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漫画『有害都市』の「アメコミ衰退」描写をめぐり『Twitter』で論争

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ガジェット通信では、掲載誌の休刊に伴い昨年11月からウェブコミック配信サイト『となりのヤングジャンプ』に移籍して雑誌掲載分の無料公開が開始された筒井哲也氏の漫画『有害都市』を読者の反響と合わせて紹介しました。

表現規制でディストピア化する近未来を描いた漫画『有害都市』に賛否両論 - ガジェット通信

『有害都市』は東京オリンピック開催を翌年に控えて漫画やアニメの徹底した表現規制が敷かれてディストピア化した2019年の日本を舞台に、主人公の漫画家・日々野幹雄の目を通して表現規制問題を追及すると言う触れ込みで連載が始まり、『となりのヤングジャンプ』での移籍連載開始直後から賛否両論の大きな反響を呼んでいました。ところが、1月28日に公開された第7話の内容をめぐって新たな論争が巻き起こっています。

(7話あらすじ)審議会委員の圧力で幹雄の新作『DARK WALKER』が第1話にして休載となり、ウェブコミックへ移籍して連載を継続していたところで米国の出版社『カミカゼ・マンガ』社長アルフレッド・ブラウンの目に留まり、北米版の公式配信契約を結ぶことになった。その席でブラウンは幹雄と担当編集者に1950年代、フレデリック・ワーサムの提唱で“青少年に有害”な表現の徹底した取り締まりを目的に「コミックス・コード」が導入され、それまで自由な表現に溢れていたアメリカン・コミックス(アメコミ)は衰退し「能天気なヒーロー」か「能天気じゃないヒーロー」のどちらかが登場するものしか無くなってしまった、と言う“歴史”を語る。

作中でブラウンが行ったこの説明に対し、主に『Twitter』でアメコミの愛読者から批判が相次いでいます。代表的な意見は「コミックス・コードの導入でアメコミが大打撃を受けたのは事実だがコード自体は20世紀後半に出版社の相次ぐ離脱で形骸化した末に現在は廃止されており、少なくとも作中で言われているような2種類のヒーロー物しか存在しないような状態はとっくに終わっている。それなのにコードの影響が2019年も残っているような描写はおかしい」「『日本の漫画は多様性に溢れていて素晴らしい』と言う説明をする際に作者のアメコミに対する偏見を架空のアメリカ人の口を借りて言わせているように読める」と言うもので、中には編集部の目に留まるように感想用の「#有害都市」タグを付けて抗議しようと言う呼び掛けも行われています。これに対し「コミックス・コードでアメコミ市場が一時壊滅した論は日本においてかなり最近まで定説として語られていたので、作者個人の偏見とは一概に言えないのではないか」「作中で描かれている日本の状況と同様に、作中の米国も(ワーサム自体は実在の人物だが)コードの影響が史実以上に強く残っていると言う“フィクションの設定”として読むのが正しい」と冷静な対応を求める意見や、抗議の動きに対して「(漫画やアニメで弓を射る描写に対して「弓の持ち方が正しくない」と猛抗議する)弓道警察を思い出す」と言う意見も出ています。

なお、『有害都市』の雑誌再掲載分は第7話までで、2月11日に公開される第8話以降は『となりのヤングジャンプ』が初出の新規エピソードとなる予定です。

有害都市(となりのヤングジャンプ)
http://tonarinoyj.jp/manga/yugaitoshi/ [リンク]

画像‥コミック弁護基金(CBLDF)サイト内の「コミックス・コード」解説ページ
http://cbldf.org/comics-code-history-the-seal-of-approval/ [リンク]

※この記事はガジェ通ウェブライターの「84oca」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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