【ソルのゲー評】天空都市で過激に疾走『バイオショック インフィニット』日本語版 世界観の作り込みが凄すぎる

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元の記事:https://getnews.jp/archives/327490

筆者が大好きなアクションアドベンチャーといえば、『バイオハザード』でも『サイレントヒル』でもない。それは『バイオショック』シリーズである。シリーズ1作目からのファンで、その完成度の高さに驚かされた。1作目と2作目は海底都市のラプチャーが舞台だったが、3作目の『バイオショックインフィニット』は天空都市コロンビアが舞台。

一人称ながらもFPSというジャンルではなく「アクションアドベンチャー」と公称しているこのゲーム。武器を強化したりお金で自身を強くするなどRPGっぽい要素も盛り込まれている。確かに単なるFPSではなく、アドベンチャーと言った方がしっくりくるだろう。同社の作品『ボーダーランズ』も「シューティングRPG」と記載されている。

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いつものように唐突に天空に行くハメに……

オープニングで主人公が例のごとく、何の疑いもなく謎のシステムに入り込み打ち上げられ、天空都市にたどり着く。打ち上げられると「ハレルヤ」の声と共に到着である。

主人公のブッカー・デュイットは当然丸腰。前回は近接攻撃にバールのようなものを用いたが今回はスカイフックを用いる。着いた場所はなにやら抽選会場のようで大にぎわい。フィンクという人物が花嫁と花婿を縛り上げ、見世物にしている。77番を引き当てることができた主人公は、渡されたボールをフィンクか花婿のどちらに投げるかの選択が迫られる。もちろんどちらに投げても結果は同じである。投げようとする寸前に止められてしまい、正体がばれて戦闘となる。このときに敵の持っていたスカイフックを入手し初の戦闘となる。その後に初の能力(ビガー)である『デビルズ・キス(DEVIL’S KISS)』も入手。『デビルズ・キス』は敵に火の玉を投げつける技である。長いことお世話になるだろう。

これで武器とビガーが手に入り遠距離攻撃も可能となった。

そもそも主人公デュイットが天空都市に来た切っ掛けは借金である。落ちぶれた探偵、ブッカー・デュイットは多額の負債を背負い、それを返済するために少女を探し出すという任務を受ける。その依頼をこなせば負債は帳消しにしてくれるというのだ。その少女のいる先がまさかコロンビアという天空都市とは……。

「偽りの羊飼い」としてコロンビアに侵入したブッカー・デュイットは少女を見つけ出す捜索を遂行。

ここで少し整理。前2作と世界観も全く異なるので、用語も違って来る。前作まで「プラスミド」と呼ばれていたものが「ビガー」になり、「ファーストエイド」は「ライフキット」になっている。またビガーを使うには「ソルト」といういわゆる魔力が必要になる。ソルトはそこら辺に落ちているソルトで回復が可能なほか、ソルトマシンでいつでも回復可能。ソルトマシンは一定時間を空ければ何回でも回復できる。

今回も前作同様に落ちているお菓子やお酒、タバコを嗜好することができる。お酒を飲めばもちろん酔いが回り視点が定まらなくなる。

前作・前々作との違いは?

前作との違いはこれだけでなく、ライフという概念のほかにシールドも加わっている。シールドは自動回復し主人公を守ってくれる。シールドが破壊されると今度はライフが減少し、ライフがなくなると死亡となる。ただしライフは自動回復しないので、シールドばかりに頼っていると、シールド破壊時に即死ということもある。

ライフ、シールド、ソルトのメーターはインフュージョンで増加することが可能。特定の場所に置かれているインフュージョンを入手すると、ライフ、シールド、ソルトのいずれか1つを増加させることができる。ビガーを大量に使いたい人はソルトを増やし、体力が心配な人はライフを増やせば良い。

前作との違いはまだあるが、追々説明していきたい。

ゲーム再開 最初の目的は?

どうやら主人公はとある少女を探さなければいけないらしい。その少女がどこにいるのかは見当も付かない。とにかく街をうろつくことにする。今までのように行き先が常に出ているわけでなく、上キーを押すことにより行き先アローと目的が表示される。

自由に街を探索してもよいし、寄り道せずにそのまま進んでもいいだろう。

時空を切り開く「ティア」とは?

エリザベスの特殊能力であるティアはその場にないものをその場に創り出す。様々な時空や場所とつながっており、戦闘の役に立つ物が出てきたりする。

リソースティア …… これは戦闘に必要なものが出てくるティア。自動販売機や武器、ライフキットなどが出てくるもの
構造系ティア …… マップの構造そのものを変えてしまうティア。フックやドアなどを呼び出すことができる。
攻撃系ティア …… 敵を攻撃するオートタレットや敵を感電させるテスラ・コイルなどを呼び出す物。

ティアは□ボタン(PlayStation3の場合)で開けることができる。今作で最初に使うのがフックを呼び出す構造系ティアだろう。それを機に戦闘が始まり様々なティアを呼び出すことができる。しかしティアは1種類しか開けられないので注意。

お話は?

