「ネットせどり」が副業として注目されている理由

「ネットせどり」が副業として注目されている理由
 インターネットが登場してから、普段あまり時間のない会社員や主婦の人たちも気軽に副業ができるようになった。「もう少し収入があれば…」の、「もう少し」だけでも副業で稼ぐことができれば、家計も大いに楽になるはずだ。

 今、注目を集めている副業が「ネットせどり」だ。「ネットせどり」とは、CD・DVD・家電などの商品をネットショップやオークションサイトで仕入れて、それ以上の値段でアマゾンやヤフオク!などで販売し、その売買の価格差を稼ぐビジネスのこと。
 今回、新刊JPは新刊『月10万円ラクに稼げる「ネットせどり」入門』(日本実業出版社/刊)を著した浅井輝智朗さんにお話をうかがい、「ネットせどり」の特徴や初心者がはまりやすい落とし穴について聞いてきた。その前編をお送りする。

 ◇    ◇    ◇

――まず、浅井さんが「ネットせどり」に注目された理由、始めた理由を教えてください。

浅井:もともとせどりを始めたのは、小学6年生でした。当時はインターネットがない時代でしたので、実店舗で仕入れをして実店舗で販売をしていました。2000年を過ぎたころからインターネットが本格的に広がりはじめ、ヤフオク!(当時のヤフーオークション)の人気に火が付きました。そこで、何を出しても売れていく状況を体験し、これは面白いと感じ、はまっていきました。
「せどり」は安く買って高く売ることでその差益を得るビジネスです。サラリーマンが副業として稼ぐには、今までスキマ時間に店舗に回っていたままでは、大きく稼ぐことができませんでした。そうした「アナログな方法」ではなく、もっと効率的にパソコン1台あれば効率的にできるデジタルなビジネス「ネットせどり」に魅了されました。

――本書ではAmazonとヤフオク!での「ネットせどり」の方法が書かれていますが、この2つをピックアップした理由は?

浅井:最大の理由としては、他の追随を許さない「集客力」があるからです。 例えば、実店舗を出店するときには、お客さんがたくさん通る場所に出すことが大事です。極端な話ですが、いくら家賃が安くても、無人島で商売をしていたら稼げないのはイメージできますよね。
そのお客さんがたくさん通る場所がAmazonでありヤフオク!です。Amazonやヤフオク!には、一般の人では獲得できない「圧倒的な集客力」があります。売れたときには手数料がかかりますが、固定費がほとんどかからないので、リアルで商売するよりもリスクが限りなく低いと言えます。
さらに、Amazonに関して言うと、「FBA」というシステムがあることもピックアップした理由です。「フルフィルメント by Amazon」の略なのですが、このシステムを使えば、注文処理・ピッキング・梱包・出荷をすべてAmazonが代わりに対応してくれます。忙しいサラリーマンでも主婦の方でも、これを使うことで圧倒的に効率よく物販ができます。

――他にも「ネットせどり」ができるサービスはどんなところがありますか?

浅井:オークションサイトなら、モバオクや、楽天オークションなどで仕入れ販売してもよいでしょう。モバオクは、携帯を普段よく使う人が利用するオークションサイトなので、若者が多く、家電などよりもファッション系が人気だったりします。
価格差があれば、どこから仕入れてどこで販売するかは決まっていません。本書でも多くのネットショップからの仕入れの方法などもご紹介しています。

――浅井さんは今でもサラリーマンを続けながら副業として「ネットせどり」を続けているそうですが、なぜ「ネットせどり」一本にしぼらないのですか?

浅井:よく聞かれる質問の1つですが、私は複数の収入源がある生活こそ安定性があるという考えを持っています。サラリーマンとしての給料と、副業としての給料2つの収入源を持つことで安定性を保っています。
将来的には、いわゆる脱サラをして、自分のビジネス1本に絞りたいという考えもありますが、現状は副業として続けています。

――また月100万円を稼ぐときもあるそうですが、「ネットせどり」だけでも生活できるくらいの収益を得られるようになったのは、始めてからいつ頃のことでしたか?

浅井:月100万円を稼げるようになったのは、ここ数年の話です。生活できるレベルでしたら、10年近く前から稼ぐことはできています。

――初心者がはまってしまう落とし穴はなんですか?

浅井:やはりネットだから「楽に稼げる」と思ってしまうことでしょう。より正しく表現するとすれば「慣れてくれば、楽に稼げる」というものです。
初心者がネットせどりを行なうときに、いくつか超えないといけない壁があります。アカウントの作成一つでも、多くの方は面倒だと感じるのではないでしょうか? ただ多くのビジネスは、相手が面倒だと思うことをすることによって、利益を生み出しています。ネットビジネスも商売ですから、それなりの覚悟をもってチャレンジすれば結果が出ると思います。「数日やってみましたが、稼げませんでした」という人がたまにいるのですが、数か月は試してみてほしいですね。

――カスタマーからのクレームが来ることはありますか? もし来るとすればどのようなクレームがありますか?

浅井:お客様からのクレームとしては、自分が欲しいと思っていた商品と違うものが来た、届いたものが破損していたなどの場合に、クレームにはつながります。梱包を雑にしてしまったり、代金をいただいてから発送するまでが遅いなどの場合にも、トラブルになることがあります。
一般的なレベルの対応ができれば大きなトラブルになることはないでしょう。金銭のやりとりについては、Amazonがやってくれるので、基本的にはトラブルはありません。
作業での、やってしまいがちなミスとしては、単純なものですが仕入れた店の値札シールが貼っている場合があります。その際に、シールを剥がし忘れると仕入れ値が購入者の知るところとなり、トラブルになることもあります。

(後編へ続く)



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