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努力だけで評価されるという都市伝説(メカAG)

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

努力だけで評価されるという都市伝説(メカAG)

「努力だけしかできない人はチームに必要ない」2011年04月09日『サイボウズ式』
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/?p=15495

言っちゃなんだけど、話を作ってると思うよ?まず「友人から聞いた話」というのが、いかにも都市伝説っぽい。まあ、なんらかの原型はあるだろう。実際にそういう話を聞いたのだろう。でもそういう話というのは、うわさ話と同様に尾ひれがついていくものだ。

まず「努力が空回りする」タイプの人というのは別に珍しくない。そこら中にいる。本人は一生懸命やってるんだけど、内容がイマイチ。

当然そういう人には、仕事のやり方を細かく指導するのだが、飲み込みが悪い。いくら一生懸命指導してもなかなか成果が上がらない。永久に成果が上がらない人だって珍しくない。そういう人はそういう人として仕事を割り振りするしかないし、あるいは別な部署の仕事をさせてみるというのもあるだろう。あるいは辞めていく。

んで、指導する側にもぼやきは出る。「なんであいつ俺がこんなに一生懸命教えてやってるのにダメなままなんだ」と。特に新米のリーダーはなまじ頑張って四苦八苦する。つまりリーダー自身が努力で消耗していまう(笑)。その辺のさじ加減まで覚えるのが一人前のリーダーへの道。

   *   *   *

さてそういう友人が記事の著者に、愚痴を言ったとする。著者は当然「なんでもっと厳しく指導しないんだ?」と突っ込むだろう。これに友人はどう返答するか?「指導の成果が上がってない」という話をいままさにしたわけで、このままでは自分の指導の能力が足りないことになってしまう。

それも癪に障るので、なんらかの自己正当化の理由を探してくる。それが「彼は周囲のウケがいいから、厳しく指導できないんだ」という理由。つまり自分の指導力不足のためじゃないんだよ、と。

あるいは「なんでそんな無能な人間が首にならないのか?」と尋ねるかもしれない。実際に首にならない理由は特にとりたててないのだけど、友人としては問われている以上は、何かしら理由を見つけなければならない。そこで「なにもしらない上司には受けがいいんだよ」となる。

残業している人間がいれば、通りがかりの偉い人達は「○○くんはいつも頑張ってるね」ぐらいはいうものだ。でもそれは挨拶程度の意味しかなく、評価ではない。リーダーにだって「おまえのところの○○は頑張ってるじゃないか」というだろう。それは間接的にリーダーを褒めているのであって、これも単なる社交辞令。

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別なパターンもあるだろう。部下Aがリーダーに「部下Bは無能なのになんで首にしないんですか、自分と同じ給料もらってるなんて我慢できません!」とか言ったとする。でもリーダーとして「まったくお前の言うとおり部下Bは無能で困ったものだ」とはいえない。そんなことを言ったことがさらに上の上司の耳に入ったら、リーダーとしての資質を問われてしまう。部下B本人の耳に入っても困るし。

なのでリーダーとしては、部下Bの擁護をしなければならない。んで能力が低いのは擁護のしようがないから、「まあ、部下Bも一生懸命頑張ってるし、すこし長い目で見ておまえもあいつを助けてやってくれ」とか言うしかないじゃん(苦笑)。でもそれは部下Bの能力を評価しているわけではない。

だいたいそんなことを言い出すような部下Aに、その主張を追認してしまったら、次に言うのは「だったら俺の給料を上げてください、じゃなければ部下Bの給料を下げてください」とかだろう。そんなこと聞けるわけないし、そこまでいかなくてもリーダーのお墨付きを得たことで、部下Aはその後なにかと部下Bに大きな態度をとるようになるだろう。それが仕事にいい影響を与えるわけないし。

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でもこの話を聞いた著者は「まさに我が意を得たり!」とばかり、自分の都合のいい方向にさらに話を膨らませて、「成果ではなく努力してる姿勢だけを見て評価する会社が多いのだ」と嬉々としてブログを書くわけだ(苦笑)。

そもそもその無能な部下のためにチームの人間が残業することになる云々の下りは、無能な部下が残業しようがしまいが、同じだろう。無能な部下がめいっぱい残業して使いものにならない資料を作っても、さぼりまくって毎日定時に帰って同じく使いものにならない資料を作っても、結局その資料を代わりに作るために残業をしなければならないのは同じこと。

どこにでもあるような話を、友人が自分に都合よい部分だけをしゃべり、聞いた著者がこれまた自分に都合のいい方向に強調してできあがったのがこの記事。そう思うけどねぇ。

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無能な人間がなぜ首にならないか?まあ簡単に首にできないからだけど、仮に簡単に首にできたとしても、首にしないだろう。能力の低い人間にも、それなりに適した仕事はあるものだ。努力家おおいに結構。どんな会社にもあまり面白くないルーチンワーク的な作業はあるわけで、そういうのを割り当てれば、有効活用できる。

友人も最初からそう割り切って仕事を割り振ればいいのだが、まあ友人はまだ若くて情熱的で、そこまでサバサバできないのだろう。友人は有能な人間なのだろう。だからせっかく同じ会社に入った部下を、できれば自分と同じ有能な人材に育てたい!と一生懸命なのだろう。それもまたよし。

執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年06月02日時点のものです。

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