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チェック義務化の前に…公私のストレスを自分で知る方法

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こんにちは。通常国会が始まりましたね。国会では、厚生労働省が労働安全衛生法の改正案を提出する予定です。これが通過すれば、今後は企業でのストレスチェックが義務化されることになりそうです。

働く人の心の健康を企業側が考えていくのは必要なことだと思いますが、実際の生活では、仕事でも、個人でも、いろいろなストレスがあるのが普通です。人によっては、「疲れているといえば、疲れているかなあ?」とぱっと答えられなかったり、「ほんとはキツイけど、正直に答えづらい」ということもあるかもしれません。

疲れや憂うつ感といった症状を自覚するまでには、ストレスになる出来事がいろいろとあり、体や心の状態につながっているはずです。今回は仕事やプライベートでの出来事から、公私のストレスを眺めてみたいと思います。

仕事のストレスを知る「心理的負荷評価表」

「心理的負荷評価表」とは、厚生労働省の「心理的負荷による精神障害の認定基準について」を図表にまとめたものです。

これには、職場での事故や災害といった重大な出来事から、転勤、勤務時間や仕事内容の変化、異動や昇進、昇格、配置転換といった内容まで、仕事に関するストレスとかかわりの深い出来事が「1(弱)」・「2(中)」・「3(強)」の三段階評価で記されています。数字が大きくなるほど負荷が大きいということになります。

※参照した内容は平成23年12月26日に策定されたものです。

たとえば以下のような項目があります。

心理的な負荷が「1(弱)」のもの

・同僚や部下とのトラブルがあった
・理解してくれていた人の異動があった
・自分の昇格・昇進があった

心理的な負荷が「2(中)」のもの

・セクシュアルハラスメントを受けた
・仕事内容・仕事量の大きな変化があった
・ノルマが達成できなかった
・顧客や取引先からクレームを受けた

心理的な負荷が「3(強)」のもの

・退職を強要された
・会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした
・労働災害(重大な人身事故、重大事故)の発生に直接関与した

実際の感じ方は、個人の受け止め方や仕事内容の状況や程度、どの程度の期間にわたるのか、によっても変わってきますが、仕事での自分にどのような出来事が起こったかを見直すことは、ストレスの把握に役立ちます。

こうしてみると「異動があって、上司が変わって、仕事量も変わったし…確かにストレスが多いな」とか、「自分にとっては、ノルマが達成できないのが本当につらい」など、自分の身に起こったストレスの状態を見つけやすくなると思います。

プライベートのストレスもチェック

また、家庭や友人関係など、プライベートなことでストレスが溜まっていて、仕事にも差し使える、ということもあります。人生や日常生活を大きく変える出来事(ライフイベント)のストレスを数値化し、リスト化したものが「社会再適応評価尺度」というものです。これは1967年にアメリカのトーマス・ホームズとリチャード・レイによって発表されたものですが、現在ではさらに研究が進んでいます。

日本の厚生労働省でも先ほどの基準で『業務以外の心理的負荷評価表』を定めています。仕事と同じく、「1(弱)」・「2(中)」・「3(強)」の三段階評価で記されています。数字が大きくなるほど負荷が大きいということになります。いくつか紹介してみます。

心理的な負荷が「1(弱)」のもの

・自分が妊娠した
・家族が婚約した又はその話が具体化した
・定年退職した

心理的な負荷が「2(中)」のもの

・引越した
・失恋、異性関係のもつれがあった
・自宅に泥棒が入った
・収入が減少した

心理的な負荷が「3(強)」のもの

・離婚又は夫婦が別居した
・自分が重い病気やケガをした又は流産した
・配偶者や子供、親又は兄弟が死亡した
・天災や火災などにあった又は犯罪に巻き込まれた

プライベートな部分では、家族や恋人といった身近な人の出来事が大きなストレスになるほか、天災や犯罪などの被害、収入の減少や退職といったこともストレスになります。実際にはこれらの項目以外にも、「詐欺被害に遭った」とか「ストーカーに悩んでいる」など、新しいストレスの種が増えてきているのが現状です。

おめでたいこともストレスになる?

ホームズらの「社会再適応評価尺度」によると、ストレスになると考えられる出来事の1位は、「配偶者の死」ですが、7位「結婚」や14位「新しい家族が増える」、25位「自分の輝かしい成功」といった項目もあります。

たとえば、結婚にしても、引っ越しや互いの周囲の人への挨拶、新しい生活習慣を二人で決めること、結婚式の準備や家計のことなど、今までとは一気に変わる部分が多いですよね。

一見、おめでたいことやいいことに見える出来事でも、本人にとっては負担なこともあります。受け止め方が一人ひとり違うため、場合によっては「うれしいけど本当は疲れている」と言えない、ということもあるでしょう。

どのような出来事でも、それによって環境や人間関係、自分の身体などが大きく変わり、変化についていかなければならないとき、人はストレスを感じやすいと言えます。たとえ小さな出来事に見えても、人によってはとてもショックを受けることもありますし、大小さまざまな出来事が長時間、または度重なることでダメージが大きくなってしまうこともあるのです。

事実からストレスを分析する

ストレスを把握する場合には、上にあげた表の項目などを参考に、公私共に「実際にどんな出来事があったか」「それに対して自分(当事者)はどう感じたか」「心や体の変化はどうか」といった点に注意してみましょう。

出来事については客観的に、感じ方については主観的に見ていくことで、自分にとってどういうことがストレスだったのかが見えてきます。日記や手帳などをつけている人は、記録を振り返るのもいいと思います。どうストレスを感じていたかがわかれば、病院やカウンセリングを受けるときにも役立ちます。

仕事のこと、プライベートのこと、うれしいこと、悲しいこと。さらに労働時間や気候の変化など、さまざまな出来事が織り交ざってできたのが、今のあなたの状態です。忙しさや不調感に押しつぶされる前に、自分で感じたストレスの原因を理解しておく。そのうえで、体や心の不調を改善するのにはどうしたらいいのかを考えていきましょう。

引用:心理的負荷による精神障害の労災認定基準を策定 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001z3zj.html

参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト

※写真は『足成』( http://www.ashinari.com/ )より

※この記事はガジェ通ウェブライターの「相澤マイコ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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