【大成の道・志高く】漫画界で成功を収めた漫画家が家族愛を語るインタビュー(前編)
さまざまな漫画雑誌やテレビ番組等で活躍している漫画家のピョコタン先生。無類のテレビゲーム好きとして知られているピョコタン先生だが、最近は家族とのコミュニケーションを深めるため、できるだけ両親や兄弟と連絡をとるようにしているという。今回は、そんなピョコタン先生に「家族愛」をテーマとしてインタビューをしてみた。
<妹とは今もよく交流している>
記者 10代で漫画を雑誌に掲載してデビューし、漫画家として成功を収めたピョコタン先生ですが、ご兄弟も鼻が高いのではないでしょうか?
ピョコタン うーん、どうだろうね。でも尊敬はされていると思うよ。
記者 国民的な漫画家ですからそりゃ尊敬されるでしょうね。ご兄弟は何人おられるのですか?
ピョコタン 弟が一人と妹が二人いるよ。特に妹二人はよく連絡が来るよ。妹は二人とも結婚して子どももいるよ。
記者 やはりピョコタン先生は家族の中でも人気者なんですね。
ピョコタン まあね。
記者 どんな会話をするのですか?
ピョコタン 妹がよく話してくるのは「子どもに服が少ないから買って送ってほしい」とかかな。
記者 ピョコタン先生が買ってあげるのですか?
ピョコタン うん。メールで通販サイトのURLと商品名送られてくるから、それカードで買って配送先を妹にするの。
<両親にも頼りにされる先生>
記者 ご両親とは一緒に暮らしているのですか?
ピョコタン いや、いまは離れて暮らしているよ。僕は東京の西日暮里。両親は千葉県。
記者 ご両親とは良く会うのでしょうか?
ピョコタン あまり会わないけど、電話はよくくるよ。
記者 どんな会話をするのですか?
ピョコタン 「家を増築するからお金出してほしい」とか「相撲の観戦チケットが欲しい」とかかな。
記者 なるほど。両親にも兄弟にも必要とされているわけですね。
<弟との信頼関係を築く兄弟愛>
ピョコタン でも、僕は漫画家として売れたから尊敬されているわけじゃないんだよ。
記者 といいますと?
ピョコタン 子どもの頃から、兄弟とのコミュニケーションはちゃんとしてきたからね。弟も妹も僕の言う事はなんでも聞くんだ。
記者 どんなコミュニケーションをとってきたら、そうなったのでしょうか?
ピョコタン これは小学生のときだけど、弟にガムを買ってくるように言うと、お金渡せばガムを買ってきてくれたのね。でも、そのうち「面倒くさい」って気持ちが弟に出てくるじゃん?
記者 はい。
ピョコタン そこで僕は弟に対してこうしたんだ。10、9、8、7、6……って、秒読みをしたのよ。するとね、弟はなぜかわからないけど10秒以内にガムを買いに行かないといけないって思うようになったんだよね。
記者 秒読みをしたら弟さんはガムを買いにいったんですか?
ピョコタン そう。10秒数えたって何もないのに、秒読みするとなぜかあせってガムを買いにいくようになったの。
記者 そういうコミュニケーションをとって兄弟から尊敬されるようになったのですね。
<物事の付加価値を教える>
ピョコタン よくわかんないけど、秒読みはけっこう効果的だったね。ほかにも弟にはいろんな事を教えてあげたよ。
記者 たとえば?
ピョコタン 僕の歯が抜けたのね。だから「これは貴重なものだよ」って弟に話して50円で売ってあげたことがあったよ。
記者 それは何を教えた事になるのですか?
ピョコタン 付加価値ね。どんなものでも付加価値をつけると高額になる。ただの鉛筆でもアイドルが使った鉛筆なら何倍もの値段になるでしょ?
記者 でもピョコタン先生は当時はただの子どもじゃないですか。付加価値はどこにあるんですか?
ピョコタン 価値があるかどうかは相手が決めるんだよ。弟は僕の歯を50円の価値があると思ったわけだね。弟が自分で考えて自分で価値を認めて買ったんだ。弟は自分自身で責任ある判断をしたんだよ。
記者 当時の弟さんって何歳ですか?
ピョコタン 5歳かな。
記者 ……なるほど。
ピョコタン 兄として色々と弟には教えてきたからね。
記者 そんな弟さんとは最近どんな会話をしているのですか?
ピョコタン 弟とはあまり話さないな。
記者 どうしてです?
ピョコタン わかんないよそんなの。僕だけ連絡取れないんだ。
→ 後編へ続く
<プロフィール>
ピョコタンは日本の漫画家。1977年11月18生まれ。東京・西日暮里で生まれ、西日暮里で育ち、現在も西日暮里在住。趣味はゲームとポーカー。特にポーカーは海外の大会に出場できるほどの実力を持つ。漫画雑誌『コロコロコミック』の投稿コーナーにハガキを出した事で小学館の編集者の目にとまり、漫画家の世界に入る。フジテレビやテレビ東京の番組などのキャラクターデザインをするなど、活躍の場を広める。現在は『ゲームラボ』で漫画を連載中。公式サイトは『ピョコタンのクサいページ(仮)』。また、隔週木曜日『ニコニコ生放送』ガジェット通信チャンネルにて番組にも出演中。
写真撮影: ガジェット通信編集部記者
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