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経済が成長しないことの本当の意味

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日本はアジアの中で豊かな国だと思っていました。しかしこれがいつまで続くのでしょうか。今回は藤沢数希さんのブログ『経済が成長しないことの本当の意味』からご寄稿いただきました。

経済が成長しないことの本当の意味

最近、日本はもう少子高齢化で衰退していくのだから、経済成長なんてあきらめて、のんびり暮らしていけばいいじゃないかという意見をよく聞きます。しかし、本当に経済が成長しないけどのんびり豊かに暮らしていくなんてことが可能なのでしょうか?今日は、経済が成長しないと言うのがどういう意味なのかよく考えたいと思います。

国民の平均的な「物質的」豊かさは国民一人当たりのGDPで表されます。これは平均的に国民一人がどれぐらいの所得を得ているかのモノサシです。経済学的にはこれをどんどん増やしていくことが、国民を幸福にしていくことだと考えます。

さて話は変わりますが、日本が土地バブルに浮かれていたころは、東南アジアの性産業が盛んな国々で、日本人の中年男性が多数売春ツアーに参加していたことが社会問題になりました。当然、性のサービスの単価は途上国の方が圧倒的に安いです。日本のような先進国では他に給料がいい仕事がたくさんあり、そう言った社会的に差別される産業にはいい人がなかなか集まらないので、質と言う面でも途上国の方がすぐれているのでしょう。そこに一部の旅行代理店が目をつけて、このようなツアーがたくさんできたのです。また、日本の学生がやはり東南アジアの売春宿などで遊んでいることがニュースになって、良識のある大人たちは眉(まゆ)をひそめたりしました。

しかし、よく考えてみてください。どこの国の男でも性欲があり、売春業というのは人類最古の商売ともいわれています。いつの時代でも、どこの国でもおおきな需要があるのです。そして、合法、非合法に関わらず、どこの国でもそういった商売は行われているのです。

それでは、なぜアジアの中高年男性は日本に売春ツアーに来ないのでしょうか?なぜアジアの学生は日本の売春宿で豪遊しないのでしょうか?これは日本の方が一人当たりGDPが圧倒的に高いからです。要するに貧乏な国の国民は高価なサービスを利用できないのです。これが「一人当たりのGDP」の本当の意味です。アジアの貧しい国々のリゾートには田舎から出てきた若い女性が、性のサービスを提供するバーがたくさんあります。彼女たちはなるべく高く自分のサービスを売りたいので、当然、顧客も限られています。自分の国の男性はお金がないのでそういったサービスにアクセスできません。

フェミニスト団体は人身売買組織だとか、劣悪な労働環境だとかをセンセーショナルに報道して、そういった国でサービスを買う男性を激しく非難したりしますが、現実は途上国の性産業で働くほとんどの女性もいたって普通の人たちで、経済合理的に行動しているだけでしょう。農村で貧乏な暮らしをしているよりも、大都市の繁華街でぜいたくな暮しがしたい。てっとり早く稼ぐために、そう言うバーで働こう。ただそれだけの理由なのです。

今、アジアの国々はどんどん経済成長しています。そして、日本の経済は衰退しています。

仮にあるアジアの国の一人当たりのGDPが100万円で、日本の一人当たりのGDPが300万円だとします。このアジアの国のGDPが1年で10%成長するとして、日本は成長しないとします。すると、10年ちょっとでこのアジアの国の一人当たりのGDPは日本と同じになります。20年弱でアジアの国の一人当たりのGDPは日本の2倍になります。こうなるとどうなるかというと、アジアの国の中年男性や学生が、日本の「安い」女をたくさん買いに来ることになります。

渋谷なんてゴーゴーバーがいっぱい乱立しそうな感じですね。そこで、今、コギャルみたいな人達は、売春婦になって踊っていることでしょう。農村で米なんか作ってるより、そっちの方が断然楽しいですからね。それで、今のフリーターとかワーキング・プアの人たちはポン引きとなって必死に外国からくる観光客を追いかけているでしょう。

「そこのシンガポール人の社長! うちはかわいい子そろっていますよ!」
「そこのかっこいい香港人のお兄さん。うちでちょっと遊んで行ってよ。見るだけならただだよ!」

あの渋谷の交差点の交番の警察なんかがゴーゴーバーの用心棒としてたっぷり賄賂(わいろ)をもらっているかもしれませんね。

つまり、経済成長というのはこういうことなんですよね。だから、表ではどんなきれいごとを言っても、どこの国の政策担当者もどうやって自国の経済を成長させるか必死に考えてるし、お金を稼げる企業や人材を必死に集めてるんですよね。

執筆: この記事は藤沢数希さんのブログ『金融日記』より寄稿いただきました
文責: ガジェット通信

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