世界を変えようとしている会社のユニークなマネジメント方法

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世界を変えようとしている会社のユニークなマネジメント方法
 『すべてが見えてくる飛躍の法則』(アスペクト/刊)の著者である石原明さんの対談連載“人称対談”第三回となる今回は、株式会社ユーグレナの代表取締役社長である出雲充氏をお迎えした。

 ユーグレナはミドリムシの学名。ミドリムシは栄養素が豊富なことから食用としても期待されているほか、プラスチックの生成やバイオ燃料、医療技術まで幅広く使われる、奇跡の微生物。出雲氏は、それまで不可能とされていたミドリムシの食用屋外大量培養を世界で初めて成功させ、製品化、事業を展開している。
 対談中編では、ユーグレナのユニークなマネジメント術について明かされる!
(以下敬称略)

■自分の周囲に仲間たちが集まってくる

石原「そういったマネジメントスタイルになったのはいつ頃からなんですか?」

出雲「ユーグレナを立ち上げたのが2005年で、最初は3人でやっていたのですが、2年前に新しく2人が加わりましたから、その頃からですね」

石原「すごくユニークなマネジメントの方法ですよね。僕も仕事柄、さまざまな経営者とお会いするんですが、どうしても自分が中心になって活躍する組織をつくりたがるんですよ。でも、実際に成功しているのは、出雲さんのような、ある程度の部分までは人に任せてしまって、自分は意思決定をするというスタイルなんです。僕がプロの経営者だと思うのは、まさしくそういうタイプですね」

出雲「ありがとうございます(笑)私の場合は、さっき言ったように経営に関しては素人からスタートしているので、周囲の助けがあってこそのものだと思っているんですよ。
今、『ワンピース』という漫画が人気ですけれど、まさしくその主人公のルフィみたいな感じなんです。まず、自分の大きな夢を語って、その言葉に共鳴した優秀な仲間たちが船に乗り込んでくる。私も同じで、ミドリムシで世界を救いたいという夢を話して、それを実現するために必要な人材が集まってきてくれたんです」

石原「素晴らしいですね。でも一つ気になっていることがあって、まだ30代前半と非常に若いんですよね。その年齢からそのような立場にいることに、プレッシャーを感じることはないのですか?」

出雲「それは全くないですね。私は、研究やマーケティングができる人、ビジネスができる人が私の考えに共鳴して、助けに来てくれたと思っていますから、彼らにできることを託して、頑張っていこうという気持ちの方が強いです。それが私にとって一番大事な仕事であることも理解していますよ」

石原「それが出雲さんにとって大事な仕事だと理解したのはいつ頃のことですか?」

出雲「最近のことです。東証マザーズに上場させていただいたのが昨年の12月20日だったのですが、その後にふと思い返すことがあって、弊社には大木という人物がいるのですが、彼が入ってきたのがちょうど2年ほど前のことでした。もともと証券会社にいたんですが、上場のお手伝いをさせて欲しい、2年で上場させると彼は言っていたんですね。それで数えてみたら、ちょうど2年で上場していて(笑)そこから周囲の人たちができることをしてくださったから、ユーグレナは上場できたんだと気づきました」

石原「僕は今のお話を聞いて、出雲さんにある質問をしてみたくなりました。マネージャーという存在は今あるものを磨く人ですよね。では、リーダーどんな存在だと思いますか?」

出雲「そうですね…。同じことを繰り返し言っている人でしょうか。『ワンピース』のルフィならば、『海賊王に俺はなる!』と繰り返すように」

石原「僕は、リーダーという存在は誰も見たことのないところに人々を導く人だと思うんです。また、その存在はなりたくてもなれない」

出雲「それは何故ですか? リーダーという天命を授かったからでしょうか」

石原「それは出雲さんらしい答えですね(笑)リーダーはついてくる人がいなければダメなんですよ。リーダーという存在は、言葉は悪いですが、実は最初はただの変人なんです。そこから共鳴する人を惹きつけていって、応援してもらえる立場になっていく。そのステージが上がっていくたびに人格が変わるんです」

出雲「なるほど、確かに変わりますね」

石原「どんどん目線が高くなっていくんです。私の本の話になりますけど、『人称』という概念がまさしくその目線の高さを示すんですよ。出雲さんはミドリムシで世界を変えようとしていらっしゃいますけど、それは同時に未来をも変えることですよね。空間・時間ともに変えていこうという目線の高さは、本当のリーダーではないと持ち得ないんです。
自分のことしか見えていないという一人称からみんなスタートして、応援する人たちがどんどん集まってくると、それによって人称が上がり、人格も変わっていく。出雲さんはすでに七人称、八人称クラスの目線の高さを持ち合わせていると思いますよ」

出雲「大変ありがたいお話ですが、八人称クラスとなると、恐れ多いですね(笑)」

(次回へ続く)

■『すべてが見えてくる飛躍の法則』の全貌が分かる!「人称.jp」
http://ninshou.jp/



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