テレビ終了のお知らせ? 『朝ダダ討論会』が開催される

朝ダダ第一部

 2010年2月28日、『朝までダダ漏れ討論会』というイベントが恵比寿のタイムアウトカフェ&ダイナーで開催された。『どうなるこれからのジャーナリズム!』と題し、一部はジャーナリストの田原総一郎さん、二部は津田大介さんによる司会で行われた。出演者は自由民主党衆議院議員の河野太郎さん、週刊朝日編集長の山口一臣さん、フリージャーナリストの上杉隆さん、ビデオジャーナリストの神保哲生さん、ライブドアメディア事業部長の田端信太郎さん…とまるでテレビの「朝生」のような顔ぶれだ。

田原さんと津田さん

会場の様子はインターネット放送サービスである「USTREAM(ユーストリーム)」と「ニコニコ生放送」で中継された。「USTREAM」は同時視聴者数5000以上、「ニコニコ生放送」は累計視聴者数12000以上と多くの観客を集めた。多くの視聴者があつまったせいか、一時的に視聴者が溢れ「USTREAM」の接続状態が悪くなったり、「ニコニコ生放送」が満員で視聴できない、などの事態も発生した。

朝ダダ第2部

会場には半透明のスクリーンが置かれ、スクリーンには「Twitter(ツイッター)」のコメントが投影されていた。「TweetBubbles」というソフトによって、スクリーンに投影されるコメントは泡のように表示され、議論がわき起こると賑やかな状態に。第2部からは「ニコニコ生放送」のコメントが会場に表示され、賑やかなツッコミがネットから会場に向けて発信された。番組では「Twitter」の質問を取り入れたり、「ニコニコ生放送」のアンケート機能を活用するなど、ネットの双方向性を生かした討論会となった。

そらのさんはツイートを代弁

このイベントを主催したのは「ケツダンポトフ」というウェブサイトを運営する株式会社ソラノート。そして「USTREAM」で中継したのはライブドア関係者、「ニコニコ生放送」で中継したのはアマチュア放送グループの「[NKH]ニコ生企画放送局」だった。会場提供、機材提供、スタッフなどがなんとほとんどボランティアで行われ、プロのテレビ番組制作会社は関与していない。画面切り替えやテロップなどが活用されたテレビさながらの放送に、「Twitter」では「テレビ終了のお知らせ」「同じ番組をテレビ局が作るとしたらいくらかかるの?」などのコメントが寄せられた。

開場前

なお、ニコニコ生放送で中継を担当した筆者らの機材を紹介したい。カメラは家庭用ビデオカメラ2台とwebカメラ『LifeCamCinema』(6000円程度)だ。カメラの映像を『デジ造(PCA-DAV)』という4000円程度のビデオキャプチャユニットでPCに取り込み、映像切り替えは『VH Multi Camera Studio』というフリーソフトで行った。本来映像の切り替えはビデオスイッチャーという機器で行われ、安くても15万円、業務用なら何百万円という世界だ。質はある程度落ちるものの、テレビに迫る番組制作が趣味レベルの機材で出来たことは感慨深い。

ニコニコカメラ

メディアの世界を見渡してみると、これまで出版はフリーペーパーや自主制作新聞、ブログがあり、ラジオはミニFMやPodCastなど誰でも発信できる媒体が存在していた。しかし、放送は認可産業ゆえにテレビ局が独占しており、関係者以外による番組制作はほぼ不可能だった。ここ1年、インターネット放送がその状況に風穴をあけ、PCひとつで誰でも番組が放送できるようになった。今回のように、まるでテレビのような番組をアマチュアが作ってしまった事実そのものが「これからのジャーナリズム」の一つの姿を体現しているのではないだろうか。

ニコ生画面

放送の詳しい様子はこちら
http://mobilehackerz.jp/live/lv12165736

■今回のネット放送に関わった人たち
ジャーナリスト 田原総一朗さん
フリージャーナリスト 津田大介さん
自由民主党衆議院議員 河野太郎さん
フリージャーナリスト 上杉隆さん
ビデオジャーナリスト 神保哲生さん
ネットニュースの中の人 Livedoor 田端信太郎さん
TVの中の人 報道番組携わるディレクターさん
雑誌の中の人 週刊朝日編集長 山口一臣さん
Tweetの代弁をする人 そらのさん
現地スタッフ ヒマナイヌの川井拓也さん
現地スタッフ Livedoorの櫛井さん
会場提供 オリジナル株式会社代表の伏谷さん
機材提供 kunkokuさん(Blog:ソニーが基本的に好き)
技術サポート 株式会社ライブドアさん

※この原稿は伊予柑([NKH]ニコ生企画放送局)さんからの寄稿です。

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