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昔の日本は良かったか

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

昔の日本は良かったか

もはやこういう言説で人は動かないんだってば…。/瀬戸内寂聴氏「隣りの人が困っていても知らん顔、自分の家さえよければいいと思っている。昔の日本人はそうじゃなかったのよ」/90年の人生で、今の日本がいちばんひどい 真のリベラルを探して

「90年の人生で、今の日本がいちばんひどい」 2014年03月24日 『東洋経済オンライン』
http://toyokeizai.net/articles/-/33286

「佐々木俊尚@sasakitoshinao」 2014年03月23日 『Twitter』
http://twitter.com/sasakitoshinao/status/447970378384941056

一面は真実だと思うのだよね。つまり昔は行政の一律にサービスが発達してなかったから、庶民同士のつながりに頼っていた。そしてそれは仲の良い人と悪い人でものすごい落差があった。

だから仲の良い人同士について語れば「みんなで助けあっていた」となるし、逆なら「すごい排他的な社会だった」となる。だから今の感覚だと異常なほど近所付き合いを重視したし、他人の目を恐れた。

人間の暖かさと残酷さが同居していた時代。そういう社会を幸せな社会と考えるか否かはまた別な話。いまはそういう人間同士のつながりに頼らなくても行政がやってくれるので、暖かさも残酷さも薄まった。

もちろん俺は体験してないけど、子供の頃に祖母が話してくれたことをつなぎ合わせると、こうなる。

   *   *   *

最近の佐々木俊尚はなんか歴史にやたらこだわっている。「一般にこう言われている歴史は実は違う」と。まあ、歴史の一面を都合のいいように取り出して、自分に都合のいい政治的主張の根拠にする人たちに対向するという意味で、そういうのも必要なのだろうけど、なんか俺には佐々木俊尚自身がミイラ取りがミイラになりかけているようにみえてしまうんだよな…。

行政の仕組みがなぜ複雑かといえば、不公平さをなくすことに手間をかけているからだ。地域の小規模なコミュニティはそんなものにコストをかけられないから、どうしても声の大きな人間が仕切ることになる。

それ自体が悪いと決まったものではないと思う。やっぱ自分が仕切っているという自負があれば、その地域のことを考えるだろう。むかしの大名だって自分の領民が不幸になることを望みはしないだろう。

   *   *   *

でもどうしてもいろんなしがらみから不公平にはなるよね。その意味で俺は地域のコミュニティとかNPOとか、小規模な組織が社会的役割を果たすことに否定的だ。温かい人間関係は同時に残酷さも備えている。人間とはそういうものなのだから仕方ない。人間が人間的であろうとすればするほどこのジレンマにハマる。非人間的で無味乾燥で杓子定規で細かなところに融通の効かないな行政サービスが一番健全。

佐々木俊尚は俺とは逆に小規模なコミュニティの活動を肯定している。それはいいんだけど、それだと上記のような欠点が解決できない。それに対する八つ当たりの心が、戦前賛美批判に向かってるのではなかろうか。近親憎悪というか。

生きるのに重要なインフラ部分は、やっぱ非人間的なものでないとダメだと思うんだよね。生きるのにさほど重要でない部分、文化的なものや趣味は逆に人間性が重視されていい。非人間的な社会インフラがあればこそ、そのうえで安心して人間性を満喫できる。

衣食足りて礼節を知るというように、もし現代社会の人々が昔の社会の人々よりも進化しているように見えるなら、それは人間そのものの変化ではなく、豊かさによるものだ。人間の本質は変わらない。もし人間の精神を神に近づけたいなら、ひたすら社会を物質的に豊かにするしかない。物質的豊かさこそが精神的豊かさを実現してくれる。人間が歴史から学ぶ物があるとすれば、それは「人間は(良くも悪くも)変わらない」という点。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年04月02日時点のものです。

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記者:

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