世界最大のビットコイン取引所『Mt.Gox』が夜逃げ? 会社に押しかけ生中継する人も 「お金返してっ!」
渋谷にある世界最大のビットコイン取引所『Mt.Gox』社がいよいよ倒産の危機を迎えているのかもしれない。
数カ月前から顧客の現金引き出し制限やビットコインの引き出し停止といった異常事態が続いていたMt.Gox社だったが、本日25日の午前11時、1BTC=135ドルを示したままMt.Goxの全取引が停止した。ビットコインだけでなく、現金も引き出せない。同社ホームページにアクセスしても画面が真っ白な状態になり、ツイッターアカウント(@MtGox)もこれまでのツイートを全削除。現在までその状況は続いている。
さらに、ネット上に出回っている「Crisis Strategy Draft」(危機戦略案)と題した出処の不明なファイルの存在も、ユーザーの不安感を加速させている。
PDF形式の英文で書かれたこのファイルにはMt.Gox社のロゴが入っていて、Mt.Gox社内部から流出したようにも見えるものとなっている。そこには「数年間に渡る攻撃で、744408BTCが奪われた」「いつ倒産してもおかしくない状況」「バランスの取れていないバランスシート」「MT.GoxはGoxになる」といった衝撃的な内容が記されている。
これが本当にMt.Gox社から流出したものなのかどうかは不明だが、再建計画に「2月25日に取引サーバーを停止する」と書かれていて実際その通りになったため、ビットコインコミュニティの間では信憑性は高いと考えられているようだ。
計画によるとその後、借り入れ・寄付や自己売買で50%のコインを補填し、4月1日から(シンガポールかどこかで)新しいチームとCEOによる新体制で再開することになっている。しかし、本当に再建するつもりなら、なぜ連絡のつかない“夜逃げ”状態にする必要があるのかという疑問が湧く。
ビットコインのサービスを提供する関連各社は共同で、「一連の騒動はMt.Goxの問題であり、ビットコイン自体の価値は揺るぎない」とする声明を出したが、その他の取引所でもビットコインは大きく値を下げている。また、ビットコインから派生した仮想通貨もほぼすべてが暴落中だ。ビットコインが今後も存続するのかどうか、関連団体とユーザーの信用が試されている。
20時頃には『ニコニコ生放送』でMt.Gox社が入居する渋谷のビルの前から生中継するニコ生主も現れた。ちなみに、筆者もMt.Goxにビットコインを預けている当事者でもあるので、サポート宛てに説明を求めるメールを送ってみたのだが、メールを受け取った旨の自動返信があっただけで、依然として連絡はつかないでいる。『Google Map』で1時間ほどMt.Gox社が入居している渋谷のビルを見張ってみても、人の出入りしている気配はなかった。俺の預けた0.03BTC返してっ!
※2月26日02:45追記
26日0時頃、Mt.Gox社ホームページのトップに、「最近の報道とMt.Goxの活動が市場へ与える影響を考慮して、サイトとユーザーを保護するために、当分の間、入出金処理を中止した。今後の状況を注視しながら対応する」という一文が表示されるようになった。
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