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政府債務を100兆円単位で純減させる方法

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政府債務を100兆円単位で純減させる方法

今回はシェイブテイルさんのブログ『シェイブテイル日記』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/413234をごらんください。

政府債務を100兆円単位で純減させる方法

今年8月上旬、国債などの政府債務残高が1,000兆円を超えたことが話題となりました。増税論者からも、8%や10%への消費増税では政府債務が目に見えて減る、という話は聞こえてきません。
ではこの政府債務を短期間に100兆円単位で減らすことができる策があるとしたらどう思われるでしょうか。

図表1は日本国債等の残高推移です。棒グラフの方は、そのうち日銀保有高の推移です。
日銀は、財政再建を目的としてではなく、デフレ脱却の手段として市中から大量に国債買入れを進めています。

政府債務を100兆円単位で純減させる方法

図表1 日本国債等の残高と日銀保有高推移
出所:日銀資金循環統計 2013年以降は日銀発表資料からの推定。
政府債務の大半を占める日本国債等(国債等とは、一般政府(中央政府)部門の「国庫短期証券」「国債・財融債」の合計。)は2013年に1000兆円を超えた。(破線は予測)
そのうち、日銀保有分は今年6月に128兆円に達した。
異次元緩和で、2014年末には200兆円を超えるペースで増加中。(薄い水色部分)

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
ttp://getnews.jp/img/archives/2013/09/100.jpg

ただ、日銀が政府債務を多量に保有することで、政府債務問題を緩和している面もあります。

というのは、中央銀行が国債を買入れて日銀券を発行する場合、日銀バランスシート資産側の国債からは利子を得るのに対し、負債側の日銀券には利子支払いが発生しないため、この差額の大部分を国庫納付することが可能です。政府から見れば、中央銀行にも国債の利子を支払いますが、その大半が納付金になって政府に還流してくるため、日銀保有国債については利払費増大の問題は生じないことになります。

そこで今度は、政府が500円玉のような政府貨幣を大量に発行して、日銀保有国債を買い戻した場合を考えます。

日銀が国債を政府に売却する場合に、その対価として受け入れた500円玉(政府貨幣)は、日銀自身が発行した日銀券が日銀債務であるのとは対照的に、日銀からみれば資産です。 
そして、日銀バランスシートの資産側では、国債などの政府債務が減った分、政府貨幣が増加し、政府債務の一部が政府貨幣で置換されたことになります。

そしてこの政府貨幣発行益を財源に、政府が買い戻した国債を消却すれば政府債務は純減します。(図表2)

政府債務を100兆円単位で純減させる方法

図表2 政府貨幣による政府債務の置換を示した政府・日銀のバランスシート
日銀保有の、国債などの政府債務を、政府が500円玉のような
政府貨幣で買入た場合のバランスシート変化(左図から右図へ)
政府貨幣を発行すると、額面と発行コストの差が通貨発行益となる。
その政府貨幣で政府が日銀の国債などを買入れた場合、
日銀のバランスシートでは、その一部が政府貨幣に置換される。
政府貨幣発行益を財源に、政府が買い戻した国債を消却すれば政府債務は純減する。

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http://px1img.getnews.jp/img/archives/2013/09/100_1.jpg

100兆円単位の政府債務を500円玉で買うのはまどろっこしいので、政府が政府紙幣100兆円札1枚を発行して日銀保有の国債を買入れてもいいでしょう。そして政府が買入れた国債を消却すれば、たったこれだけの操作で、政府債務を100兆円減らすことができます日銀が対価として受け取った政府紙幣は利子支払いの必要はなく、債務ではないので返済が必要となることもありません。

今議論のある消費税を8%や10%に上げても、本当に政府債務が減るかどうかさえ定かではありません。筆者は、デフレの現在税収弾性値が約3と大きいため、消費税増税により、1997年の橋本増税後と同様か、それ以上に税収は減るのでは、と懸念しています。

一方政府貨幣を使った、たったこれだけの操作により100兆円単位で政府債務を純減させることもできます。

政府の債務と家計の債務違いについてはこのブログで何度も取り上げましたが、債務者の意思で簡単に大きく減らせるなどということは、政府債務ならではのことであり、家計の債務では想像さえできません。 

ここまで書くと、では政府債務を全て政府貨幣で置換すればいいではないか、という方が必ず出てきます。確かに政府債務問題だけならば、それで解決しますが、金利のつかない政府紙幣が1000兆円市中に出回れば、今度は利息を求めて不動産・商品などに大規模な投資が行われ、一挙にバブル・高インフレとなる可能性が高いでしょう。過ぎたるはなお及ばざるがごとし、ということですね。

興味深いことに、Wikipedia英語版で財政(public finance)を調べると、その財源として税収・国債・通貨発行益の三つが載っていますが、ウィキペディア日本版の財政では通貨発行益の話は出てきません。

カナダの中央銀行のパンフレットでは通貨発行益について一般向けに説明したものがありますが*1、日銀では国庫納付金の説明として通貨発行益の一部(市中発行国債の買入れに伴う利益)が説明されているだけです。

*1:「Seigniorage」 『BANK OF CANADA』
http://www.bankofcanada.ca/wp-content/uploads/2010/11/seigniorage.pdf

財政健全化のための消費税増税の是非という重要事について国民の判断を求めるのであれば、官僚振り付けの消費増税集中点検会合などよりも、政府財源には税収・国債以外に、通貨発行益というものもあることを周知する方がずっと有益のように思います。

【参考】 政府貨幣の仕訳については、UFJ総合研究所(2003年当時)の村田雅志氏によるペーパーが参考になります(図表3)。

政府債務を100兆円単位で純減させる方法

図表3 政府貨幣仕訳について解説されたペーパー

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/2013/09/100_2.jpg

「景気対策を目的とした政府貨幣増発の帰結」 『三菱UFJリサーチ&コンサルティング』
http://www.murc.jp/thinktank/economy/archives/investigativereport_2005/archive_20030512

著者はUFJ総合研究所(当時)の村田雅志氏。

執筆: この記事はシェイブテイルさんのブログ『シェイブテイル日記』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年09月06日時点のものです。

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記者:

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