だらだら残業する職場(メカAG)
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
だらだら残業する職場(メカAG)
「日本の社会人仕事しなさすぎwwww」 『はてな匿名ダイアリー』
http://anond.hatelabo.jp/20140606232454
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まあ、そういう職場もあるよね。職場全体的にダラダラだと基準がないから、こんなもんだという感覚になってしまう。まるで平和ボケした日本人のような、いやまあ話がそれるからやめておこう。
あるプロジェクトで、俺達は一部を担当してて、別なチームがメインの部分を担当してた。ところがなんかメインのチーム反応が鈍い。問い合わせてもなかなか答えが返ってこないし、返ってきた答えもなんか要領を得ないし…。
でプロジェクトが炎上してしまい、どういう経緯かわからないのだが、俺達のチームがメインの部分も担当することになった。とはいえいままでのチームの人がいなければ、現状もわからないし、そもそも何をやっていいのかもわからない。
なので最初はいままでのチームの手伝いということで参加した。それでスケジュールを立て直せるなら一番いい。でもたぶんそんなことは無理だと最初から分かってたのだろう。
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ある程度プロジェクトの現状を把握した段階で、主導権を俺たちのチームが奪った…。ドラマとかだと痛快なんだろうけど、現実は全然楽しくない。だって彼らがこれまで彼らなりに一生懸命やってきたことを、横から現れた俺達が否定していくわけで、逆の立場だったら…と思うと辛いよね。
旧チームは俺たちに協力的な人間は、俺達の指揮の下に継続して開発に参加させ、そうでない人たち、つまり非協力的な人たちは、雑用に追いやった。非協力的になるのも仕方ないと思う。個人的には同情するが、どうしようもない。時間もなかった。
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彼らはあまり技術的に優秀でなかったのは事実だが、だからといってきちんと指揮をするリーダーがいれば、ここまで悲惨なことにはならなかったと思う。彼らの能力がイマイチだったとしても、それに合わせたスケジュールを立てればいいわけで。
そうできなかった時点で、なにかその職場でもいろいろ社内的に何かあったのかな、と。プロジェクトが炎上してるのに、ダラダラと作業していた。ただここまで悲惨だと、ちょっとぐらいがむしゃらにやったところで、誤差の範囲にしかならないことが分かってたからかもしれない。長期戦を覚悟して持続できるペースで走り続けるしかない、と。
そうだとすると俺達が現れたのは彼らにとって計算外だったのかもしれない。ただいずれにしろ彼らだけでは完成しなかっただろうけどね。
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なんとか立て直したあと、旧チームに再び残作業を引き継いだのだが、何人かの人たちは「こんな風に進めていけばいいんだ」と感覚がつかめたようだった。そして何人かの人たちは会社を辞めた。まあ、そうなるよね。荒療治過ぎた。
旧チームも俺たちに協力してくれさえすれば、勝利を共有できた。彼らに花を持たせてもよかった。でもプライド的にどうしても受け入れられないというのも理解できる。
上手く機能していない職場があったとして、個人の問題にするのは適切ではない。外野から非難したところで変わるわけではなく、その中に飛び込んで自分も満身創痍になりながら変えていくしかない。またそれすらいろいろな条件が整わないとできない。
上記の例なら、旧チームから実質的な主導権を奪えるだけの権限を与えられてたからであって、単に技術力や個人の能力でできるものではないだろう。逆に言えば俺たち以前にもチャレンジした人間はいたのかもしれない。しかし会社の上層部の理解が十分な得られなく敗退したのかもしれない。俺達にそれが許されたのは幸か不幸か、もう後がなかったから。
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プロジェクトの立て直しなら技術力でできるんだよね。でも職場そのものの立て直しは、そういう他の要素が揃わないとできないし、上手くいったところであまり楽しくない。外野から「あいつらなにサボってんだ」とか文句をいうのは楽しいんだけどね。
何度か書いているけれど、スティーブ・ジョブズが不在のAppleもこんな感じだったのではなかろうか。あの頃のAppleは当時もう限界だったMacintoshのOS、System7をどうするかで右往左往してた。
技術者は優秀だったのでいろいろ研究開発はしていたようだが、製品としてまとめる人間がいなかったので、せっかくのソフトウェアが世に出ず、当然開発者も面白くなく、どんどん優秀な技術者がAppleを去っていったような。愛する自分たちの会社が迷走するのを見ていられず、Appleを何とか救うために一生懸命作ったソフトウェアが、結局上層部から粗雑な扱いで捨て置かれれば、「もうこんな会社に未練はない」と、嫌気が差すよね。
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結局技術者レベルではいくら優秀でもどうにもならず、ジョブズが帰還してAppleの組織に大鉈をふるうまで迷走は続いた。BeOSとかCHRPとか、Pipin@とか、Coplandとか、Pinkとか、何をやってるのか、何をやりたいのか、外からはまったくわからなかった。技術力と人材の無駄使い。でもそれは内部にいた人間も同じだったのだろう。いや外部の人間よりもずっと悲壮だったのだろう。Apple製品に憧れて入った会社がそんな状態になると悲惨だよね。
まあ、ようするに会社が迷走している時、(現場の人間であれ経営陣であれ)個人を非難してもどうにもならない。辞めさせたり退陣させることはできるだろうけど、それで問題が解決するわけじゃない。あの頃のAppleは何人CEOが変わっただろう。スカリー、スピンドラー、アメリオ、彼らも無能では怠慢でもなかったはず。改革しようとしてもにっちもさっちも行かない…まるでソ連のゴルバチョフ改革を見ているようだった。
Appleですらそうだったのだから、この手の職場の機能不全は、なにも日本企業固有の問題ではないし、無能なオッサンのせいでもない。
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ところで元記事の著者は、自分がなぜそういう職場に配属されたのか考えてみた方がいいんじゃね。まあ、2年目というのだから、この職場はずっとこんな感じなのだろう。一部分だけの話をふくらませて書いてるのでなければ、転職した方がいいだろうね。
思考が「定時で帰る」方に向いてるのが気になるけどね。有益な仕事をしたいなら、山ほど与えられた仕事をどんどんこなしていけばいいんじゃないの?新人だと思って手加減して仕事を与えてたら、さっさと定時で帰ろうとするなら、「ならば手加減する必要なし」と判断されると思うけどね。倍ぐらいこなしてみて、それが評価にどう反映されるかだね。まあ、でもいまからそんな実験する気もないというなら、辞めるのもいい選択だと思うよ。
ようは会社で仕事をする以上、仕事のやり方やペースはその職場の流儀に合わせるべきだし、それが自分に合わないなら、さっさと転職すべき。
執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月13日時点のものです。
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