【創刊号はクドカン大特集】『MEKURU(メクル)』編集長上田智子さんインタビュー

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実はイケメン好きなガジェ通記者が、密かに注目していた新しい出版社がギャンビットパブリッシングです。写真家蜷川実花さんとのコラボレーションで豊川悦司さんや斎藤工くんの写真集を連続出版。郷ひろみさんの写真集も大きな話題を呼んでいます。そして今回、11月15日にカルチャー雑誌を創刊するということで、編集長の上田智子さんにお話をお聞きしました。

–創刊おめでとうございます! とても素敵な雑誌タイトルですね。

上田編集長:『MEKURU(メクル)』という雑誌名は、文字どおり「ページをめくる」「紙をめくる」という行為を表しています。1枚ずつページをめくって、紙の手触りやインクのにおいを感じられるのが紙媒体の特長です。『MEKURU』を通して、読者の皆さんと「いろんなカルチャーの記憶の共有」ができたらいいなあと考えています。

–表紙と巻頭特集は宮藤官九郎さん。まさにタイムリーですね。

上田編集長:創刊号の表紙には、11月24日に最新舞台「大パルコ人(2) バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』」の公演が控える宮藤官九郎さんにご登場いただきました。特集「はじめまして、宮藤官九郎です。」と題し、宮藤さんがこれまでに手がけてきたほとんど全仕事について「自己紹介する」という68ページの巻頭企画です。

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–宮藤さんの幅広い活動の集大成的な凄いボリューム感です!

上田編集長:宮藤官九郎さんの、脚本作30本、映画監督作3作、役者として出演した作品、グループ魂の全アルバム&シングルについての全てを、作品ごとに紹介しています。舞台の作・演出、構成作家など、「仕事への向き合い方」についてはロング・インタビューで網羅し、ラジオ・パーソナリティをつとめる「宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD」初回放送の全文字起こしも収録しました。読み物としても、資料としても、楽しめる構成になっています。

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–まさに「クドカン大事典」と言える内容かと。11月下旬からは、宮藤さんの舞台もスタートするとお聞きしましたが?

上田編集長:最新舞台「大パルコ人(2) バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』」については、特集内の第2特集として展開してみました。全キャストの撮り下ろし写真と、各キャストへの宮藤さんからの質問&答え、マンガ家・天久聖一による稽古場潜入レポート、宮藤官九郎×綾小路 翔(氣志團)との貴重な対談も掲載しています。

–それにしても表紙ポートレイトのインパクトが凄いです。新進気鋭のイケメン歌舞伎役者さんかと思いました。

上田編集長:記念すべき創刊号の表紙なので、宮藤官九郎さんにはスーツでビシッと決めていただきました。中面の写真では「スーツのジャケット、ネクタイ、白シャツを脱いでいき、Tシャツを着た本来の宮藤さんに戻る」というコンセプトでストーリーを作っています。

–2号目以降も楽しみです。出版不況と言われる中、これから、どんな雑誌にしていきますか?

上田編集長:『MEKURU』は季刊のカルチャー誌です。私はこれまで15年ほどカルチャー誌の編集に携わってきましたが、雑誌の存在意義が時代とともに変化していくのを感じていました。電子書籍やネットが発達して、情報を仕入れるという役割は薄くなり、独自の個性や色を持つ雑誌が、「好きな人に支持される」という存在になりつつあります。

人気ブログやツイッターを見ていても、主観が入れば入るほど面白いものになっています。そこで、「マニアックだったり、コアだったりする視点を、雑誌に落とし込んだらどうなるのだろうか」という興味がありました。編集者の好みの方向性や、物事への面白がり方がダイレクトに反映されている雑誌があってもいいのではないか、と。そしてそれは、私が学生時代に夢中になっていた雑誌と似ているような気がするのです。

–確かに単なる情報なら今はネットで十分ですよね。雑誌ならではと言える『MEKURU』の深堀り感は凄いです。

上田編集長:『MEKURU』では、掲載する写真のクオリティの高さと、ディープなインタビューだけでなく、ここでしか見ることのできない企画と切り口でページを作っていきたいと考えています。取り上げるものは、時代を象徴する人物と、映画、音楽、アート、ファッションなどのカルチャー全般。『MEKURU』が面白いと思う「人」と「カルチャー」をごちゃまぜにして、『MEKURU』ならではの特集として提案したいです。手元にずっと残しておきたい紙媒体を目指します!

–最近は細切れ情報誌が多くて、取って置きたい雑誌も減りました。宮藤さんはもちろん、長瀬智也さん、蒼井優さん、宮崎あおいさん、岡田将生さんといったバラエティに富んだ人選。そのビジュアル&テキストも、ファンにとって永久保存版ですね。

上田編集長:かなり主観が入った雑誌になると思いますが、同じ趣味や趣向を持った読者の方々にディープに愛される、温度を持った雑誌にしていけたらいいなあと思います。「好きな人だけがすごく好き」というものでもいい。だけど、読者の方々にも、登場してくださる方々にも、かかわってくださったスタッフにも、「俺の雑誌だ」「私の雑誌だ」と思ってもらえるような媒体にできたら幸せです。面白がってくれる方たちみんなで『MEKURU』を育てていきたいです。

発行・発売元は、株式会社ギャンビットという、主に広告のキャスティングをしている会社です。純然たる出版社じゃないからこそ、面白い試みがたくさんできそうなので、今後の展開に注目していただけたら嬉しいです。

<編集長プロフィール>
上田智子
1974年生まれ。
元・雑誌『H』『CUT』副編集長。
2012年3月に株式会社ロッキング・オンを退社。

誌名:MEKURU
刊行:季刊(年4回)
判型:A4変型(H280mm×W210mm)・アジロ綴じ ・144P
定価:840円+税
発行・発売:株式会社ギャンビット

公式サイト:http://mekuru.jp/

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アニメや可愛いものが大好き。主にOtajoで執筆中。

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