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「福島で人は住めない」–放射能デマ騒ぎの悲しい結末(経済・環境ジャーナリスト 石井孝明)

「福島で人は住めない」--放射能デマ騒ぎの悲しい結末

今回は『アゴラ 言論プラットフォーム』の石井孝明さんの記事からご寄稿いただきました。

「福島で人は住めない」–放射能デマ騒ぎの悲しい結末(経済・環境ジャーナリスト 石井孝明)

放射能デマはなぜ許されないか

「福島で人は住めない」--放射能デマ騒ぎの悲しい結末

福島の放射能デマをめぐる残念な話があったので、紹介してみたい。

「メディアが醸成した放射能ストレス(下)–死者ゼロなのに大量の報道、なぜ?」*1 という記事で、ある環境雑誌の経営者と対話した経験を私は示した。その後日談だ。この人は放射能と健康について、デマと言われかねない誤った情報を流し続けた。それを心配して私は次の意見を述べた。誰に対しても話していることだ。

*1:「メディアが醸成した「放射能ストレス」(下)― 死者ゼロなのに大量の報道、なぜ?」 2012年06月07日 『アゴラ』
http://agora-web.jp/archives/1462572.html

「放射能について不正確な情報を垂れ流す事は、人の生活、命、健康に情報で害を与えかねない。特に、ジャーナリストなら職業倫理上、絶対にデマの拡散に関与してはならない。勉強と取材をした上で慎重に報道すべきだ」

「原発の是非の主張と、今起きている放射能のリスク評価の問題はまったく別である。前者は自由に語ればいい。人々の不安につけ込んで後者を強調して前者を語ってはいけない。誤った情報は風評被害を生み、福島という地域を壊し、ムダな損失を人の人生と社会と日本全体に加える」

「放射能デマを流した自称ジャーナリストの上杉隆氏が人々に吊るし上げられた。観察すると、原発についてどのような主張をしても大半の人は批判をしない。ところがデマは「嘘」という普遍的に批判される行為であり、社会の目は厳しい。嘘は身を滅ぼしかねない」

ところがこの雑誌経営者は聞く耳を持たないどころか、私を原発推進派と批判した。そして「政府と御用学者は信じられない」と繰り返した。私はあきれ、この人から距離を置いた。そして、その後、危惧通りのことが起こった。

嘘は身を滅ぼした

この雑誌経営者はツイッターや記事などで、「福島に人は住めない」「福島で子供が鼻血」などというデマ情報を流し、過激になっていった。11年夏に「放射能に効く」という怪しげなサプリメントを売った後で批判され失踪したクリス・バズビー氏という人物がいる。それを賛美する文章を書き、関係者は仰天した。また福島で正確な情報を伝えようとする放射能関連の医学者や、食品衛生の著名な学者を「御用」とののしった。さらにデマを流す人々と一緒にイベントを行い始めた。グリーンピースや環境活動家の田中優氏などだ。

これは知名度がある雑誌ではないが、一連の活動を福島の経済団体の幹部で、現地企業の社長が知った。「福島をバカにするな」と激怒。その経済団体の東京の関連団体に連絡して、その雑誌の広告、セミナーの支援を全部止めるように要請し、実際に止まってしまった。どうも雑誌経営者は、止まった経緯を知らないらしい。

またこの雑誌に協力していた環境関連業、また農業関連業の企業経営者らが、本人に直接聞けないので、以前関係のあった私に「あの雑誌は大丈夫だろうか」と心配して問い合わせてきた。これらの人たちは、著名で志のある経営者であり、原発について批判的だ。しかしデマをこの雑誌が流布したことを心配した。さらにこの雑誌経営者は「御用」呼ばわりをして、あたりかまわず学者に噛み付いたために、著名な医学者が警戒してこの雑誌の取材を断った。

読者の方も経験した事があるだろう。一番誠実な友人とか、一番眼の肥えた顧客は、ある人や会社に問題があると、「黙って去る」ものだ。お世辞を言って取り巻く人は、たいてい下心がある。この雑誌の周りからも、まともな人は静かに消えた。

この雑誌経営者は、ビジネスが止められたことも、また周囲から人が去ったことも気づいていないようだった。経営もうまくいっていないと、風の噂に聞いた。この文章を書くために、この人のツイッターを数ヶ月ぶりにのぞいた。状況は改善されていなかった。

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