ストーリーを事細かく書くと皆さんの楽しみを損ねてしまうので、ネタバレしない程度に紹介すると、前出で書いたとおり主人公ブッカー・デュイットは少女を捜索する依頼を受ける。その少女がエリザベスだ。エリザベスはティアという時空を切り開く能力を使い、様々な物をその場に呼び出すことが可能。戦闘やストーリーで重要な役割を果たすのがこのティアだ。

この少女との出会いまではそんなに長くない。序盤で出会うことが可能。早ければものの1時間程度でお目にかかれるだろう。少女は塔に閉じ込められており本を毎日読む生活を送っていた。

少女を救い出すときにちょっとしたトラブルがあるのだが、なんとかエリザベスを救い出すのに成功。今度はファーストレディ号に向かいそれでパリに向かう。そうエリザベスは「パリに行きたい」と言うのだ。しかしファーストレディ号の向かっている先はニューヨーク。方位が違うことに気づいたエリザベスは主人公をバールのような物で一撃。ウソ泣きしながら殴りかかってくるなんて卑怯だよ……。ここからがまたやっかいで、逃げまどうエリザベスを追いかけるハメにはるのだ。

おっと、ここから先は実際に遊んでみてのお楽しみということで。少しだけ焦らす感じで書くと、少女を閉じ込めた犯人が日記よって解明されたりするわけね。

ちなみに過去に発表公開されていた広報資料をみると、エリザベスは開発中と現在とでは少し造形が変わっている。開発中は胸元がぱっくりあいたセクシーな服となっている。またゲーム中盤のファーストレディ号でもとある事件が切っ掛けで着替えることになる。

また、今回の『バイオショック インフィニット』にはエリザベスを監視する巨大な鳥、ソングバードが存在する。前2作でいうところのビッグダディだろうか。ソングバードの秘密については実際にゲームを遊んでみてほしい。

シリーズ共通の世界観“レトロフューチャー”

今作は1912年ということで前作、前々作よりも更に昔の世界となっている。しかし共通で作り込まれている世界観は素晴らしく、町全体が活気にあふれ生き生きとしている。ゲームに直接関係のない仕事の競売や歌なんかも見ているだけで楽しい。もちろん歌に手抜きはなく、フルで聞くこともできる。

武器は古式ながら少し未来風な物も出てきて、中にはRPGのように強力な武器もある。もちろん武器だけでなくビガーでも攻撃は可能。

ゲーム中には一般的な敵以外に強敵も数多く登場する。その一例がハンディマンだろう。ハンディマンはガンスミスの武器屋で最初に戦うことになる。しかし出会いはもっと前だったはずだ。実はゲームを始めて数分でこのハンディマンと出会っているので。序盤の街中で見世物にされているので多くの人が気づいたはずだ。

今回は天空都市ということもあり、空中戦ならぬスカイフックでぶら下がりながらの戦闘がある。それがまたジェットコースターみたいで楽しい。ゲーム酔いしやすい人は苦手な演出かもしれないが、この疾走感とスカイフックで飛び渡る爽快感はたまらない。なんでそんなに簡単にスカイフックでつかむことができるのかって? それは磁石のお陰だからだとか。そのせいもあり多少離れていてもジャンプすれば引き寄せられぶら下がることが可能。もちろんスカイラインでの移動もスピード調節が可能なので、アクションが苦手な人や酔いやすい人も大丈夫だ。

このスカイフックに続き先ほどのティアも活用、そしておなじみビガー(旧、プラスミド)で万全の体制となる。

主人公をパワーアップさせる数々の要素

今回も回復や武器・ビガーのパワーアップに自動販売機を利用する。もちろん無償ではない。買いたい物はお金と引き換えになる。それが地上であろうと天空都市であろうと、2013年でも1912年でも同じである。しかし自動販売機にとあるビガーを打ち込むとお金をはき出す。このお金はボーナスだと思って頂くことにしよう。今回はハッキングの代わりにこのようなビガーでの洗脳が可能となった。ヒントを与えるなら、最も最初に手に入れるビガーである。

ほかにも「ギア」と呼ばれる主人公そのものをカスタマイズする物。ギアは帽子、シャツ、ズボン、ブーツに分類されており4種類同時に付けることができる。同じ種類の物は1つしか付けることができないのでメニューで選ぶことになる。ギアはマップに希に落ちているので取り逃さないようにしたい。

また先ほども書いたインフュージョンでライフ、シールド、ソルトの最大値を増加することができる。

前作までは海底で重苦しい雰囲気だったが、今回は天空で今度は脚が震えそうな場所となった。もう少し中間の場所はないのだろうか? しかしこの天空都市の作り込みの半端のなさはさすがである。常に上下に浮遊している建造物に街の人々。実際にこんな街でゲーム関係なしで散歩してみたくなる程である。

しかしゲーム内ではあまり待ってくれないようである。冒頭でも述べたようにこれは一人称の“アクションアドベンチャー”。レトロフューチャーな世界を冒険するそんなスタイルが醍醐味なゲーム。前作、前々作を遊んでいない方も、今作はストーリーのつながりはないので今作からも遊べる。

そんな『バイオショック インフィニット』日本語版は4月25日発売となる。

このゲームを遊ぶと土の匂いが恋しくなるよ。あ、鼻血出てきた……。

『バイオショック インフィニット』公式サイト

※記事は発売前のサンプルロムでプレイした物です。
※PlayStation3版でのレビューになります。
※バージョン1.01適応前のものです。日本国内発売時には修正アップデート1.01が公開されております。

© 2002-2013 Take-Two Interactive Software, Inc. Developed by Irrational Games. BioShock, BioShock Infinite, Irrational Games, 2K Games and their respective logos are trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc.

※この記事は、ゴールドラッシュの「ソル」が執筆しました。[リンク]

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