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【保育所待機児童問題】杉並区が発表した「対策緊急推進プラン」全文掲載

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3月5日、保育所待機児童問題を受けて杉並区が「対策緊急推進プラン」を発表したのでここに全文を掲載します。
(資料提供: 杉並区議会議員 堀部やすし氏 https://twitter.com/HORIBE_Yasushi [リンク]

(Google Docs版)待機児童対策緊急推進プラン(杉並区、3月5日発表)

(以下、テキスト版です)

待機児童対策緊急推進プラン(2013年3月5日,杉並区)

待機児童対策緊急推進プラン
-多様な保育サービスを充実し、待機児童をゼロに-

平成25年3月
杉並区

1 プラン策定の背景

(1)この間の保育施設の整備等

○これまで区は、保育の待機児童解消を目指して、保育施設の計画的な整備を着実に進めてきた。その中で、平成20年秋のリーマン・ショック以降の急激な保育需要の高まりに対しては、特にスピード感を重視して進める必要があり、認可保育所のみによる整備が現実的ではないことから、東京都認証保育所や区独自の保育室の整備を中心として保育需要への対応を図り、その結果、待機児童数を一定数に抑えることができた。

○東京都認証保育所や区保育室は、良質な保育を提供する観点から、施設規模を除き、児童一人当たりの面積や職員配置、施設設備については、いずれも認可保育所の設置基準に準じたものとなっている。また、これらの認可外保育施設では、認可保育所よりも長時間の保育を行ったり、心身の発達段階を考慮した教育的プログラムを導入するなど、各事業者が創意工夫を凝らした教育・保育を実施して、保護者の多様な保育ニーズを踏まえた対応に努めている。

○こうした認可外保育施設の利用者負担額については、認可保育所と比べて保育料が高い傾向にあるため、その負担軽減を図る観点から、区では、23区の中でもトップクラスの水準となる保育料補助制度を創設・運用し、保護者ニーズに即した利用を支援しているところである。

(2)保育需要の急激な増加

○区では、昨年3月に、10年後を展望した区政運営の指針となる基本構想(10年ビジョン)を策定し、同時期に、その実現の具体的な道筋となる総合計画(10年プラン)・実行計画(3年プログラム)を明らかにした。この中で、今後の保育施設の整備については、中・長期的な展望に立った認可保育所の整備を核としつつ、認証保育所やグループ保育室や家庭福祉員などの多様な手法による保育施設の整備を進めて待機児童の解消を図ることとしており、平成24年度から、これらの計画に基づいた取組を推進している。

○こうした中で、本年1月1日現在の就学前人口は、前年と比較して約500名の増となった。これに加え、社会経済状況等により就学前人口に占める保育を希望する割合が高まっていることから、平成25年度の認可保育所の入園申込者数は、前年度比約400名増の約3,000名となり、本年2月中旬に実施した第一次選考では、その半数となる約1,500名が入園内定に至らない結果となっている。

(3)保護者の不安解消に向けた緊急対策の実施

○このような状況等を踏まえ、住民に最も身近な基礎自治体である区は、保育を希望する保護者の不安を一刻も早く解消しなければならない。そして、総合計画の目標に掲げる「待機児童ゼロ」の早期達成に向けて取り組む必要がある。

2 プランの位置付け等

(1)位置付け

○区では、平成24年度bも実行計画(平成24年度~26年度)に基づいて、保育施設の整備を進めているところであるが、保育をめぐる現下の状況等から、更なる取組を進める必要がある。

○このため、本プランは、実行計画の事業量を上回る取組を緊急に推進するためのプランとする。

(2)計画期間

○本プランの計画期間は、平成24年度から26年度までの3年間とする。

○加えて、平成27年度以降の取組の基本的視点についても明らかにするものとする。

3 計画期間の保育需要等

○計画期間の保育需要等については、この間の実績等を踏まえて最も厳しい状況を想定しつつ以下の表のとおり見込み、待機児童ゼロの実現に向けて、具体的な取組を進めることとする。

○なお、平成27年4月時点の見込みとそれに対応する具体的な取組については、今後の就学前人口の動向等を踏まえ、平成26年度当初予算編成の中で、改めて検討するものとする。

<図>

4 平成24年度〜26年度の緊急対策

【1】基本的な考え方

(1)多様な保育施設の活用推進

○23区をはじめとする大都市においては、保育を希望する保護者が増加頃向にあるとともに、その働き方や保育ニーズが多様化している。また、一定規模の土地や施設を必要とする認可保育所の整備には、計画段階から実際の開設に至るまでに概ね2~3年間の期間と多くの財源を要するため、認可保育所のみでこれらの保育ニーズに対応することは現実的ではない。

○このため、増大・多様化する保育ニーズに迅速かつ的確に対応するため、認可保育所の計画 的な整備とともに、東京都認証保育所や区保育室、さらには、東京都が新たに打ち出した小規模保育整備促進支援事業(東京スマート保育)など、良質で多様な保育施設をバランス良く活用した整備を推進する。

○なお、保育の待機児童対策は大都市共通の課題であることから、引き続き、国に対して重点的な支援を働きかけるとともに、東京都との連携を一層強化しながら取組む必要がある。

(2)認可外保育施設の保育料補助制度の拡充

○これまで区は、23区の中でもトップクラスの水準の保育料補助制度により、東京都認証保育所や区保育室等の認可外保育施設利用者の負担軽減を図ってきたが、同じ所得階層における認可保育所と認可外保育施設では、実質的な利用者負担に大きな差が生じている実態がある。

