ゾンビが人間に恋をした! 映画『ウォーム・ボディーズ』ジョナサン・レヴィン監督インタビュー

ゾンビ史上最高にキュートなゾンビ男子の恋模様を描き、全米初登場No.1を記録。その後も各国で大ヒットを記録中の映画『ウォーム・ボディーズ』がいよいよ9月21日より公開となります。

物語の舞台はゾンビと人間が敵対する近未来。ゾンビのR(アール)は「食糧」を探しに街へ出掛け、襲撃するはずだった人間・ジュリーに、なんと一目惚れ! ゾンビにとって「おいしい」人間、人間にとって「絶対的な敵」ゾンビ……出会ってはいけなかった、けれど、うっかり出会ってしまった二人の恋は、ゾンビの死に絶えた“冷たい”ハートを打ち鳴らすことができるのか?

本作のメガホンをとったのは、『50/50 フィフティ・フィフティ』の大ヒットで、映画ファンから圧倒的支持を受ける若き新星ジョナサン・レヴィン監督。先日初来日を果たし、「第6回したまちコメディ映画祭」に登場。拍手喝采を浴び、注目度の高さが伺えます。

今回ホラー通信では、ジョナサン・レヴィン監督にインタビューを敢行。作品への想いからオススメのゾンビ映画まで、色々なお話を伺ってきました。

――『ウォーム・ボディーズ』は『トワイライト』の著者も大絶賛するアイザック・マリオンの同名小説の映画化ですが、最初に原作を読んだ時の印象を教えてください。

ジョナサン・レヴィン監督(以下、ジョナサン):「ゾンビが人間に恋する」という内容を最初に聞いた時は、「それってちょっとどうなの?」と思ってあまり読む気がしなかったんだ。でも、読み始めたら最初の数ページで主人公にハマってしまって。それで、自分から監督をやりたいと手を挙げたんた。

今アメリカで作られているティーン向けの映画って、どこか若さをバカにしている様な所があると思うんだ。あるいは似たような作品ばかり作られている。この作品はすごく個性的で、知的な物語なんだ。

――本作は全米No.1ヒットを記録していますが、日本だとなかなかゾンビをモチーフにした映画がヒットしないので、すごくホラー作品が受け入れられているんだなぁと思いました。

ジョナサン:確かにアメリカではホラー映画がとても人気があるね。でもこの映画は完全なホラー映画というわけでも無くて、男性がワクワクする様なアクションやホラー映画ファンの為のゴアシーンもあるし、女性にはロマンスが感じられる作品になっていると思うよ。

――子供の頃からホラー映画のファンだったんですって?

ジョナサン:そうそう。昔から『エルム街の悪夢』や『13日の金曜日』などホラー映画が大好きだったよ。でも子供の時は、単純に好きで楽しむ為に映画を観ていただけで、自分がいつか作り手になろうとは考えもみなかった。映画を学びだしてからは、スラッシャー描写を学ぶコースを受講したりと、好きだからこそ作る事にも興味を持ったんだと思うな。

――ゾンビ映画って 愛する人がゾンビになってしまい、自分のことを忘れて襲いかかってくるという怖さと切なさがありますよね。でも本作の主人公Rは、ゾンビでいながら人間の女の子に恋をするという設定で。

ジョナサン:本当に面白い設定だよね。ゾンビものというと、いかに多くのゾンビを銃で撃ち落す事が出来るかとか、そういったシーンが基本的で、ゾンビ状態をどうやって治癒するかという描写がある作品はあまり無いなって。

――日本で行った試写会でも「胸がキュンとした」という感想が多かったんですよ。

ジョナサン:Rというのは肉体に自分が閉じ込められてぎこちなくなってしまうという、思春期の男の子のメタファーだと思うし、好きになった相手を守りたいという想いは男女問わず共感してくれると信じていたよ。この作品では2人がどういう部分でお互いに惹かれていくのかきちんと描けたという自負があるから、そういった感想をもらえた事はすごく嬉しいな。

――監督は子供の頃からホラー映画のファンだったということですが、最後にホラー初心者にオススメの作品と、マニアにオススメの作品を教えていただけますか?

ジョナサン:初心者は何と言ってもジョージ・A・ロメロの作品は全部観るべきだよね! あとは僕が大好きな『死霊のえじき』と『バタリアン』。マニアにはそうだなぁ……、絶対に観ていると思うけど、もっと評価がされるべきだと思うのは『28週間後…』かな。

――日本のホラー映画で好きな作品はありますか?

ジョナサン:三池崇史監督の『オーディション』は最高だったね! 最高峰のホラー映画って「この監督ちょっと病んでるな」って思える作品で、三池さんもそうなんじゃないかと思っちゃったんだ。もちろんこれは褒め言葉だよ(笑)。

――今日はどうもありがとうございました!

ウォーム・ボディーズ
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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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