地震直後に製油所で発生した『フレアスタック』って? 巨大な炎を爆発と勘違いする人も
14日午前2時頃に伊予灘で発生したマグニチュード6.1の地震は、大地震の頻度が低かった中国地方でも、最大震度5弱の揺れを観測した。
この地震の直後、山口県周南市にある出光興産の徳山製油所からは大きな炎が立ち上った。激しい燃焼音も伴ったらしく、『Twitter』ではインパクトのある炎の写真とともに「石油工場が爆発」「出光大炎上」といったデマが拡散した。
結局、この大きな炎は、プラントを緊急停止した時に発生した余剰ガスを燃やしてできた『フレアスタック』だと判明した。
製油所では、製造の過程でさまざまな可燃性ガスが発生する。この余剰ガスをそのまま大気中に放出すると環境汚染につながるので、煙突の先で燃やすことである程度無害化してから放出している。製油所や油田プラントの映像でよく目にする、赤白に塗られた高い煙突の先でチョロチョロと燃えている炎が『フレアスタック』だ。プラントのスタート・停止直後には、製品になれなかった余剰ガスが普段より多く発生するため、『フレアスタック』の炎も大きくなるそうだ。『YouTube』には、高さ30メートルはあろうかという巨大な『フレアスタック』の動画がいくつもアップされている。
深夜に大きな揺れに襲われて動揺が収まらない付近の住民は、工場から立ち上る大きな炎と煙を見て、さぞ恐怖を感じたことだろう。『Twitter』では、不安に駆られた人たちによってデマが一瞬で広められていく様子がありありと見て取れた。『Twitter』はその性質上、情報が検証されないまま拡散しやすいメディアだ。自らデマを拡散してしまうことのないように、大きな事件・事故の直後に『Twitter』で情報収集する際には、細心の注意を払いたい。
画像:『YouTube』より引用
参考動画:東燃ゼネラル石油のフレアスタック
http://www.youtube.com/watch?v=qm-nnTsv80o
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