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日本の研究者たちが本当の中国の姿を書けない理由

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 中国の歴史は嘘だらけ!? 孫文の辛亥革命はインチキ!? 毛沢東は稀代の暴君だった!? 日本と中国に関係する通説をことごとく斬っていき、通説の裏に隠れた本当にの中国をあぶり出す一冊の新書が話題になっている。
 それが憲政史研究者・倉山満氏の『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社/刊)だ。

 『嘘だらけの日米近現代史』(扶桑社/刊)に続く、嘘だらけの近現代史シリーズ第2弾となる本書は、日本の中国研究者が書けないタブーにまで切り込んでいるという。
 では、何が嘘だらけで、どうして研究者たちは沈黙するのか? そして中国の本当の姿とは? 倉山満氏に直接お話をうかがった! 今回はその後編をお送りする。
(金井元貴/新刊JP編集部)

■日本の研究者たちが本当の中国の姿を書けない理由

―インタビューの前半では「中国の歴史は嘘だった!?」ということで大変興味深いお話を聞かせていただきました。それで、本書を読んで、どう歴史と向き合えばいいのかというところで戸惑いを覚えてしまったのですが、倉山さんはどのように歴史と向き合っていらっしゃるのでしょうか。

「私の向き合い方はすごく単純で、地図の上にその国や地域の年表を書いていくだけです。そして、日本ではこの年に何が起こり、清朝ではこんなことが起こっていて、朝鮮はこうなっていたと並べるだけで分かってしまうのです。
大学院生の頃に、13年間ほど安全保障の勉強会に参加していたのですが、その第一回目の合宿での勉強テーマが『カスピ海』だったんです(笑)。そこで、カスピ海の近くにあるグルジア、アゼルバイジャン、ロシア、アルメニアが何をしているのか、日本の新聞記事や本から情報を集めて年表にしていくと、グルジアとアゼルバイジャンはトルコにとってのロシアへの盾なんだ、とかアゼルバイジャンとアルメニアは仲が悪いということが分かるんです。これは地政学的なやり方で、大まかな歴史や関係を把握するための望遠鏡のようなものです。でも、地政学だけでは本当の事情まで把握できないので、詳しい部分は政策決定論という顕微鏡で見ます。つまり、望遠鏡と顕微鏡の二刀流です」

―かなり詳しいところまで把握しないと、本当のことは分からないということですね。

「そうなんです。例えば、満州事変が起きたとき、ヨーロッパは『政府が不拡大方針を言いながら現地で軍事拡大するなんて、日本はなんて狡賢いんだ』と思ったらしいのですが、それは地政学だけで見るとそうなりますね。でも、実は時の総理大臣がノイローゼでまともな命令が出せなかったというオチで、それは望遠鏡だけでは覗けないですから、顕微鏡が必要になります」

―そういえば、帯の部分に「日本の中国研究者が書けないタブーを書く!」と書かれていますが、中国に都合の悪い情報はタブーになっているんですね。

「研究者の中ではタブーになっているものもあります。私は情け容赦ない人間なので平気で書くんですけど(笑)、本当の事情を知っていても仲間がいるので書けないという側面もありますね」

―仲間がいるから書けないというのはどういうことでしょうか。

「例えば研究者のお師匠さんが親中派で、こういうことを書いてしまうとお師匠さんを批判してしまうことになるとか。学会の中には派閥があって、いくら頭が良くて立派な研究ができていても、その派閥に加われなかったら職にもつけないわけですよ。ケンブリッジとオックスフォードで博士号取っても、非常勤講師2コマという研究者もいます。あとは、日中共同研究費を握られているので、中国の悪口言えないとか」

―お金や職、上下関係などが絡んでくると、そうなってしまうんですね。

「そうなんです。だから、日本人自身の問題でもありますね、本当のことを言わないというのは。メディアも同じで、松村謙三らが日中記者交換協定というのを勝手に結んで、中国政府に都合の悪い報道はさせませんという約束をするんです。これは一応廃止されていますが、事実上まだ生きています。
でも、相手がどんなにダメダメでも、日中国交正常化後の日本はひたすら献身的に中国に貢いでいます。もうね、口を悪くしていうと、年増で厚化粧のDV女に貢いでいるオヤジですよ、日本は」

―それはこの本にも書いていましたよね。はやくすっぴんを見て、現実に戻りなさいと(笑)

「そうです。はやく見て欲しいです」

―そんな中国のすっぴんが明らかになる本書ですが、どんな方に読んで欲しいですか?

「そういうことなので、ドMの人以外全てですかね(笑)ドMの人はもうしょうがないです。
あと、ここで言うのもなんですが、政治学者のマイケル・グリーン(*1)に日本語のまま読んで欲しい(笑)知日派のアメリカ人学者としていろいろ言っていますけど、英語になっていないものは価値がないというアメリカ人のあの傲岸さ! 日本から中国に行っていた人も、現地の語学が出来なかった人っていないですよ。この国をハンドリングしたいなら、まずこの国の言葉を学ぶべきです」

―では、このインタビューの読者の皆さまにメッセージをお願いします。

「日中友好、夜間敵対。この精神でこの本を読んでください」

―ありがとうございました。

(了)

(*1)マイケル・グリーン…東アジアの外交を専門に研究しているアメリカの政治学者。知日派として知られ、日本のメディアにもたびたび出演している。



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