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敵の軍勢を滅ぼすか、それとも従えるか。“指輪物語”をベースにしたダークファンタジーアクションRPG『シャドウ・オブ・モルドール』をレビュー

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今回は、ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントから2014年12月25日に発売されたアクションRPG『シャドウ・オブ・モルドール』を紹介。

本作は有名なJ・R・R・トールキンの小説『指輪物語』をベースとしており、中つ国(なかつくに)という架空の世界を舞台に繰り広げられるオープンワールドタイプのダークファンタジーアクションRPGだ。

主人公タリオンは冥王サウロンにより最愛の家族と自分を殺されてしまうのだが、自分だけはかけられた呪いによって死ぬことができない。

絶望と生死の淵を彷徨っていたタリオンだが、謎の幽鬼が現れて手を差し伸べる。幽鬼の力によって蘇ったタリオンは、何もかもを奪い去った敵に対して復讐を誓うのだ。幽鬼の正体は何なのか? そして復讐の果てに待つものとは?

本作は“ゴラム”など指輪物語ではお馴染みのキャラクターが登場し、原作ファンには嬉しい内容となっている。しかし、正直に申し上げると筆者は指輪物語の小説を読んだことがなく、本編の前日譚である映画『ホビット 思いがけない冒険』だけは主演のマーティン・フリーマン目当てでテレビを通して観たが、肝心の本編の映画は未観賞だ。

そんな知識ゼロの自分でもこの『シャドウ・オブ・モルドール』は十分楽しめる。作品単体で見てもストーリーが魅力であり、グッと引き込まれる世界観を持ち合わせているのだ。
それでは、プレイした上での感想を交えながら、本作の魅力についていくつか紹介していこう。

敵の軍勢は単なるモブではない

モルドールではウルクというオークたちが群れを作っており、タリオンを見かけると襲ってくるのだが、彼らには見た目の違いだけでなく性格の違いも備わっており、さらには上司と部下といった上下関係も存在している。ザコの群れには小隊長が存在し、その上には冥王サウロン直属の「サウロンの黒の手」と言われる軍団長が控えているのだ。

小隊長などは固定ではなく、タリオンを倒したザコのウルクが名を挙げて小隊長に昇進することがあり、さらには小隊長同士が武力で争ったり酒の飲み比べをしたりと、タリオンの知らないところで力関係と勢力図に変化が起こったりする。しっかりとした(ように見える)縦社会を形成していながら、気を抜けば下克上に遭うという非常に厳しい弱肉強食の中を生き抜くウルクは、さながら戦国時代の武将たちのよう。

プレイ開始時は操作に慣れておらず、小隊長だったり単なる兵隊だったりするウルクにバッタバッタと倒されてしまい、その度に「おめえ大したことねえなあ!」「また来たのかよ、返り討ちにしてやるよ!」的な罵声を浴びせられつつ、地面に倒れ土をシャリシャリ舐めながらウルクの昇進や勢力拡大する様を見せつけられていた。

最初は悔しい気持ちでいっぱいになっていたが、リトライを繰り返している内に操作が上達しうまく戦えるようになった頃、ふと彼らに対する見方が変わってきたのに気づいた。

アビリティを強化し、ウルクが囲んでいる焚き火の中に矢を射って大爆発を引き起こしたり、カラゴルという四足歩行の狂暴な獣に跨ってウルクを襲ったり、とプレイ内容にバリエーションが出てくると、戦闘にも余裕ができてきてウルクをじっくりと観察することができるようになったのだ。

ある小隊長は火が大嫌い、ある小隊長はカラゴルが大の苦手、Aの小隊長はBの小隊長を敵視していて近くにいると激怒する、といったようにみんな性質や性格が違う。タリオンに遭遇した小隊長は余裕しゃくしゃくで口上を述べるのだが、直後に苦手な焚き火の爆発を見せつけると慌てて逃げ始めたり、カラゴルの入っている檻を壊して放つとこっちに目もくれずに部下を巻き込んで大混乱に陥ったりと、単なる憎らしい敵といっただけではなく妙に人間味のある側面も持ち合わせており、モルドールというバーチャルな世界の中を本当に生きているかのようである。

ちなみに、敵の小隊長の特徴などは“虫”と呼ばれる情報通の敵兵を尋問したり、敵陣地の書類を盗み見ることで詳しく見ることができるので、攻略時にヒントにすることでクリアが容易になる。

物語が進めば、小隊長を洗脳して自分の仲間として連れてほかの群れを襲うことも可能なので、情が移って気に入ったウルクがいたら倒さずに戦友にしてしまうのも面白いプレイスタイルかもしれない。

堂々戦うも良し、静かに暗殺するも良し

軍団、小隊といった群れ単位で行動するウルクたちを相手するタリオンは、剣や弓による直接攻撃はもちろんのこと、小剣を用いた背後からの暗殺といった戦闘に長けている。

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