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NHK出演者に聞く「テレビはこれからどこへ行く?」

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3月21日(土曜日)に、NHKで『日本の、これから “テレビの、これから”』という番組が放送されました。最近話題に上がる「テレビ番組がつまらない」論に始まり、インターネットの急速な浸透や、ライフスタイルの変化に伴うテレビ離れ、偏向報道や次々に露呈する捏造問題……。

テレビはこれからどこへ向かうのか、どうすればいいのか、今の時代に私たちがテレビに求めているものは何なのか? これらの問題を、実際にテレビを制作する側と視聴者側が一同に集まり、164分に渡って議論する。という内容でした。

スタジオの視聴者サイドに当記者の知人が出演していたこともあり、放送終了後に電話をかけ、収録をして思ったことや、放送中に言いたかったけど言えなかったことなどを、出演者自身から直接『生の声』として聞くことができました。以下は都内某所のデニーズでお茶をすすりながら聞いたお話です。それではどうぞ!

インタビューに答えてくれた方 阿部友暁さん
(株式会社ウフルCTO、インターネットラジオ「ねとらじ」の生みの親)

聞き手 エルモ(ガジェット通信記者)

<収録はどうでしたか?>
楽しかったです! ただ、視聴者側、制作者側両方に言えることですが、普段ネットに触れている人とそうでない人で、ネットに対する温度差をかなり感じました。また、こう言ってしまうと身も蓋もないのですが、本気で「テレビのこれから」を考えるのであれば、制作陣営ではなく、もっと上層部の人間が出てこないと「あまり意味がないのでは?」という風にも思いました。

話をしていて、制作者の方々は本当に愛情持って番組を作っているんだな。と思いましたが、実際に「これからのテレビの方向性をどうするか?」といった事までは権限が及ばないように思います。また、「日本人は、議論慣れしていない」と良くいいますが、議論する番組なのになかなか議論にならなかったり、話の途中で全然関係ない話題にずれてしまったりするのが少し残念でした。でも、制作サイドと視聴者が一同に集まり話し合うという貴重な場に参加できたことは、とても良い体験になりました。

<テレビって、本当に面白くなくなったって思う?>
そういう風には思わないです。視聴者サイドで「お笑い番組がつまらない!」とか言ってる人もいましたが、実際にクオリティが落ちているのかというと、「面白い」、「つまらない」は個々人の好みの問題だってあると思います。『ニコニコ動画』や『Youtube』など、最近は一般人が手軽にテレビの真似事をできるようになってきましたが、そういうものが増えれば増えるほど、「あぁ、やっぱりテレビってすごいし面白いな」って思います。限られた時間枠できちんとした内容を見せる。カメラワークや構成、セット一つにしたって素人のそれとは全然違います。さすがプロだなと。

『ニコニコ生放送』とか見ていても、自分の知り合いがグダグダと馴れ合いでやっているのを観るのは楽しいですが、じゃぁ全然知らない他人のをみて楽しいか? というと別に楽しくない。テレビはそういう “魅せるノウハウ” をいっぱいもっているのだから、ネットを敵対視するのではなく、表現手段を広げるツールとして見ればいいのになと思います。ネットを上手く利用して、面白い番組を広める出会いのチャンスを作り出して欲しいです。

<制作者サイドはオンデマンド配信について否定的だったよね>
これには僕もびっくりしました。結構みんな「自分達は面白いものを作れればいいんだ」とか「視聴率だってそんなに気にしない。“面白いものを作ってやる” と思って作った結果、沢山の人が見てくれただけ」なんて言っているのに、観方に対しては何かこだわりがあるようです。「お茶の間で集まって、みんなで観て欲しい!」も分からなくはないですが、この核家族化が進むご時世、それだけじゃないだろう。という風にも思います。番組でも言ってましたが、その時間に観たくても観れない人や、そもそも自分の住んでいる地域にその番組が放映されていないということだってあるわけですし。