○このため、認可保育所の保育料との均衡等を考慮した認可外保育施設の保育料補助制度の拡充を図り、これらの保育施設をより一層利用しやすい環境づくりを進める。

(3)多様な保育施設等の適切な情報提供のための仕組みづくり

○区内には、認可保育所のほか、東京都認証保育所や区保育室、グループ保育室、家庭福祉員などの多様な保育施設や保育サービスがある。現在は、区公式ホームページを中心にこれらの情報を提供しているが、保育を希望する保護者の就労形態等に応じて、地域における多様な保育施設等に関する情報提供機能を一層充実させることにより、保護者ニーズと保育施設や保育サービスに、より一層適切に結び付けることが可能となる。

○このため、これらの保育施設の入退所情報等を定期的・総合的に集約するとともに、保育を希望する保護者のニーズに即した施設・サービスを案内するための具体的な仕組みづくりを進める。

【2】具体的な取組

(1)多様な保育施設の整備

ア.平成24年度中の取組→新たに150名程度の認可保育所入所枠を確保

○児童一人当たりの面積等の設置基準の範囲内で、区立・私立の認可保育所の定員の弾力的拡大を実施することにより、新たに150名程度の入所枠を確保した上で、本年3月中旬の認可保育所の第二次選考(最終選考)を実施する。

イ.平成25年度中の取組→既存計画による認可保育所4所の整備等に加え、新たに本年7月〜10月で7所145名の定員増を確保(26年1月までに合計360名の定員増へ)

○上記アの取組により、現時点で最大130名と見込まれる本年4月時点の待機児童は、計算上発生しないこととなる。しかし、実際の保育需要には、地域や歳児別の偏在があるため、更なる取組を早急に進めていく必要がある。

○現在計画中の認可保育園4所の整備等により、平成25年度中に215名の保育定員を確保する予定であるが、更なる対策を早急かつ着実に進めることで、区の保育施策に対する区民の不安を解消することにつながる。

○そのため、既存の区施設の有効活用や、東京都の新たな制度である「東京スマート保育」の活用などにより、本年7月から10月までに7所(定員145名)の保育施設の整備等を図る。

ウ.平成26年4月に向けた取組→平成26年4月に、6所325名の定員増を確保

○この間の就学前人口の増加傾向等を踏まえた、平成26年4月時点において見込まれる保育需要数は7,876名となる。

○そのため、上記イに加え、平成26年4月に開設する保育施設6所(定員325名)の整備を進め、来年4月時点においても待機児童の解消を図る。

○なお、計画の具体化を進めるにあたっては、本年4月時点の待機児童数の状況等を踏まえ、必要な修正等を図るものとする。

エ.平成26年度中の取組→状況に即した取組を引続き推進

○平成26年度中の取組については、既存の実行計画事業と併せ、今後の就学前人口の動向や平成26年4月に向けた認可保育所の入園申込み状況等を踏まえつつ改めて検討.具体化し、その結果を平成26年度当初予算に反映させていく。

(2)認可外保育施設の保育料補助制度の拡充

○区では、現在開会中の平成24年第1回区議会定例会に、認可保育所の保育料について、応能負担の原則に基づき、所得に応じて保育料が逓増する、より公平性の高い保育料体系に改 定するための条例改正案を提案している。これに併せて、平成25年度当初予算案の中で、認可外保育施設の保育料補助制度について、改定後の認可保育料との均衡等を考慮した見直しを図るとともに、新たに第3子以降にかかる認可外保育施設の保育料の原則無料化を行う拡充策を提案しているところである。

○これらの保育施設の利用者負担に関する総合的な見直しを本年10月から一括して実施し、認可外保育施設をより一層利用しやすい環境づくりを図る。

(3)多様な保育施設等の適切な情報提供のための仕組みづくり

ア.保育施設の入退所情報等の集約・提供

○現時点では十分把握できていない東京都認証保育所の入退所情報等を定期的に集約する仕組みづくりを早期に行い、認可保育所や区保育室等と併せた総合的な入退所情報等を随時提供できるようにすることで、保育を希望する保護者への支援の充実を図る。

イ.(仮称)保育コンシェルジュの設置

○上記アの取組を踏まえ、平成25年度に地域における多様な保に関する情報提供・相談業務等を行い、保育を希望する保護者の就労形態等に応じて各種の認可外保育施設や保育サービスに適切に結び付ける役割を担う、(仮称)保育コンシェルジュを新たに設置する。

【3】平成24年度〜26年度の取組(総括表)

<図>

5 平成27年度以降の取組の基本的視点

○平成27年度以降の待機児童対策の取組については、今後の就学前人口の推移を注視するとともに、保育を希望する保護者のニーズの把握・分析等を行った上で中・長期的な展望に立って検討する。

○また、昨年8月に成立した子ども・子育て関連3法に基づく新たな保育制度は、最短で平成27年4月に本格施行される予定である。そのため、平成27年度以降の取組については、平成25年度から26年度にかけて国が示すこととなっている基準や指針等を踏まえて、保育施設の関係者や保育を利用する当事者などからの幅広い意見の把握に努めながら、現在の様々な取組への影響等を考慮しつつく総合的な検討を進めていく。

○これらの検討結果を、平成26年度に予定している総合計画・実行計画のローリング(改定)に適切に反映させていくこととする。

参考資料

(杉並区広報)待機児童対策緊急推進プランを策定し、補正予算を区議会に提案

http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/250305taikijidoukinnkyuutaisakusuisinnpuran.pdf

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