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働きすぎによる自殺やうつの前に……「いつもと違う」自分に気づこう

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先日、居酒屋チェーン『和民』に就職した女性が、勤務を始めてから2か月で過労自殺した件で、遺族が会社側を提訴しました。内閣府発表の『自殺対策白書』では、「20代の過労自殺は6倍に増えている」という調査結果もあります。(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/html/honpen/tokusyu/toku_3_1.html

最近では『ブラック企業』という言葉も浸透しましたが、スピードや効率重視の社会がすぐに変わってくれるわけではありません。自衛策として、働く人本人や周囲の人が、「このまま働いていて大丈夫?」と早めに気づくことも大切です。

筆者は体調を崩して仕事を辞めた経験から、労働者の働き方と心身の安全に興味を持ち、資格を取りました。今回はメンタルヘルスケア・マネジメントの観点から、「働きすぎによる変化」について書いてみます。

徹夜続き、不眠不休は超ヤバい

まず、働きすぎによる変化で注意したいのが睡眠です。

睡眠不足と考えられる症状
4時間睡眠×1週間…ホルモン・血糖値に異常が出始める
4~6時間睡眠×2週間…記憶力・認知力・問題処理能力などのレベルが著しく下がる
(2日間まるまる寝ていないときもこれに同じ)

「忙しくて徹夜続きなんだ」というアピールを自慢げにしてしまう人もいますが、徹夜続きは仕事にも、非効率かつハイリスクでいいことがありません。むしろ「徹夜続きでヤバいかも」と思ったほうがいいでしょう。不眠不休で大きな事故やミスに発展するケースも後を絶ちませんし、心筋梗塞やくも膜下出血、がんなどの病気になるリスクも高くなります。

8時間睡眠が理想と言われますが、1日の睡眠時間にこだわらず、仮眠や昼寝を使って「2日で12~16時間」睡眠がとれていればOKです。

ストレス反応による身体の変化

変化に対する適応がうまくいかないとき、人はストレスを感じます。これは、基本は体も心も同じです。しかし、ストレスの感じ方は人によってさまざまで、同じ環境や状況にいても全くストレスを感じない人もいれば、強いストレスを感じる人もいます。

就職や過重労働、職場での人間関係、仕事量の増加など、ストレスを引き起こす要因から起こる心身の反応を『ストレス反応』と呼びます。それでは、体に起こるストレス反応を見てみましょう。

・眠れない、寝た気がしない(睡眠障害)
・疲れがとれない
・動悸(どうき)やふるえなどが続く
・胃もたれ吐き気、食欲不振がある
・肩こりや首こりなどがひどく、改善しない
・肌荒れ、吹き出物が治りにくい
・検査で調べても特に異常はなかった

ストレス反応には急性と慢性とがあり、「明日は大事なプレゼンで眠れない」というような場合は、その時だけのストレスなので、急性のストレスです。注意したいのは、連続して急性ストレスが続くとか、症状が1か月も2か月も改善しない慢性の場合です。ストレスがきっかけとなって体に不調が起こる時は、内臓や筋肉などに具体的な病気がないことも多いので、「健康診断では特に異常がない」と出るのです。

これらの変化は最近よく聞かれる、過敏性腸症候群や自律神経失調症、緊張型頭痛などといった症状とリンクすることもあります。「病気じゃないけど、調子が悪くて病気みたい」という感じが長く続くなあ……と思ったら、無視しないようにしましょう。

ストレス反応による心理面の変化

続いて、心理面の変化を見てみましょう。

・朝がとにかく憂鬱・出勤するのが嫌だ
・仕事を辞めたいと感じてしまう
・集中力や注意力が低下している感じがする
・趣味や好きなことが楽しくない、やる気がしない(無気力)
・家事など日常的なルーティンが億劫(おっくう)・時間がかかる
・自分はダメだ、価値がないと感じてしまう
・失敗やミスから立ち直れず、自分を責める
・新しいことに興味がわかない
・人に会いたくない、他人が怖い

性格にもよりますが、全体的に明るさや楽観性、ポジティブさがなくなる傾向にあります。特に、責任感の強い人や完璧主義の人、引っ込み思案で慎重に考えるタイプの人は、心の変化があっても周りに打ち明けず、自分で抱え込む傾向があります。真面目で頑張り屋な人ほど、注意しておきたいところです。

ストレス反応による行動面の変化

最後は、職場や家庭での行動面の変化です。

・遅刻/早退/欠勤が増える
・以前は問題なくできた仕事に、ミスやエラーが増える
・取引先や顧客からの苦情が増える
・ケンカや言い争いが増える(イライラしている)
・ルーティンワークをこなすのに時間がかかる
・やけ酒やドカ食い、たばこの本数が増える
・黙ることが多くなり、あいさつや会話が減る

行動面の変化では、ミスやエラーの増加、感情面での混乱、起伏の激しさなどがみられます。「上司に叱られて、ついやけ酒した」程度のことなら問題ありませんが、長く続くようなら注意が必要です。行動面の変化は他人にも見えやすいので、気づいたら職場や家庭でも声をかけたり、様子を聞いてあげるなどしてみましょう。

「いつもと違う」に敏感になろう

体調不良や精神的な不調を感じても、「これくらい平気」「ちょっとぐらい大丈夫」と無理をしてしまうことも多いのではないでしょうか。そうして無理を重ね、疲れをためていくと、自分の体調や心の様子を判断する冷静さや、仕事時間や量の偏りなどに気がつく客観性が失われていきます。個人的には、ここが最も恐ろしいことだと思います。

中には「自分は大丈夫」と言う人も多く、その発言で周りも安心してしまうことも多いですが、大丈夫かどうかは体調や、行動などにしっかり現れます。悲しい自殺やうつ、過労死を増やさないためにも、働く自分が「いつもと違う」に気がつくこと、また周囲の人の変化にも敏感になることが大切です。

(引用部分:メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト 3種セルフケアコース第2版 より)

(画像引用:http://www.flickr.com/photos/tiny_packages/2319340634/

※この記事はガジェ通ウェブライターの「相澤マイコ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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