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IT企業を外から見ると(メカAG)

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

IT企業を外から見ると(メカAG)

ふと思ったのだけど、IT企業って外から見るとどう見えてるのだろうか。渦中にいる人間には当たり前のことでも、門外漢の人たちから見ると「よくわからない」産業は少なくない。俺も他の産業のことはよくわからない。

たとえば「ソフトウェア開発会社」と一言で言っても、中は広大だ。どれくらい広大かというと、数人で描いているマンガとハリウッドの超大作映画を一括りに「コンテンツ製作会社」と呼ぶぐらい内部はさまざまなジャンルに分かれている。

まあでもみんなコンピュータに向かってパコパコキーボードを叩いてよくわからない「プログラム」というものを入力しているから、「ソフトウェア開発会社」となってしまう。

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実際GoogleやMicrosoftなど世界規模の企業もあれば、数名でやっている企業もある。質より量とばかり人海戦術の得意な企業もあれば、ほとんど個人の技術力だのみのベンチャーもある。

どれが良いとか優れているというものではないと思うんだよね。木造の一軒家を建てる大工さんも必要だし、青函トンネルや瀬戸大橋を作る企業も必要。マンガ家も必要だし大作映画を作る会社も必要。

当然仕事のやり方も違う。1人や数名で作るマンガと何百人もの人が参加して作る映画は、そのための手順も組織も違う。マンガ家100人が寄り合い所帯的に集まってるのが映画制作会社ではない。100人のマンガ家がそれぞれ100個の独立した作品を作るのが映画制作会社ではない。100人がそれぞれ分業して1つの作品をつくるのが映画制作会社。

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ところがソフトウェア開発となると、なんか全部一括りになって、門外漢の人たちが「あの会社のやり方をみんな見習え」とかいう。マンガを描くやり方でアニメが作れるとは思えないのだが。

それに利益だってそれぞれの仕事で違いが出るのはあたりまえだと思うんだよね。それを全体の売上を単純に作業者の人数で割って、たとえばマンガは生産性が高い。アニメ制作は生産性が低い。アニメを作ってる人は怠けているとかいったらおかしい。

でもなんかソフトウェア開発だとそれほど違和感がないらしい。あの会社は数名で大きな売上を上げている。こっちの会社は大勢抱えてるけどほとんど儲かっていない。なんであの会社を見習わないのか、と。

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ネットで偉そうに仕事について語っている人って矛盾してると思うんだよね。自分にあった仕事をしましょうといいながら、大企業を批判する場合は、その生産性の低さを槍玉に挙げる。

生産性というのは人数や労働時間あたりの売上だから、産業ごとに違うのは当たり前。表面的な生産性を上げるなら、高く売れるものを集中して作ればいい。でも産業ってそういうものなんですかね。儲けが少ない仕事だからといってやる人がいなくなったら、いろいろ困ると思うのだが。

生産性という言葉がなんかイメージ的に作業者がいかに効率よく勤勉に働いているか?を示す値だと思い込んでいる人が少なくない。でも売上を作業者・作業時間で割った値なのだから、いかに効率よく金儲けできているか?を示す値でしかない。

効率良く儲けるには、儲けが少ない製品は切り捨てて高く売れる製品に集中すればいい。逆に作業者の勤勉さを数値で表したいなら、同じジャンル、同じ品質の製品を作ってる企業同士を比較しなければならない。

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「俺は効率よく金儲けをする企業に入りたいんだ。だから生産性は大事なんだ」というのは構わない。しかし生産性の高低であたかもその企業の作業者の勤勉さや仕事への意識云々いうのは、おかしいという話。

マンガを描くのが好きな人もいればアニメを作るのが好きな人もいるだろうし、好きとか嫌いとかではなく、成り行きでそういう職業に付いている人もいるだろう。それはその人の人生の話であって、それを単純にマンガとアニメを売上を作業者の人数で割って生産性を比較して、どっちの作業者が勤勉かとかいうのが、どれほど無意味なことか。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年09月22日時点のものです。

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