僕も大好きな北海道ローカル番組の『水曜どうでしょう』は、口コミやネットで急激に全国的に有名になったのですが、これに対して藤村D(北海道テレビプロデューサー 『水曜どうでしょう』ドラマ『歓喜の歌』など)は、今日お話を聞いたりした限りでは「テレビの前に集まってもらうくらいの番組作ってこそテレビマンだ」という感じで、あまりネットよりの立場ではなかったようで。「純粋に良いものを作るんだ」というテレビマンとしての職人気質ゆえのことかもしれませんが、少し残念な感じがしました。そのクリエイティブ根性と社会のライフスタイルの変化は別物だと思うんです。

“テレビで観る” と “オンデマンドで観る” って、音楽をレコードで聴くか、CDで聴くかの違いと変わらないんじゃないか。って思います。レコード盤特有の少しノイズの入った音がいいという人がいれば、CDのクリアな音質が好きという人もいて、どちらも良いところがあるし、逆にどちらが悪いという事ではない。ネットは単に手段にすぎないのに、毛嫌いをしているばかりだとそのうち視聴者から見放されてしまうと思います。

<休憩中ってどんな感じだったの?>
制作サイドの人たちは、黙っている人が多かったですし、休憩になるとすぐに奥に引っ込んで行ってしまいました。話しかけるとかは、しにくい雰囲気でした。 話しかけるとかは、しにくい雰囲気でした。 ひょっとしたら単に緊張していたのかもしれないですが。夏野さん(株式会社ドワンゴ取締役、慶應義塾大学教授)は「こんなんだからテレビ業界はダメなんだ よ!」とか、視聴者サイドの人達にめちゃめちゃ話しかけていました。もっとみんなが活発に意見を言う気になるように発破(はっぱ)をかけていたのかな。

<「こういう話をもっとしたかった」というのがあればどうぞ>
番組の後半で、米国でのインターネットテレビの話などが出てきましたが、それに絡めてオンデマンド配信の話をしている途中に、司会の方が「話が専門的な方向になってしまったので……」と話題をやわらかい方向に変えてしまいまったのが残念でした。僕としてはもっと掘り下げてほしかったし、その辺の話を「日本のテレビ業界の人達がどのように捉えているのか?」と言うところをもっと聞きたかったです。

夏野さんとも話したんですが、「もっと世代交代するべきだよね」って思うんです。上の人が年配の方ばっかりで考え方が古いままで止まっている。民放連の人(広瀬道貞 民放連会長)が、2002年に『トレソーラ』というオンデマンド事業をやったけど赤字だった。とか言ってますが、やり方や広め方の問題もあるのでは? そもそもそういうものがあった。という事を知っている視聴者がどの位いるのか? アメリカでインターネットテレビが急速に広まっているという事例もあるように、そこから学べることや日本でも取り入れられることがあるかもしれない。そういう事を話し合ったほうが良いと思うのに、自分の中の古い考え方だけで完結してしまっている。もっと若い頭も入れるべきですよね。と言う風に思います。夏野さんいわく、「携帯業界もそうなんだよ~!」と、おっしゃっていましたけど(笑)。

<下世話な話ですいません… ギャラとか出るの?>
「出ますよー」と、言いながらガサガサとギャラの入った封筒をあけてくれた。「出演費が8,888円ですね。源泉で888円引かれて、後片道の交通費が190円なので往復で380円。合計で8,380円でした」との事。8,888円とは何とも細かい。きっと源泉を差し引きやすい金額なのだろう。収録時間は約3時間だが、集合が午後の5時だったので、拘束時間は合計5時間半ほど。時給換算すると1,454円程度ということか。しかし、当の阿部さんは「別にこういうのは商売じゃないから気にしないです」とすがすがしい笑顔だった。

<最後に一言! テレビはこれからどうなると思う?>
毛嫌いするだけでなく、もっとネットというものに対して真摯に向き合った方が良いと思います。Walkman が iPod に取って代わられたみたいに、何かきっかけがあれば一気に時代においていかれちゃう可能性もあるのだから。

~話を終えて~
インタビュー中にも出てきたが、ネットでの表現手段がテレビに近づきつつある昨今、今あらためてテレビの面白さやクオリティの高さを再認識する機会も多い。ネットもテレビも、所詮は『タダの箱』にすぎない。境界線を引かず、敵対視することもなく、便利なツールのひとつとして、お互いに足りない部分を補完しあって良い関係が作れれば、テレビもネットも、もっと面白くなるのではないだろうか(このニュースの元記事はこちら)。
 
 
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