落とすのが目的となる。今までのように育てる側ではなく客となって落とす側立場なのだ。キャバクラでは会話によりキャバ嬢の好感度が異なりハートマークが上下する。更に退店時にはメールが来るというお約束のやりとりだ。

さらにバイトも充実。ポールダンスの会場、ジェラテリア(アイスクリーム屋)、九州一番星などお金に困ったらここに駆け込みアルバイトをすれば良い。個人的にはジェラテリアでのアルバイトが最も効率良いような気がする。ここで忘れてはいけないのがポールダンサーとして出演している中村アンさん。以前ガジェット通信にお越し頂きインタビューをしたのだが、彼女が同作にも出演している。ファンの方は是非ショーパブでバイトをしてみては如何だろうか(ゲームの中の話ね)。

中村アンさん(ガジェット通信) ゲーム中に登場するポールダンサーの中村アンさん 客を落ち着かせるバイト キャバ嬢を落とすこともできる

――これはRPGだ
龍が如くの頃から個人的に感じているのだが、アクションゲームでありながらここまでしっかりストーリーがあるだけでなく、レベルの概念や買い物があるなど、まるでロールプレイングゲーム(以下、RPG)を遊んでいるような感覚に陥る。もはやこれはRPGではないのだろうか。昨今ではコマンド式のRPGよりアクション要素の強いRPGの方が多い。“ロールプレイング”という元の言葉からたどればこれもRPGの一部になるのだろうが。

――総評
『クロヒョウ』は『龍が如く』同様に芯となるストーリーがありながら、サブストリーにて本来の目的を忘れてミニゲームやキャバクラ攻略を楽しむことができる。その楽しさは『龍が如く』と同等だ。しかしこのシリーズの特徴として本編のストーリーがかなり質が高いため先が気になるのも事実。章立てではあるが、“やめ時”が見つからない作品。結局プレイ時間45時間になってしまった本作だが、『龍が如く』を上手にPSPに納めたという感じの作品。PSPにしてはかなりのボリュームだ。移動時の視点の悪さや画面切り替え時の読み込みなど多少不満点はあるものの、PSPのゲームとしてはかなり良くできている。本編クリアーしたあとも『龍が如く』シリーズ同様にまだまだ遊べるようにやりこみ要素がある。今作は『龍が如く』を遊んだ事がない人でも遊べるように本編とはほとんど関係ないキャラクター達が登場するので、新規にプレイする人にも是非オススメ。『クロヒョウ』を遊んでみて神室町の世界が気に入ったらPlayStation3の『龍が如く3』や『龍が如く4』を遊んでみては如何だろうか。

45時間プレイ

レビュースコア……90点 「クロヒョウ」ってタイトル関係あるの?

※ガジェット通信、『ソルのゲー評』では様々なゲームをレビューしています。レビュー希望のゲームがありましたらご依頼ください。メーカー様からのサンプルROMなどもお待ちしております。

クロヒョウ(ガジェット通信ゲームズ)

クロヒョウ 龍が如く新章


クロヒョウ 龍が如く新章
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